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第1章 ダンジョン
第29話 どの道を行くかは君がどこに行きたいかによる
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自室からDVDやBDを幾つか持ってきて、マヤに映画の説明をはじめる。
「方向性の違う劇の中から、どれか一つを選んでね」
最初はSF。「トレッキー」と非オタ系から言われている人たちからは評価の低い映画。
「『スター・トレック (1979年)』今より科学技術の進んだ未来という設定の話で、ある日、空の彼方からやってきた自由意思をもっているゴーレムみたいな人工物がやって来る。こいつが人類の話を聞かなくて、ゴレームの思う通りにならないと直ぐに強力な魔法を使って人を殺していく。これを口八丁とはったり好きな主人公が言いくるめようとする話」
マヤは全く興味がないようだ。俺の説明が悪いのか?
次は日本で言うところの社会派映画。
「『フィラデルフィア(1993)』本当にあった話を基にした劇。こっちの世界で唯一の超大国と呼ばれているアメリカという国は、訴訟社会と揶揄されることもあるのだけれど、アメリカの裁判や司法制度全体とそれを取り巻く社会がどれほど愚かしいのかを風刺した作品。観ていて心が晴れやかになることは絶対にないけれど、こっちの世界の人々の外面と内面を知るためには必要だと思う」
ちょっと興味をもったようだが意欲的という感じは全くない。
ファンタジー社会の住人がトールキンの創作物をどう評価するのか。
「『ロード・オブ・ザ・リング(2001)』こっちの世界に魔法は無いのだけれど、魔法や恐ろしいモンスターを空想で創り上げた剣と魔法の世界が舞台の物語。今から3部作全部を観ると見終えるのは深夜になるけれど、時間を区切って観る? 」
マヤはパッケージを見てかなり乗り気になったようだが、上映時間を聞いて諦めたようだ。
気楽に観るならやはりコメディか。
「『大逆転(1983)』こっちの世界では、資本主義とか株式とかいう言葉が一定の頻度ででてくるけれど、これは先物取引という商品を扱った商会の話。古い劇だから現在とは取引のやり方の主流が変わってしまっているが、金融というものを知らない一般の人が楽しんで観てもらえるように、商売の簡単な説明が劇中で行われているので、多分内容が全く分からないということはないと思う。あと、超富裕層の暮らしと、低所得者層の暮らしと、貧困層の暮らしが、戯画的に描かれているから、こっちの世界を理解する参考になるんじゃないかな。ただ、これはアメリカという国の階層描写であって、日本の富裕層と最底辺とは事情が異なるよ」
「この劇を観賞すれば、但馬さんが先ほど述べられた貨幣経済という言葉の意味もより深く理解が叶うのでしょうか? 」
「まぁ広い意味で言えばそうなるけれど、この劇を観たからといってマヤの知りたいことの回答が語られているということはないよ。経済に関する会話をする際に、この劇で語られていた話を思い出してもらえれば役に立つかもしれないという程度。こちらの世界には『学問に王道なし』という言葉があるが、何か1つをみたからと、それだけでわかったつもりになった者たちがやらかした『ノーフォーク農法』という言葉に纏わる君の世界の日本人たちの顛末は、マヤの方が詳しいのではないのかな。それを他山の石として少しずつ理解を深めていけば良いと思う」
「では、この劇を観せてください」
マヤの瞳に静かな決意が宿った。彼女は娯楽ではなく、あくまで知識を得るための手段としてこれを選んだのだろう。
世界に名立たるジャパニーズホラーの傑作である『リング』を観せて、日本では稀にTV画面から人がでてくることもあるのだと解説したかったのだが……
「隣の部屋に行こうか」
「その道具を使うのではなかったのですか? 」
「それでも観れるけれどリビングのそれは画面が大きすぎるから、初めての人というか、マヤのように球冠鏡のような道具を現実に知っていると、妙な誤解がありそうだから、それより小さい画面の方が落ち着いて鑑賞できると思う」
「仰っていることが分かりません」
「その道具をTVというのだけれど、TVの映像は画面に映っているだけで、そこから物質化した何かが飛び出してくるということは絶対にない。真偽の程はわからないけれど、劇を映像として取り込み、映画というものが制作された草創期には、自分たちの方に向かってくる馬車* みたいなものに観ていた人たちが驚いて、その場から逃げ出したという話も伝わっていてね。まぁ、観客たちが逃げ出したのは、同じリュミエール兄弟監督作の立体映像の方だと言う人もいて、実際にはどうだったのかよくわかっていない都市伝説のような話。こっちの世界でも初めて『映画』を観た人には色々あったらしい」
