私だってあなたを愛するつもりはありません、宰相殿

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6. カティネの兄弟

 シャルロットと契約書にサインした後、ジェフはいつも通り迎えに来たバルカスと共に出勤した。
 バルカスは子爵家の息子で、同じタウンハウスエリア、徒歩五分の場所に屋敷があった。しょっちゅうカーターの屋敷にも泊まるが、基本的には通いである。二人はカーター家の執務室、王城横に建つ執政棟の宰相室、国内外の視察と毎日一緒に飛び回る。

「バルカスさんは優秀なんですよ。情報網を張るのが得意でね。彼のツテがあれば大体の無理筋も通ります。奥様もお願いごとがあれば何でもおっしゃって下さい」
「お若いのにおじさまも宰相様、バルカスさんも側近なんて、すごいですね」
「ジェフ様は実力主義ですからね……ところでその、おじさま……とは」
「もちろんおじさまです。いくら妻と言っても契約ですし、お名前で呼ぶなんてできません。セバスさんも、どうぞ私を奥様なんて呼ばないで下さい。何だか申し訳ないですから」
 老執事と専属侍女は揃って眉間にしわを寄せるが、諦めたように肩を落とした。
「おじさまはさて置き、奥様は奥様ですので。あ~、でも外でおじさまはいけませんよ」
「はい、じゃあ外では呼びません。奥様はなんか、むずむずしちゃって」
 かゆそうにする様子は可愛らしいが、セバスのため息は深い。
 セバスはテルミアと共に広い屋敷をくまなく案内してくれた。屋敷には大小様々な家族の私室と居間、大きな風呂、各居室のシャワールーム、ダイニングホールにダンスホール、夜会を開く迎賓用の別館、温室、庭園、ガゼボ…シャルロットは殆ど初めて触れる貴族文化に口を半開きにして付き合った。

 なんて無駄な施設だろう。
 その為に人を沢山雇わねばならない程に掃除が大変だ。

 庶民の感想しか出て来ない。自分は残念な奥様だろうな、と思う。車のなかった時代の名残で厩舎も有り、数頭の馬もいた。
「馬! すごい! 可愛い!」
「興味がお有りでしたら、乗馬もお教えしますよ。馬番がいますから」
「えっ、良いのですか?」
「もちろんです。何でもやりたいことが有れば仰ってください。では試しに乗馬の時間も作っておきましょうね」
 シャルロットはちょっとわくわくする。貴族になって以来、初めて自分の意見が意味を持った気がした。

「さぁ、では屋敷のご案内は以上です。あとはディナーのお時間までお好きにお過ごし下さい」
 屋敷の玄関に戻り、一旦セバスと別れた。シャルロットはずっと気になっていたことをお願いしてみる。
「テルミアさん、私、どうしても行きたい場所があるのです。行ってきても良いでしょうか?」
 既に契約済である。ジェフからシャルロットは納得して契約し、屋敷に留まることなったと聞き及んでいるので、テルミアも余計な心配をせずに車の手配をすると言ってくれた。
「ご用事のお邪魔はいたしませんので、同行をお許しいただけますか?」
「もちろんです! 車で連れて行って下さるのであれば、随分と助かります。本当はその後、自宅にも取りに行きたいものがあって」
「子爵家ですね? お車でなければどうやって移動されるおつもりでしたか?」
「路面電車です。行き先はちょうど電車を降りた先なので」
「かしこまりました。奥様、今後は外出時には必ずお車で、と覚えておいて下さい。お一人でお出かけもいけません」
「なぜですか?」
「私共は奥様の安全にも気を配る必要があります。貴族の誘拐など珍しくもございません。お車ももちろん防弾仕様です。どうぞ外出先ではお一人にならないようお願いいたします」
「防弾……かしこまりました」
 撃たれるのか?
 だけど公爵家に連れて行かれた夜も大変にあらぶっていたことを思い出す。貴族の世界は危険がいっぱいである。

