20 / 21
第20話 永遠の誓いと新たな門出
しおりを挟む
教会を出ると、城下町の人々が道の両側に並んで私たちを祝福してくれていた。
「おめでとうございます!」
「お幸せに!」
花びらが舞い、子どもたちが笑顔で手を振っている。空は青く澄み渡り、まさに祝福の日にふさわしい天気だった。
「すごい人ですね」
私はアルベルトの腕にそっと手を添えた。
「皆、君たちの結婚を心待ちにしていたんです」
彼が優しく微笑んだ。
「愛の聖女と聖女検証官の結婚。おとぎ話のようだと」
「おとぎ話......」
確かに、一年前の私には想像もできない展開だった。
城の大広間では、盛大な披露宴が行われていた。
「それでは、新郎新婦の入場です!」
司会の声と共に、私たちが広間に入ると、大きな拍手が沸き起こった。
テーブルには豪華な料理が並び、美しい花々が飾られている。招待客たちは皆、幸せそうな笑顔を浮かべていた。
「ルーナ様、アルベルト様、本当におめでとうございます!」
メリッサが涙ぐみながら祝福してくれた。
「ありがとう、メリッサ」
王様が立ち上がった。
「それでは、乾杯の音頭を取らせていただきます」
全員がグラスを手に取る。
「ルーナ、君は偽物の聖女として城に来た」
王様が語り始めた。
「でも、君ほど人々を愛し、人々に愛された聖女を私は知らない」
私の目に涙が浮かんだ。
「そして、アルベルト。君は優秀な聖女検証官だったが、今や愛の聖女の最良の伴侶だ」
王様がグラスを高く掲げた。
「二人の幸せと、永遠の愛に乾杯!」
「乾杯!」
広間が祝福の声で満たされた。
エリスが私たちのテーブルにやってきた。
「おめでとう、ルーナ」
「ありがとうございます、エリス様。あなたのおかげで、ここまで来られました」
「いいえ」
エリスが首を振った。
「あなた自身の力です。私は、ただ見守っていただけ」
「そんなことありません」
「でも、一つお願いがあります」
エリスが真剣な表情になった。
「何でしょう?」
「これからも、聖女としての仕事を続けてください」
私は驚いた。
「結婚しても、ですか?」
「ええ。あなたの力は、まだまだ多くの人を救えます」
エリスが微笑んだ。
「もちろん、私も一緒に。二人の聖女で、この国を守りましょう」
「はい!」
トムたちも駆け寄ってきた。
「聖女様、いや、ルーナさん!」
トムが嬉しそうに言った。
「俺たち、ずっと応援してます!」
「ありがとう、トム。みんな」
「俺たちも立派になって、いつか聖女様みたいに人を助けられる人間になります!」
その純粋な決意に、胸が熱くなった。
「きっとなれるわ。あなたたちなら」
大司教も祝福に訪れた。
「ルーナ、素晴らしい式でした」
「ありがとうございます。でも、途中で大変なことになってしまって......」
「いえ、あれこそが真の結婚式です」
大司教が優しく微笑んだ。
「どんな困難も二人で乗り越える。それが結婚の本質ですから」
そして、意外な人物が現れた。
深淵の王——いや、彼はもう王ではない。闇のエネルギーを失った彼は、普通の青年の姿をしていた。
「ルーナ様......」
彼が恐る恐る近づいてきた。
「お邪魔でなければ......」
「どうぞ」
私は微笑んだ。
「本当に、申し訳ございませんでした」
彼が深々と頭を下げた。
「あなたの大切な日を、台無しにしてしまって」
「いいえ。おかげで、より意味のある式になりました」
「それに」
アルベルトが付け加えた。
「君も救われた。それが一番大切なことです」
元深淵の王の目に、涙が浮かんだ。
「ありがとうございます......これから、償いの人生を送ります」
「償いよりも」
私は彼の手を取った。
「これからは、人を愛する人生を送ってください」
彼が力強く頷いた。
宴が進む中、私はふと窓の外を見た。
城下町には平和が戻り、人々が笑顔で暮らしている。かつて消えた村々も、住民たちが戻ってきて再建が始まっていた。
全ては、愛の力がもたらした奇跡だった。
「何を見ているのですか?」
アルベルトが隣に来た。
「平和な景色を」
私は彼の肩に頭を預けた。
「これを守るために、これからも頑張らないといけませんね」
「ええ。でも、一人じゃない」
「そうですね。あなたがいる。エリス様がいる。みんながいる」
「そして」
アルベルトが私の手を取った。
「これからは、家族も増えるかもしれませんね」
私の頬が熱くなった。
「それは、まだ早いですよ」
「冗談です」
彼が笑った。
「でも、いつかは」
「ええ、いつかは」
夜が更けて、披露宴も終わりに近づいた。
最後に、私たちは招待客全員に向かって挨拶をした。
「皆様、本日は本当にありがとうございました」
私の声が広間に響く。
「私は、元々は偽物の聖女でした」
会場が静まり返った。でも、私は続けた。
「魔力もなく、ただ生きるために聖女のふりをしていました」
「でも、皆様の優しさに触れて、本当の愛を知りました」
私はアルベルトを見つめた。
「そして、この人と出会って、人生が変わりました」
「偽物だった私が、本物の愛を見つけることができました」
涙が頬を伝った。でも、それは幸せの涙だった。
「これからも、愛の聖女として、皆様と共に歩んでいきます」
アルベルトが私の手を握った。
「二人で、この国を、この世界を、愛で満たしていきます」
会場が大きな拍手に包まれた。
その夜、私たちは城の屋上に立っていた。
満天の星空の下、二人きりの時間。
「本当に、長い一日でしたね」
「ええ。でも、最高の一日でした」
アルベルトが私を抱きしめた。
「これから、どんな未来が待っているでしょうか」
「わかりません」
私は素直に答えた。
「でも、きっと幸せな未来です」
「なぜ、そう思うのですか?」
「だって」
私は彼を見上げた。
「あなたと一緒だから」
優しいキスが、星空の下で交わされた。
偽物から始まった私の物語は、本物の愛で新しい章を迎えようとしていた。
そして、その物語は——まだまだ続いていくのだ。
「おめでとうございます!」
「お幸せに!」
花びらが舞い、子どもたちが笑顔で手を振っている。空は青く澄み渡り、まさに祝福の日にふさわしい天気だった。
「すごい人ですね」
私はアルベルトの腕にそっと手を添えた。
「皆、君たちの結婚を心待ちにしていたんです」
彼が優しく微笑んだ。
「愛の聖女と聖女検証官の結婚。おとぎ話のようだと」
「おとぎ話......」
確かに、一年前の私には想像もできない展開だった。
城の大広間では、盛大な披露宴が行われていた。
「それでは、新郎新婦の入場です!」
司会の声と共に、私たちが広間に入ると、大きな拍手が沸き起こった。
テーブルには豪華な料理が並び、美しい花々が飾られている。招待客たちは皆、幸せそうな笑顔を浮かべていた。
「ルーナ様、アルベルト様、本当におめでとうございます!」
メリッサが涙ぐみながら祝福してくれた。
「ありがとう、メリッサ」
王様が立ち上がった。
「それでは、乾杯の音頭を取らせていただきます」
全員がグラスを手に取る。
「ルーナ、君は偽物の聖女として城に来た」
王様が語り始めた。
「でも、君ほど人々を愛し、人々に愛された聖女を私は知らない」
私の目に涙が浮かんだ。
「そして、アルベルト。君は優秀な聖女検証官だったが、今や愛の聖女の最良の伴侶だ」
王様がグラスを高く掲げた。
「二人の幸せと、永遠の愛に乾杯!」
「乾杯!」
広間が祝福の声で満たされた。
エリスが私たちのテーブルにやってきた。
「おめでとう、ルーナ」
「ありがとうございます、エリス様。あなたのおかげで、ここまで来られました」
「いいえ」
エリスが首を振った。
「あなた自身の力です。私は、ただ見守っていただけ」
「そんなことありません」
「でも、一つお願いがあります」
エリスが真剣な表情になった。
「何でしょう?」
「これからも、聖女としての仕事を続けてください」
私は驚いた。
「結婚しても、ですか?」
「ええ。あなたの力は、まだまだ多くの人を救えます」
エリスが微笑んだ。
「もちろん、私も一緒に。二人の聖女で、この国を守りましょう」
「はい!」
トムたちも駆け寄ってきた。
「聖女様、いや、ルーナさん!」
トムが嬉しそうに言った。
「俺たち、ずっと応援してます!」
「ありがとう、トム。みんな」
「俺たちも立派になって、いつか聖女様みたいに人を助けられる人間になります!」
その純粋な決意に、胸が熱くなった。
「きっとなれるわ。あなたたちなら」
大司教も祝福に訪れた。
「ルーナ、素晴らしい式でした」
「ありがとうございます。でも、途中で大変なことになってしまって......」
「いえ、あれこそが真の結婚式です」
大司教が優しく微笑んだ。
「どんな困難も二人で乗り越える。それが結婚の本質ですから」
