誤った世界に誤って転生、俺に謝れ

夏派

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第1章 

第7話 一緒にこの世界を滅ぼそう

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「オレの名は青松あおまつアサ。この世界にやってきた剣士だよ」
「…………アサね。俺は赤増あかます成和なりかずだ。いきなりで悪いんだけど一個お願いいいか?」
「あ? どうした。なぜ俺が魔王討伐後に、この世界に残っているのか気になったか?」
「いやそれも気になるけどそれより…………」

 俺は彼から目を離して下を見つめる。

「このアホンダラを運ぶの手伝ってくれない?」
「そっちね」


 K時間後

 酔い潰れて完全に機能停止したサナを担いで俺とアサはギルドに戻ってきた。
 彼女が背負っていた巨大な樽は当然ながら置いてきた。ちなみに空だったのは衝撃だ。
 サナをそこら辺に置いて俺は料理を頼み、目の前のアサに問いかける。

「それでさっきの続きだけど、なんでお前この世界に残っているんだ?」
「それは当然な質問だな。ただオレも気になるぞ。お前たちこそなぜこの世界に残ってやがる。…………いやそこのアルコールバカが残っている理由は聞いたことあるけど、お前はなんだ」
「ああそれなら…………」

 俺はことのあらましを説明した。他の人と間違われて転生対象者になり、しかも魔王討伐後の世界に飛ばされたことを。
 しかし話してストレスが発散されることはあるらしいけど、今回に関してはありえないくらいストレスが溜まってきた。
 俺の話を黙って聞いていたアサは、そんなこともあるのか。と言いアルコールを口に含む。

「そいつはついてねぇな。オレがお前の立場ならば間違いなく、あのハゲをぶった斬りに行くさ」

 その言葉をチャンスと捉えて俺は自分が考えていた計画を伝えることにした。

「そうなんだよ。あのハゲをギャフンと言わせたいわけさ。そこで実はこんなことを考えていて…………」

 俺は封印された魔王を復活させて、そいつを倒して元の世界に戻る計画を話した。

「なっ?! お前ら…………バカだな」
「なんだと?! これでも俺とサナは真剣に取り組んでいr」
「ああすまねぇその意味のバカじゃねぇ。最高に面白いの意味だ。乗った! オレもその計画に入れてくれ」
「…………は?」

 思わず口に入れようとしたジョッキを俺は机に置いた。
 こいつは何を言ってるんだ。

「だから言ってるじゃねぇか、お前らの魔王復活計画にオレを混ぜて欲しい。端的に言おうか? お前らのパーティにオレを入れて欲しい」
「な、なぜ…………? そりゃ俺ら的には戦力が増えて嬉しいけど。なんでまたこんな物好きな計画に乗るんだ?」

 戦力増加は間違いなく嬉しい。
 1人は何の力もない人だし、もう1人は余裕こいて森の覇者に挑んだものの、お酒に負けたアホだ。

「あー言ってなかったな、俺がこの世界に残った理由。その理由がまんまお前らの計画に加わる理由でもあるんだけど」

 理由、理由うるさい彼は手に持っていたジョッキを飲み干すと話し始める。

「実はさ、俺、この世界滅ぼしたいんだよね」
「ぶっ!!」

 俺はあまりの衝撃に口に含んでいた、肉野菜炒めを吐き出した。もちろん咀嚼したやつ。

「汚ねぇな。まぁいい、当然気になるのは、滅ぼしたい理由だろ?」
「ま、まぁな。なかなかいないぞ、転生者なのに転生先を破壊したい人間なんて……」

 なかなかいないぞといったものの、そもそもそのデータがどこにあるかはわからない。みんなが嫌いな「ソースは?」と言われたら醤油と答えるしかない状況だ。

「ナリカズ……オレはな……異世界なのにハーレムを築けなかったんだ」
「そうかそんな辛いことがあっt……は?」
「現世に星の数だけある異世界関係のラノベは全部ハーレムだろ? だからオレはこの世界に来た時に確実に美女に囲まれてウハウハな生活ができると信じていたんだよ」

 ただな。

「蓋を開けてみればなんだ。オレにはその縁はなかったんだ。他の黒髪転生者たちは美女を侍らせているにも関わらずだ! わかるか? この不条理が! 美女に囲まれねぇ異世界に意味なんてねぇんだよ!!!」

 アサは大きな声をあげると、行儀はどこに行ったのか机の上に立ち上がった。
 腰に刺さった刀を抜き天に捧げる。

「オレは決めたんだ。このクソみたいな世界に地獄を見せてやると! だからオレは異世界に残り、その方法を考えていた」

 そこでお前らだ。

「魔王を復活させて世界を滅茶苦茶にしようなんて、ジャストフィットなアイデアだ」
「い、いや俺達は別に……世界を滅茶苦茶にする気は……」

 俺の声は聞こえていないのか、彼は続ける。

「だから俺はお前達のパーティに入る。一緒にこの世界を滅ぼそう!!」

 ああそうか、こいつもか。
 サナだけじゃなくて、こいつも。

「バカしか残ってねぇのかよこの世界に!」















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