 何も言えずに辞めてしまった花屋には、どうしても謝罪とお別れに行きたかった。アルバイトも含めると五年勤めた自分が唐突に来なくなって、きっと奥さんも心配しただろう。少しだけでも事情を説明できればいい。
「行き先はロジアンですね。かしこまりました」
「あれ? 私、テルミアさんに屋号をお伝えしましたっけ」
「先程、伺ったかと…え~、運転手のサムも居りますし、伴は私一人で。手土産を用意しますね。手ぶらではいけません! では奥様、外出のご準備を。メイドのイルダを呼びます」
「ありがとうございま…あ」
「ふふ」
 口許をおさえたシャルロットに、テルミアが微笑む。朝から何度も御礼を言ってしまうのだ。
(テルミアさんは素晴らしく気がきいて、心底良くしてくれようとする)
 シャルロットは尻のすわりが悪くて、もじもじするしかない。本当は全部に礼を言いたい。言いたいが『これくらいで御礼を言ってはいけませんよ』と毎回小声で教えられる。ご令嬢とは難しい生き物である。


 丸いボンネットの黒い高級車で市街地まで出ると、小さな花屋のある通りから少し脇に逸れた辺りで降ろしてもらった。見慣れた路面電車の駅前。なるべく地味な服を選んだが、以前とは違う自分自身を奥さん達はどう思うだろう。目立たぬ場所で立ち止まったテルミアから次第に離れ、頼りない気持ちでロジアンと書かれた赤いオーニングテントを目指す。

 ひょっこりと顔を出すと、奥さんとご主人がちょうど一緒にいた。
「ロティ!!!」
 奥さんが驚いた声を出し、すっ飛んで来てシャルロットをぎゅーっと抱きしめた。
「ちょっと、急にいなくなるからびっくりしたじゃない!!」
「奥さん、突然ですいませんでした。私、すごい迷惑を」
「迷惑なんて良いよ、無事だったんなら! ちゃんと食べているの? 元気なのよね?」
「はぁ~……良かったよ。急に知らん奴が来て、もうロティは来ないって言うし、本当に心配してたんだ」
「本当にすいません、色々あって」
 二人はまじまじと下がってシャルロットを見た。
「まぁ……本当なのね? やんごとないお嬢さんだったって? なんだか随分と身ぎれいになっちゃって」
「あの、知らん奴がって、眼鏡をかけた人とかですか?」
「そうそれ、眼鏡。『シャルロットお嬢様は退職します。ご迷惑をかけますので、どうぞお納めください』ってね。なんか慇懃で偉そうに、まるで手切れ金みたいにさ、金を置いてったわ。感じ悪いったら! 大体、あんなの怖くて受け取れないよ。持って帰ってくれる? ロティ、あんなのと一緒にいて大丈夫なの? あ、そうだ! 渡せなかった分の給料も気になってたの」
「ひえ。 あの、あの、それはもう結構です。お金は私のものではありませんし、実はもう先に引き取られた家には居ないので、渡しようがありません。眼鏡のお金は私も知らなかったので、このままで」
「え~っ…んー、じゃあ給料は渡すわ。未払いだと役所から何か言われたら困るのよ」
「わかりました、ありがとうございます」
 ご主人から茶封筒を渡されて、代わりの様に手土産を受け取ってもらう。
「わぁ、このお菓子有名なやつだ! 嬉しい~! ねぇ、誰かにいじめられたりしていない?お貴族様なんて、ロティじゃ想像つかなくて。それにほら、ロティの住んでたとこ」
「いじめられたりはありませんが、貴族の社会は意味不明なことが多くてちんぷんかんぷんです」
「そうだろうね」
 奥さんとご主人の想像の斜め上を行き過ぎる意味不明ぶりだったのだが、説明するのも憚られた。
「もうあの家には、もう戻らなくて済むので、それだけでも本当に助かってて」
「そっかぁ、そりゃそうだよね。あいつらは知ってるの?」
「いえ、とにかく最後にこのお店を出た夜から一度も帰ってないんです。会ってもいません」
「えっ、そうなの!? 心配…はしないか。じゃあもう、戻らなくて良いのね」
「はい! これから一度だけ戻って、それでもうお終いです」
 二人はシャルロットと過ごした日々を思い出して涙ぐむ。シャルロットもそれを見て、ぽろぽろと涙をこぼした。
「良かったよ。私、ロティには結局大したことしてやれてなくて……しばらく後悔してたんだ。でもとにかく元気で、良い家に引き取ってもらえたんだね」
「そんな。奥さんには私、感謝してもしきれません。本当にありがとうございました。でも多分また戻ってくると思うので、その時はまたよろしくお願いします」
「当たり前だよ、そんなの!ロティがいなくなってから、何人もお客さんからロティのことを聞かれたよ。こんなに常連客を作ってくれていたなんて、本当にありがたかったの。いつでも帰っておいで、ロティ」