そして、意外な人物が現れた。
深淵の王——いや、彼はもう王ではない。闇のエネルギーを失った彼は、普通の青年の姿をしていた。
「ルーナ様......」
彼が恐る恐る近づいてきた。
「お邪魔でなければ......」
「どうぞ」
私は微笑んだ。
「本当に、申し訳ございませんでした」
彼が深々と頭を下げた。
「あなたの大切な日を、台無しにしてしまって」
「いいえ。おかげで、より意味のある式になりました」
「それに」
アルベルトが付け加えた。
「君も救われた。それが一番大切なことです」
元深淵の王の目に、涙が浮かんだ。
「ありがとうございます......これから、償いの人生を送ります」
「償いよりも」
私は彼の手を取った。
「これからは、人を愛する人生を送ってください」
彼が力強く頷いた。
宴が進む中、私はふと窓の外を見た。
城下町には平和が戻り、人々が笑顔で暮らしている。かつて消えた村々も、住民たちが戻ってきて再建が始まっていた。
全ては、愛の力がもたらした奇跡だった。
「何を見ているのですか?」
アルベルトが隣に来た。
「平和な景色を」
私は彼の肩に頭を預けた。
「これを守るために、これからも頑張らないといけませんね」
「ええ。でも、一人じゃない」
「そうですね。あなたがいる。エリス様がいる。みんながいる」
「そして」
アルベルトが私の手を取った。
「これからは、家族も増えるかもしれませんね」
私の頬が熱くなった。
「それは、まだ早いですよ」
「冗談です」
彼が笑った。
「でも、いつかは」
「ええ、いつかは」
夜が更けて、披露宴も終わりに近づいた。
最後に、私たちは招待客全員に向かって挨拶をした。
「皆様、本日は本当にありがとうございました」
私の声が広間に響く。
「私は、元々は偽物の聖女でした」
会場が静まり返った。でも、私は続けた。
「魔力もなく、ただ生きるために聖女のふりをしていました」
「でも、皆様の優しさに触れて、本当の愛を知りました」
私はアルベルトを見つめた。
「そして、この人と出会って、人生が変わりました」
「偽物だった私が、本物の愛を見つけることができました」
涙が頬を伝った。でも、それは幸せの涙だった。
「これからも、愛の聖女として、皆様と共に歩んでいきます」
アルベルトが私の手を握った。
「二人で、この国を、この世界を、愛で満たしていきます」
会場が大きな拍手に包まれた。
その夜、私たちは城の屋上に立っていた。
満天の星空の下、二人きりの時間。
「本当に、長い一日でしたね」
「ええ。でも、最高の一日でした」
アルベルトが私を抱きしめた。
「これから、どんな未来が待っているでしょうか」
「わかりません」
私は素直に答えた。
「でも、きっと幸せな未来です」
「なぜ、そう思うのですか?」
「だって」
私は彼を見上げた。
「あなたと一緒だから」
優しいキスが、星空の下で交わされた。
偽物から始まった私の物語は、本物の愛で新しい章を迎えようとしていた。
そして、その物語は——まだまだ続いていくのだ。
1
あなたにおすすめの小説
転生バレ回避のはずが、領主の息子に見つかって恋をした。
黒蜜きな粉
恋愛
前世で遊び尽くしたRPGの世界に転生した少女ルーシ。
この世界で転生者は特別な存在として保護され、自由を奪われる。
英雄になんてなりたくない。
ルーシの望みはただひとつ──静かに暮らすこと。
しかし、瀕死の重傷を負った領主の息子アッシュを救ったことで、平穏な日常は崩れ始める。
才能への評価、王都への誘い、そして彼から向けられる想い。
特別になりたくない転生治癒師と、
彼女を見つけてしまった領主の息子の物語。
※第19回恋愛小説大賞にエントリーしております。
悪魔が泣いて逃げ出すほど不幸な私ですが、孤独な公爵様の花嫁になりました
ぜんだ 夕里
恋愛
「伴侶の記憶を食べる悪魔」に取り憑かれた公爵の元に嫁いできた男爵令嬢ビータ。婚約者は皆、記憶を奪われ逃げ出すという噂だが、彼女は平然としていた。なぜなら悪魔が彼女の記憶を食べようとした途端「まずい!ドブの味がする!」と逃げ出したから。
壮絶な過去を持つ令嬢と孤独な公爵の、少し変わった結婚生活が始まる。
【旦那様は魔王様 外伝】魔界でいちばん大嫌い~絶対に好きになんて、ならないんだから!~
狭山ひびき
恋愛