「この道具からは何もでてこないのですね。でしたら大丈夫です。このTV? ですか、この部屋で観せてください」
炬燵から足を抜きたくないのだろうか。向こうの部屋にはエアコンがあるのに。
「じゃぁこの部屋で観ようか」
映画を観ているマヤをそのままに、俺はお茶を淹れにキッチンへ。ついでに貰い物のフルーツ缶詰を3個冷蔵庫から取り出す。小さい缶詰なのでこれまで食べる適当な機会がなかったから丁度いい。違う種類のフルーツ缶詰が3個もあれば、どれか1つぐらいは食指が動くだろう。
お茶は熱くて苦いからフルーツを食べた後の方がいいよと言い添えてリビングから離れ、別室に向かい小用を済ます。
リビングに戻るとフルーツを移しかえたガラスコンポート皿は3皿とも空になっていた。1皿は俺用のつもりで用意したのだけれど、異世界の女性は小食をアピールするという風習がないのか、親戚の家に来た姪のような感覚でいるのか、卓上を見ている俺に、「甘いフルーツには苦い飲み物がとても合う」とお褒めの言葉をマヤから賜った。
内容の質問が何度かあったが、コメディ映画なので回答に窮するということはない。これが『グッド ウィル ハンティング** 』だったら、一カ所だけ大学レベルの台詞があるので、説明を求められても解説できなかったので助かった。
後半部。「ゴリラの着ぐるみを着ていた男は檻の中でゴリラと何をしていたのか」と、邪気の無い透徹した瞳で尋ねられた際には、この映画を制作したアメリカ人には自明のことなのだろうけれど、異なる文化圏の日本人には分からないと誤魔化しておいた。
サークレットがどんな風に翻訳するのかわからないし、やおい穴云々と勝手に意訳するかも知れない。危険を犯す愚は避けるべきだ。
映画を見終えると、明日の午前10時の再会を約し、球冠鏡を通してマヤを向こうの世界に見送った。
帰りにお土産として、マヤには木箱入りの泉州バスタオル、フェイスタオル、ハンドタオルの詰め合わせを。相応しいお二方に今回便宜を図ってくれたお礼にと、木箱入りの江戸切子グラス単品と、外国人には特に好まれそうだが俺の美的感覚からは遠く離れている父の遺品であるけばい、いや、発色の鮮やかな有田の磁器を持たしておいた。
<オールバラ伯爵領-コッツウォルズ領庁-執務室>
球冠鏡から靴音1つ立てず出てきたマヤは、冷たい磨き上げられた床の上で姿勢を正し、無言のまま家令に目礼する。
窓の無い執務室の空気はいつもの緊張感を漂わせていた。屋敷の廊下には静寂が満ちており、他にもいる使用人たちの気配を感じ取れない。その中で、マヤの所作はまるで儀式の一部のように洗練されていた。マヤは執務室から廊下へと足を踏み出し、ドアを開けたままの状態で振り返り、背筋を伸ばして家令の許しを待つ。
屋敷内で上級使用人以上の者に対し、都度毎の許可なく9メートル以内に近づく事をマヤは禁じられているのだ。
鏡から入室したマヤにちらりと視線を向けた家令は読んでいた書類に再び目を落とし、最後まで読み終えると印をつき白のケースに置いた。
小さな乾いた音が、部屋の静けさの中で微かに響く。しばしの間、空気が沈黙の重みに包まれる。
数拍の間をおいて家令はそっと顔を上げると、部屋の隅で控えていた青年に目で指示をだす。青年は衝立で鏡の前を塞ぎ、鏡とドアの中間点まで戻る。位置取りも無駄がない。訓練された動きだった。
「では、報告を聞こう」
静かだが重みのある声で家令が言った。老練な声の響きが部屋の空気を更に一段階引き締める。家令はマヤに視線を向けた。
マヤは一礼し、口元を引き結ぶ。先ほどまで但馬との会話で使っていた明るめの声色とは異なり、今はやや低く落ち着いた口調で、結論だけを口にした。
「やはり、日本人は頭がおかしいです」
_______________________________________________________
* 『ラ シオタ駅への列車の到着』フランス映画 1896
**『グッド ウィル ハンティング』 アメリカ映画 1997
「方向性の違う劇の中から、どれか一つを選んでね」
最初はSF。「トレッキー」と非オタ系から言われている人たちからは評価の低い映画。
「『スター・トレック (1979年)』今より科学技術の進んだ未来という設定の話で、ある日、空の彼方からやってきた自由意思をもっているゴーレムみたいな人工物がやって来る。こいつが人類の話を聞かなくて、ゴレームの思う通りにならないと直ぐに強力な魔法を使って人を殺していく。これを口八丁とはったり好きな主人公が言いくるめようとする話」
マヤは全く興味がないようだ。俺の説明が悪いのか?
次は日本で言うところの社会派映画。
「『フィラデルフィア(1993)』本当にあった話を基にした劇。こっちの世界で唯一の超大国と呼ばれているアメリカという国は、訴訟社会と揶揄されることもあるのだけれど、アメリカの裁判や司法制度全体とそれを取り巻く社会がどれほど愚かしいのかを風刺した作品。観ていて心が晴れやかになることは絶対にないけれど、こっちの世界の人々の外面と内面を知るためには必要だと思う」
ちょっと興味をもったようだが意欲的という感じは全くない。
ファンタジー社会の住人がトールキンの創作物をどう評価するのか。
「『ロード・オブ・ザ・リング(2001)』こっちの世界に魔法は無いのだけれど、魔法や恐ろしいモンスターを空想で創り上げた剣と魔法の世界が舞台の物語。今から3部作全部を観ると見終えるのは深夜になるけれど、時間を区切って観る? 」
マヤはパッケージを見てかなり乗り気になったようだが、上映時間を聞いて諦めたようだ。
気楽に観るならやはりコメディか。
「『大逆転(1983)』こっちの世界では、資本主義とか株式とかいう言葉が一定の頻度ででてくるけれど、これは先物取引という商品を扱った商会の話。古い劇だから現在とは取引のやり方の主流が変わってしまっているが、金融というものを知らない一般の人が楽しんで観てもらえるように、商売の簡単な説明が劇中で行われているので、多分内容が全く分からないということはないと思う。あと、超富裕層の暮らしと、低所得者層の暮らしと、貧困層の暮らしが、戯画的に描かれているから、こっちの世界を理解する参考になるんじゃないかな。ただ、これはアメリカという国の階層描写であって、日本の富裕層と最底辺とは事情が異なるよ」
「この劇を観賞すれば、但馬さんが先ほど述べられた貨幣経済という言葉の意味もより深く理解が叶うのでしょうか? 」
「まぁ広い意味で言えばそうなるけれど、この劇を観たからといってマヤの知りたいことの回答が語られているということはないよ。経済に関する会話をする際に、この劇で語られていた話を思い出してもらえれば役に立つかもしれないという程度。こちらの世界には『学問に王道なし』という言葉があるが、何か1つをみたからと、それだけでわかったつもりになった者たちがやらかした『ノーフォーク農法』という言葉に纏わる君の世界の日本人たちの顛末は、マヤの方が詳しいのではないのかな。それを他山の石として少しずつ理解を深めていけば良いと思う」
「では、この劇を観せてください」
マヤの瞳に静かな決意が宿った。彼女は娯楽ではなく、あくまで知識を得るための手段としてこれを選んだのだろう。
世界に名立たるジャパニーズホラーの傑作である『リング』を観せて、日本では稀にTV画面から人がでてくることもあるのだと解説したかったのだが……
「隣の部屋に行こうか」
「その道具を使うのではなかったのですか? 」
「それでも観れるけれどリビングのそれは画面が大きすぎるから、初めての人というか、マヤのように球冠鏡のような道具を現実に知っていると、妙な誤解がありそうだから、それより小さい画面の方が落ち着いて鑑賞できると思う」
「仰っていることが分かりません」
「その道具をTVというのだけれど、TVの映像は画面に映っているだけで、そこから物質化した何かが飛び出してくるということは絶対にない。真偽の程はわからないけれど、劇を映像として取り込み、映画というものが制作された草創期には、自分たちの方に向かってくる馬車* みたいなものに観ていた人たちが驚いて、その場から逃げ出したという話も伝わっていてね。まぁ、観客たちが逃げ出したのは、同じリュミエール兄弟監督作の立体映像の方だと言う人もいて、実際にはどうだったのかよくわかっていない都市伝説のような話。こっちの世界でも初めて『映画』を観た人には色々あったらしい」
「この道具からは何もでてこないのですね。でしたら大丈夫です。このTV? ですか、この部屋で観せてください」
炬燵から足を抜きたくないのだろうか。向こうの部屋にはエアコンがあるのに。
「じゃぁこの部屋で観ようか」
映画を観ているマヤをそのままに、俺はお茶を淹れにキッチンへ。ついでに貰い物のフルーツ缶詰を3個冷蔵庫から取り出す。小さい缶詰なのでこれまで食べる適当な機会がなかったから丁度いい。違う種類のフルーツ缶詰が3個もあれば、どれか1つぐらいは食指が動くだろう。
お茶は熱くて苦いからフルーツを食べた後の方がいいよと言い添えてリビングから離れ、別室に向かい小用を済ます。
リビングに戻るとフルーツを移しかえたガラスコンポート皿は3皿とも空になっていた。1皿は俺用のつもりで用意したのだけれど、異世界の女性は小食をアピールするという風習がないのか、親戚の家に来た姪のような感覚でいるのか、卓上を見ている俺に、「甘いフルーツには苦い飲み物がとても合う」とお褒めの言葉をマヤから賜った。
内容の質問が何度かあったが、コメディ映画なので回答に窮するということはない。これが『グッド ウィル ハンティング** 』だったら、一カ所だけ大学レベルの台詞があるので、説明を求められても解説できなかったので助かった。
後半部。「ゴリラの着ぐるみを着ていた男は檻の中でゴリラと何をしていたのか」と、邪気の無い透徹した瞳で尋ねられた際には、この映画を制作したアメリカ人には自明のことなのだろうけれど、異なる文化圏の日本人には分からないと誤魔化しておいた。
サークレットがどんな風に翻訳するのかわからないし、やおい穴云々と勝手に意訳するかも知れない。危険を犯す愚は避けるべきだ。
映画を見終えると、明日の午前10時の再会を約し、球冠鏡を通してマヤを向こうの世界に見送った。
帰りにお土産として、マヤには木箱入りの泉州バスタオル、フェイスタオル、ハンドタオルの詰め合わせを。相応しいお二方に今回便宜を図ってくれたお礼にと、木箱入りの江戸切子グラス単品と、外国人には特に好まれそうだが俺の美的感覚からは遠く離れている父の遺品であるけばい、いや、発色の鮮やかな有田の磁器を持たしておいた。
<オールバラ伯爵領-コッツウォルズ領庁-執務室>
球冠鏡から靴音1つ立てず出てきたマヤは、冷たい磨き上げられた床の上で姿勢を正し、無言のまま家令に目礼する。
窓の無い執務室の空気はいつもの緊張感を漂わせていた。屋敷の廊下には静寂が満ちており、他にもいる使用人たちの気配を感じ取れない。その中で、マヤの所作はまるで儀式の一部のように洗練されていた。マヤは執務室から廊下へと足を踏み出し、ドアを開けたままの状態で振り返り、背筋を伸ばして家令の許しを待つ。
屋敷内で上級使用人以上の者に対し、都度毎の許可なく9メートル以内に近づく事をマヤは禁じられているのだ。
鏡から入室したマヤにちらりと視線を向けた家令は読んでいた書類に再び目を落とし、最後まで読み終えると印をつき白のケースに置いた。
小さな乾いた音が、部屋の静けさの中で微かに響く。しばしの間、空気が沈黙の重みに包まれる。
数拍の間をおいて家令はそっと顔を上げると、部屋の隅で控えていた青年に目で指示をだす。青年は衝立で鏡の前を塞ぎ、鏡とドアの中間点まで戻る。位置取りも無駄がない。訓練された動きだった。
「では、報告を聞こう」
静かだが重みのある声で家令が言った。老練な声の響きが部屋の空気を更に一段階引き締める。家令はマヤに視線を向けた。
マヤは一礼し、口元を引き結ぶ。先ほどまで但馬との会話で使っていた明るめの声色とは異なり、今はやや低く落ち着いた口調で、結論だけを口にした。
「やはり、日本人は頭がおかしいです」
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