 別れを告げて店を離れ、控えていたテルミアと車に向かう。
「素敵なご夫婦でいらっしゃるんですね」
「はい! 一度も働いたことのない私に、とっても丁寧に仕事を教えてくれました。奥さんは遠くに嫁いだ娘さんと同じように私を可愛がってくださって。よく泊まらせてもらったり、お金がない時にご飯を食べさせてもらいました」
「さようでございますか。お食事にご自宅にまで……かしこまりました、心に留めておきます」
「素敵な手土産、喜んで頂いていました! ありがとうございました」

 再び車に乗り込んでから、シャルロットは意を決して運転手のサムに次の行き先を伝えた。
「カーター侯爵家がある貴族のエリアではない、西街のタウンハウス区画です。そこにあるカティネ子爵のお屋敷までお願いします」
「かしこまりました」
 にっこりと笑って、サムがアクセルをゆっくりと踏む。

 花屋から西街までは自転車でも十五分の距離で、車ならあっという間である。
「ではちょっと、行ってきます」
 さっさと降りたシャルロットの後を急いでテルミアが追う。
「まぁ、奥様いけません、同行させて頂きます。お部屋の中には入りませんのでご安心ください。子爵家の方へも手土産を持参しております。これはカーター家からのご挨拶でもあるのです」
「………」
 シャルロットは狼狽えるように瞳を揺らしたが、観念して頷いた。
「あの、子爵家の人には誰にも会うことはありません。平日の昼間だし、奥様も留守でしょう。私の部屋には……付いて来られても良いですが、その…驚かないで下さいね」
「かしこまりました」
 やや要領を得ない話にテルミアは首を傾げるが、気前よく請け負い、正門と離れた使用人用の入り口に向かうシャルロットの後ろについて来る。鞄から鍵を取り出し、鉄の扉を開けると、草木の生い茂るポーチを進んだ。ミルクティー色の髪は揺れながら右側に見える大きな屋敷とは反対側へと進み、鬱蒼と木が茂る、日当たりの悪い湿った地面に立った物置小屋の前に立った。
 小屋には南京錠で外から鍵がかかっているが、何かで一度ぶち壊されていた。錠ではなく物理的に鎖で括られている。
 あいつら、一度入ったんだな。シャルロットは推測する。
「奥様?」
 むんず、と鎖を掴んだシャルロットに驚いて、テルミアが声をかけた。
「手が汚れてしまいます!物置小屋に忘れ物が?サムを呼んでまいりますか?それか、新しい物を何でも購入いたしますが」
 手が錆びで汚れるのも構わず、ガチャガチャとシャルロットは巻かれた鎖を解いていく。
「お金では買えません」
「はぁ」
 母の写真と形見を取りに来たのだ。
 鎖が解かれた扉をギギギ、と引いていく。

「奥様…まさか」
「ええ、そうです。ここが、私の家でした」
 入口から見える物置小屋の中には小さなベッドと一対の机と椅子。くたびれたチェストが見える。テルミアは茫然と口許を覆った。
 床には直置きされた貰い物のコンロ、積まれた本。手作りのハンガーラックには数枚の衣類がかかる。
「長らく留守にしていたので、多分虫がいろいろ居ると思います。テルミアさんは此処にいて下さいね」
 一歩の躊躇もなく中に入ったシャルロットは目当てのチェストを開けて、持ってきた紙袋に必要なものを入れる。初めは母に関する物だけを念頭に置いていたが、しばらくぶりに訪れた自宅には思っていたよりも思い出があった。
「奥様これは、アルバムではないですか?」
「テルミアさん! 汚れますよ!」
 慌てるが、テルミアは大事そうにシャルロットの小さい頃のアルバムを見ている。
「車ですから、いくらでも持って帰りましょう?」
「でも……汚いですから」
 薄汚れた物を持って帰ると、綺麗な屋敷が汚れてしまう。
 だが、テルミアは強く首を振って、もう一度『持って帰りましょう!』と言った。
「確か、車のトランクに木箱があったと思います。お持ちしますから、少々お待ち下さい」
「あ、テルミ」
 瞬く間にテルミアが消えていく。シャルロットは深呼吸をして自分の部屋を見渡した。

 わかっていたが、落差がすごい。
 昨晩眠った『奥様の部屋』からこの部屋に来ると、改めて物置小屋らしさが半端なかった。石のブロックとセメントで出来た窓もない四方の壁に、適当に乗っけられた波打つ鉄板の屋根。本当は庭の掃除用具を入れる為だけの小屋である。人が住むことを想定していないので、天井と壁の隙間もひどいし、赤錆びた屋根は所々で穴が開き、自分で修理するまではそれは雨漏りも酷かった。
 最初の下手くそな大工仕事の後を目で追って、シャルロットはニシシと笑う。
「次は迷惑料で、もっと良い家に住むぞ!」
「おい、なんだって? ブス」
 背後から突然かかった大声に、華奢な肩が飛び上がった。
「どこ行ってたんだよ、クソ女!」
 戸口には腕組みした男二人がシャルロットを睨んで立ち塞がっている。
「………」
「返事くらいしろよ、ブス!」
 ブスブスと繰り返すのが兄のライアン、ひねりを効かせたつもりで全く効いていないクソ女と呼ばう方が弟のアーロである。兄弟はそれぞれがシャルロットのひとつずつ上と下で、つまり良い大人の男であった。
「荷物を取りに来ただけで、また出ていきます」
「ああ!? 聞いてねえんだよ、そんなこと。主人に内緒で何勝手に出て行ってるんだよ、誰が許した」
「私は今、別のお屋敷でお世話になっています。金輪際カティネ家の皆さんのご迷惑にはなりません」
「はぁぁぁぁ? 出ていけると思ってるのか。孤児のお前を拾ってやったのは誰だと思ってる。お前にいくらかかってるかわかってるのか? カティネには感謝してもしきれないだろ。一生を捧げるのが常識だ」
 食事もほとんどもらったこともない。ボルテージの上がる兄弟と反比例するように、シャルロットの頭はスーッと冷えていく。
「雨露凌げる小屋を与えて下さったことには感謝しています。ですが、それ以外は特に」
「お前、それはないだろう。どこで風呂に入った? どこの便所を使った? 小屋にはない庭の水道だって貸してやっただろうが。水泥棒かよ」
「………では、住んでいた間の水道代はお支払いします。振込みますので請求書を下さい」
 確か井戸水だったはずだが、バカ兄弟は面倒なので早く切り上げたかった。
「おいおい。ばかにするな?出ていけると思ってるのか。お前は一生ここにいろって言ってるんだろうが!」
 兄のライアンがシャルロットの髪を引っ張り小屋の外へと引きずり出した。シャルロットは痛みに顔を引き攣らせたが悲鳴を耐え、投げ捨てられた地面から素早く立ち上がって両手を構える。
「出たな!また怪しげな術を使おうってか」
 アーロが自分よりずっと小さな女をイラついた顔で見下ろす。
「お前は一生、俺の檻に入れて飼ってやるよ!」
 むちっとした腕が無防備に伸びて来たのをスローモーションのように捉え、シャルロットはスッとアーロのがら空きの懐に背中から入って腕を下から掴む。
「……セイッ!」
「ぅわっ」
 瞬きの間にアーロは地面に叩きつけられていた。ぐへっと変な息を吐いている。
「奥様!?」
 テルミアが木箱を投げうち、慌てて走ってきた。
「来てはいけません、テルミアさん!」
「奥様? ってなんだ!? アーロ! 早く起き上がって一緒に押し込め!」
「あっ」
 テルミアに気を取られた隙にライアンに背を思い切り蹴られて、小屋の中に放り込まれる。もんどりうって脇腹がチェストにあたり、シャルロットは小さく呻いた。
「奥様!!」
 テルミアが真っ青な顔で叫ぶ。
「なんだお前、不法侵入者だな!? こいつは奥様でも何でもない、奴隷だよ、出ていけ!!」
 バァン!と音を立てて小屋の鉄扉が閉まり、ライアンがその前で仁王立ちになってテルミアを追い払う。
「警察を呼ぶぞ! こっちは民事不介入だ! お前は余所者、出て行かないと侵入者として突き出す!」
「奥様を返して下さい!」
「だから奥様って誰なんだよ!?アーロ、ババァを追い出せ!」
 テルミアは襲ってきた弟から慌てて逃げて、何度も振り返りながら車へと駆け戻った。

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