「あんたなんか、大嫌いよ!」ミリアムは大きく息を吸い込んで、宣言した。はじめてアスヴィルと出会ったとき、彼は意地悪だった。二度と会いたくないと思うほど嫌っていたのに、ある日を境に、アスヴィルのミリアムに対する態度が激変する。突然アスヴィルは、ミリアムを愛していると言い出したのだ。しかしミリアムは昔のまま、彼のことが大嫌い。そんなミリアムを振り向かせようと、手紙やお菓子、果ては大声で愛を叫んで、気持ちを伝えようとするアスヴィル。果たして、アスヴィルの気持ちはミリアムに届くのか――
※本作品は、【旦那様は魔王様!】の外伝ですが、本編からは独立したお話です。
白い結婚のはずでしたが、冷血辺境伯の溺愛は想定外です
鍛高譚
恋愛
――私の結婚は、愛も干渉もない『白い結婚』のはずでした。
侯爵令嬢クレスタは王太子アレクシオンから一方的に婚約破棄を告げられ、冷徹と名高い辺境伯ジークフリートと政略結婚をすることに。 しかしその結婚には、『互いに干渉しない』『身体の関係を持たない』という特別な契約があった。
形だけの夫婦を続けながらも、ジークフリートの優しさや温もりに触れるうち、クレスタの傷ついた心は少しずつ癒されていく。 一方で、クレスタを捨てた王太子と平民の少女ミーナは『真実の愛』を声高に叫ぶが、次第にその実態が暴かれ、彼らの運命は思わぬ方向へと転落していく。
やがて訪れるざまぁな展開の先にあるのは、真実の愛によって結ばれる二人の未来――。
気付けば名も知らぬ悪役令嬢に憑依して、見知らぬヒロインに手をあげていました
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
私が憑依した身体の持ちは不幸のどん底に置かれた悪役令嬢でした
ある日、妹の部屋で見つけた不思議な指輪。その指輪をはめた途端、私は見知らぬ少女の前に立っていた。目の前には赤く腫れた頬で涙ぐみ、こちらをじっと見つめる可憐な美少女。そして何故か右手の平が痛む私。もしかして・・今私、この少女を引っ叩いたの?!そして何故か頭の中で響き渡る謎の声の人物と心と体を共存することになってしまう。憑依した身体の持ち主はいじめられっ娘の上に悪役令嬢のポジションに置かれている。見るに見かねた私は彼女を幸せにする為、そして自分の快適な生活を手に入れる為に自ら身体を張って奮闘する事にした―。
※ 「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています。
【完結】王子妃候補をクビになった公爵令嬢は、拗らせた初恋の思い出だけで生きていく
たまこ
恋愛
10年の間、王子妃教育を受けてきた公爵令嬢シャーロットは、政治的な背景から王子妃候補をクビになってしまう。
多額の慰謝料を貰ったものの、婚約者を見つけることは絶望的な状況であり、シャーロットは結婚は諦めて公爵家の仕事に打ち込む。
もう会えないであろう初恋の相手のことだけを想って、生涯を終えるのだと覚悟していたのだが…。
[完結]7回も人生やってたら無双になるって
紅月
恋愛
「またですか」
アリッサは望まないのに7回目の人生の巻き戻りにため息を吐いた。
驚く事に今までの人生で身に付けた技術、知識はそのままだから有能だけど、いつ巻き戻るか分からないから結婚とかはすっかり諦めていた。
だけど今回は違う。
強力な仲間が居る。
アリッサは今度こそ自分の人生をまっとうしようと前を向く事にした。
『皇族を名乗った伯爵家は、帝国に処理されました』 ―天然メイドは、今日も失敗する―
ふわふわ
恋愛
婚約破棄を経て、静かに屋敷を去った令嬢。
その後に残された伯爵家は、焦燥と虚勢を抱えたまま立て直しを図ろうとする。
だが、思惑はことごとく空回りする。
社交界での小さな失態。
資金繰りの綻び。
信用の揺らぎ。
そして、屋敷の中で起こる“ちょっとした”騒動の数々。
決して大事件ではない。
けれど積み重なれば、笑えない。
一方、帝国では新たな時代が静かに始まろうとしている。
血筋とは何か。
名乗るとは何か。
国家が守るものとは何か。
これは、派手な復讐劇ではない。
怒号も陰謀もない。
ただ――
立場を取り違えた家が、ゆっくりと現実に追いつかれていく物語。
そして今日も、屋敷では誰かが小さな失敗をする。
世界は静かに、しかし確実に動いている。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる