7 / 16
第1章
第7話 一緒にこの世界を滅ぼそう
しおりを挟む
「オレの名は青松アサ。この世界にやってきた剣士だよ」
「…………アサね。俺は赤増成和だ。いきなりで悪いんだけど一個お願いいいか?」
「あ? どうした。なぜ俺が魔王討伐後に、この世界に残っているのか気になったか?」
「いやそれも気になるけどそれより…………」
俺は彼から目を離して下を見つめる。
「このアホンダラを運ぶの手伝ってくれない?」
「そっちね」
K時間後
酔い潰れて完全に機能停止したサナを担いで俺とアサはギルドに戻ってきた。
彼女が背負っていた巨大な樽は当然ながら置いてきた。ちなみに空だったのは衝撃だ。
サナをそこら辺に置いて俺は料理を頼み、目の前のアサに問いかける。
「それでさっきの続きだけど、なんでお前この世界に残っているんだ?」
「それは当然な質問だな。ただオレも気になるぞ。お前たちこそなぜこの世界に残ってやがる。…………いやそこのアルコールバカが残っている理由は聞いたことあるけど、お前はなんだ」
「ああそれなら…………」
俺はことのあらましを説明した。他の人と間違われて転生対象者になり、しかも魔王討伐後の世界に飛ばされたことを。
しかし話してストレスが発散されることはあるらしいけど、今回に関してはありえないくらいストレスが溜まってきた。
俺の話を黙って聞いていたアサは、そんなこともあるのか。と言いアルコールを口に含む。
「そいつはついてねぇな。オレがお前の立場ならば間違いなく、あのハゲをぶった斬りに行くさ」
その言葉をチャンスと捉えて俺は自分が考えていた計画を伝えることにした。
「そうなんだよ。あのハゲをギャフンと言わせたいわけさ。そこで実はこんなことを考えていて…………」
俺は封印された魔王を復活させて、そいつを倒して元の世界に戻る計画を話した。
「なっ?! お前ら…………バカだな」
「なんだと?! これでも俺とサナは真剣に取り組んでいr」
「ああすまねぇその意味のバカじゃねぇ。最高に面白いの意味だ。乗った! オレもその計画に入れてくれ」
「…………は?」
思わず口に入れようとしたジョッキを俺は机に置いた。
こいつは何を言ってるんだ。
「だから言ってるじゃねぇか、お前らの魔王復活計画にオレを混ぜて欲しい。端的に言おうか? お前らのパーティにオレを入れて欲しい」
「な、なぜ…………? そりゃ俺ら的には戦力が増えて嬉しいけど。なんでまたこんな物好きな計画に乗るんだ?」
戦力増加は間違いなく嬉しい。
1人は何の力もない人だし、もう1人は余裕こいて森の覇者に挑んだものの、お酒に負けたアホだ。
「あー言ってなかったな、俺がこの世界に残った理由。その理由がまんまお前らの計画に加わる理由でもあるんだけど」
理由、理由うるさい彼は手に持っていたジョッキを飲み干すと話し始める。
「実はさ、俺、この世界滅ぼしたいんだよね」
「ぶっ!!」
俺はあまりの衝撃に口に含んでいた、肉野菜炒めを吐き出した。もちろん咀嚼したやつ。
「汚ねぇな。まぁいい、当然気になるのは、滅ぼしたい理由だろ?」
「ま、まぁな。なかなかいないぞ、転生者なのに転生先を破壊したい人間なんて……」
なかなかいないぞといったものの、そもそもそのデータがどこにあるかはわからない。みんなが嫌いな「ソースは?」と言われたら醤油と答えるしかない状況だ。
「ナリカズ……オレはな……異世界なのにハーレムを築けなかったんだ」
「そうかそんな辛いことがあっt……は?」
「現世に星の数だけある異世界関係のラノベは全部ハーレムだろ? だからオレはこの世界に来た時に確実に美女に囲まれてウハウハな生活ができると信じていたんだよ」
ただな。
「蓋を開けてみればなんだ。オレにはその縁はなかったんだ。他の黒髪オス転生者たちは美女を侍らせているにも関わらずだ! わかるか? この不条理が! 美女に囲まれねぇ異世界に意味なんてねぇんだよ!!!」
アサは大きな声をあげると、行儀はどこに行ったのか机の上に立ち上がった。
腰に刺さった刀を抜き天に捧げる。
「オレは決めたんだ。このクソみたいな世界に地獄を見せてやると! だからオレは異世界に残り、その方法を考えていた」
そこでお前らだ。
「魔王を復活させて世界を滅茶苦茶にしようなんて、ジャストフィットなアイデアだ」
「い、いや俺達は別に……世界を滅茶苦茶にする気は……」
俺の声は聞こえていないのか、彼は続ける。
「だから俺はお前達のパーティに入る。一緒にこの世界を滅ぼそう!!」
ああそうか、こいつもか。
サナだけじゃなくて、こいつも。
「バカしか残ってねぇのかよこの世界に!」
「…………アサね。俺は赤増成和だ。いきなりで悪いんだけど一個お願いいいか?」
「あ? どうした。なぜ俺が魔王討伐後に、この世界に残っているのか気になったか?」
「いやそれも気になるけどそれより…………」
俺は彼から目を離して下を見つめる。
「このアホンダラを運ぶの手伝ってくれない?」
「そっちね」
K時間後
酔い潰れて完全に機能停止したサナを担いで俺とアサはギルドに戻ってきた。
彼女が背負っていた巨大な樽は当然ながら置いてきた。ちなみに空だったのは衝撃だ。
サナをそこら辺に置いて俺は料理を頼み、目の前のアサに問いかける。
「それでさっきの続きだけど、なんでお前この世界に残っているんだ?」
「それは当然な質問だな。ただオレも気になるぞ。お前たちこそなぜこの世界に残ってやがる。…………いやそこのアルコールバカが残っている理由は聞いたことあるけど、お前はなんだ」
「ああそれなら…………」
俺はことのあらましを説明した。他の人と間違われて転生対象者になり、しかも魔王討伐後の世界に飛ばされたことを。
しかし話してストレスが発散されることはあるらしいけど、今回に関してはありえないくらいストレスが溜まってきた。
俺の話を黙って聞いていたアサは、そんなこともあるのか。と言いアルコールを口に含む。
「そいつはついてねぇな。オレがお前の立場ならば間違いなく、あのハゲをぶった斬りに行くさ」
その言葉をチャンスと捉えて俺は自分が考えていた計画を伝えることにした。
「そうなんだよ。あのハゲをギャフンと言わせたいわけさ。そこで実はこんなことを考えていて…………」
俺は封印された魔王を復活させて、そいつを倒して元の世界に戻る計画を話した。
「なっ?! お前ら…………バカだな」
「なんだと?! これでも俺とサナは真剣に取り組んでいr」
「ああすまねぇその意味のバカじゃねぇ。最高に面白いの意味だ。乗った! オレもその計画に入れてくれ」
「…………は?」
思わず口に入れようとしたジョッキを俺は机に置いた。
こいつは何を言ってるんだ。
「だから言ってるじゃねぇか、お前らの魔王復活計画にオレを混ぜて欲しい。端的に言おうか? お前らのパーティにオレを入れて欲しい」
「な、なぜ…………? そりゃ俺ら的には戦力が増えて嬉しいけど。なんでまたこんな物好きな計画に乗るんだ?」
戦力増加は間違いなく嬉しい。
1人は何の力もない人だし、もう1人は余裕こいて森の覇者に挑んだものの、お酒に負けたアホだ。
「あー言ってなかったな、俺がこの世界に残った理由。その理由がまんまお前らの計画に加わる理由でもあるんだけど」
理由、理由うるさい彼は手に持っていたジョッキを飲み干すと話し始める。
「実はさ、俺、この世界滅ぼしたいんだよね」
「ぶっ!!」
俺はあまりの衝撃に口に含んでいた、肉野菜炒めを吐き出した。もちろん咀嚼したやつ。
「汚ねぇな。まぁいい、当然気になるのは、滅ぼしたい理由だろ?」
「ま、まぁな。なかなかいないぞ、転生者なのに転生先を破壊したい人間なんて……」
なかなかいないぞといったものの、そもそもそのデータがどこにあるかはわからない。みんなが嫌いな「ソースは?」と言われたら醤油と答えるしかない状況だ。
「ナリカズ……オレはな……異世界なのにハーレムを築けなかったんだ」
「そうかそんな辛いことがあっt……は?」
「現世に星の数だけある異世界関係のラノベは全部ハーレムだろ? だからオレはこの世界に来た時に確実に美女に囲まれてウハウハな生活ができると信じていたんだよ」
ただな。
「蓋を開けてみればなんだ。オレにはその縁はなかったんだ。他の黒髪オス転生者たちは美女を侍らせているにも関わらずだ! わかるか? この不条理が! 美女に囲まれねぇ異世界に意味なんてねぇんだよ!!!」
アサは大きな声をあげると、行儀はどこに行ったのか机の上に立ち上がった。
腰に刺さった刀を抜き天に捧げる。
「オレは決めたんだ。このクソみたいな世界に地獄を見せてやると! だからオレは異世界に残り、その方法を考えていた」
そこでお前らだ。
「魔王を復活させて世界を滅茶苦茶にしようなんて、ジャストフィットなアイデアだ」
「い、いや俺達は別に……世界を滅茶苦茶にする気は……」
俺の声は聞こえていないのか、彼は続ける。
「だから俺はお前達のパーティに入る。一緒にこの世界を滅ぼそう!!」
ああそうか、こいつもか。
サナだけじゃなくて、こいつも。
「バカしか残ってねぇのかよこの世界に!」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
最強スライムはぺットであって従魔ではない。ご主人様に仇なす奴は万死に値する。
棚から現ナマ
ファンタジー
スーはペットとして飼われているレベル2のスライムだ。この世界のスライムはレベル2までしか存在しない。それなのにスーは偶然にもワイバーンを食べてレベルアップをしてしまう。スーはこの世界で唯一のレベル2を超えた存在となり、スライムではあり得ない能力を身に付けてしまう。体力や攻撃力は勿論、知能も高くなった。だから自我やプライドも出てきたのだが、自分がペットだということを嫌がるどころか誇りとしている。なんならご主人様LOVEが加速してしまった。そんなスーを飼っているティナは、ひょんなことから王立魔法学園に入学することになってしまう。『違いますっ。私は学園に入学するために来たんじゃありません。下働きとして働くために来たんです!』『はぁ? 俺が従魔だってぇ、馬鹿にするなっ! 俺はご主人様に愛されているペットなんだっ。そこいらの野良と一緒にするんじゃねぇ!』最高レベルのテイマーだと勘違いされてしまうティナと、自分の持てる全ての能力をもって、大好きなご主人様のために頑張る最強スライムスーの物語。他サイトにも投稿しています。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる