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41. クリスマス②
アリンドの中心部にあるシンフォニーホールに到着すると、入退場する人々で想像していたよりも混雑していた。噂には聞いていたが、ホールの周辺広場にはお祭りのように露店まで出ている。
「すごい人!」
「シャルロット、腕を」
夫のエスコートに掴まり、物珍し気に露店を見る。
「クリスマスコンサートくらい知ってただろう」
「もちろん! 学校ではステディとデイチケットでクリスマスデートをするのは乙女の夢でしたから」
騒々しい人混みで、ジェフが屈んで顔を寄せ合い会話した。
「若い頃は皆同じだな。行ったことは?」
「クリスマスは花屋が一番忙しい日なんです」
「あ、そうか」
「朝から晩までい~っぱい売りました! 面白いくらいに売れます。それでちょっとお手当ももらって。帰りにスーパーじゃなくてケーキ店で好きなケーキを買って食べるんです」
「労働後の酒とケーキは格別だ」
「ジェフは毎晩飲むじゃないですか」
クスクス笑うシャルロットをジェフが優しい顔で見つめる。
「では君の乙女の夢は今晩私がいただけると」
「おめでとうございます」
「ステディかどうかは怪しいな」
「でもほら、お洋服も指輪もお揃いだから、大体ステディ」
テルミアが用意していたワンピースは淡い総レースのピンク色のハイネックに胸下から切り替えがあるグレイのプリーツスカートのコンビで、ジェフのグレイのスリーピースとピンクのシャツが揃いになっていた。ジャケットの胸に挿したチーフも同じレース。しばらく立ち止まって互いに指差し合いお揃い部分を確認していると、ジェフの知り合いから声がかかる。
「これはこれは宰相殿、さすがに今日は休みですか」
「やぁアルマイト。もちろん今晩はね。君は帰り?」
「ええ、三時から三時間いましたから。そろそろディナーに…こちらは妻と息子です」
ジェフも妻を紹介し、互いに良いクリスマスをと別れる。
ホールに入ってカーター侯爵家のVIPルームに行きつくまでに八組も挨拶をし、そのたびにジロジロと見られて『さすが新婚、仲良しだ』と判を押される。
「ジェフは本当に宰相様ですね」
「そうだよ。嘘だと思っていた?」
「ん~…時々忘れます。だっていつもお屋敷ではダラけてるから」
はっはっはっは。
「面白い冗談だ。何を飲む?」
「こんな素敵な音楽、眠っちゃうと嫌だから弱いお酒をちょっとだけ」
案内役のボーイに飲み物を頼むと、部屋に備え付けのバーカウンターでドリンクが準備される。その間にシャルロットはホール中央に向かって広がる露台に身を乗り出し、素晴らしい舞台に瞳を輝かせた。
「落ちるなよ」
「大丈夫」
「最初も落ちようとしてたんだ。ひやひやするな」
背後からシャルロットを囲むように手すりに手を付いたジェフが言う。
「落ちませんよ、ねぇ見て? 満席!」
二人で下を覗き込めば、デイチケットの客がぎっしりと隙間なく埋まっている。
左右には距離を開けて中二階、三階とVIP席やVIPルーム、ガラス張りのレストランが見える。
「レストランは音が聞こえるのかしら」
「もちろん聞こえるように設計してある。ガラスは匂いが漏れないようにだな」
「レストランと同じ食事がここで出来るのですか?」
「そうだよ」
「ここから匂いは漏れないの?」
「最上階だからね。上に向かって換気されるようにしてある」
「ふぅん。ジェフはなんでも知ってるんですね」
「大体のことは宰相の所に集まってくる」
VIPルームはバーカウンターの他にはダイニングテーブルに大きなソファベッド、小さなワインセラーや食器が入った棚、おやつが入った籠、いくつかのボードゲームが置いてあった。クラシックな調度はシンフォニーホールの雰囲気にぴったりで、シャルロットは想像もしていなかった素晴らしさに瞳を輝かせた。くるりと振り向いてジェフの腰にガバリと抱き着く。
「こんな素敵なクリスマスは初めてです! ありがとう、ジェフ!」
「……あぁ」
礼を言われて最初は少し面食らった顔をしていたが、中年男は頷いた。
クリスマスなぞ彼にとってはどうでも良いイベントである。どうせシャルロットがクリスマスを自分と過ごしたいなど嘘に決まっていたので、老執事の鬱陶しい目から逃れ、のびのびとVIPルームで飲もうと思っていたのが半分。新婚の邪魔はしないと友人たちから今年は誘われなかったのが三割。シャルロットがひとりでクリスマスを過ごすことになるとテルミアから聞いたのが九割……途中から計算がおかしくなった。
嬉しそうな契約妻はまた舞台を向いてジェフに背を向ける。ジェフは腕を回したままだったから、小さな肩は安心したように夫へ凭れ掛かり、二人はボーイが声をかけるまでくっついて演奏を聴いた。
食事と音楽を楽しんだ後は、少し照明を落として大きなソファに飲み物を持ち込み、並んで過ごす。会話があれば会話を楽しみ、時に会話を途切れさせるほどの煽情的な旋律に心を奪われ、会話がなければのんびりと耳を澄ました。互いの声が聞こえる距離から離れられない。美しい楽曲は途切れることなくその音色でシャルロットの表情を変えていく。ジェフは音楽を聴きにきたのか、可愛い妻を見にきたのか曖昧になる。
「ラジオドラマの貴族の遊びみたい」
「まぁまぁ貴族だ」
「そうだった。ねぇ、次はこのゲームをしても良い?」
「また君が負けるけど」
「いやいや、そんなことはありませんよ」
ボードゲームで遊んで全部シャルロットが負けて、最後はジェフが目隠しして対戦したり、二人で変わりばんこに紙に好きな物と嫌いな物を書き出したり、それでしりとりをしたり。
あっという間に十時を過ぎ、次の楽団へと交代の時間になる。音楽がやんでジェフがプレゼント交換を思い出した。
「交換し忘れて帰るところだ」
バゲージチェストからサンタクロースが描かれた紙袋と、黒い紙袋を取ってソファに戻ってくる。
「ジェフのプレゼントは何ですか?」
黒い方を受け取ったシャルロットが恐々とキラキラが混じりあった瞳で尋ねる。
「それは開けてからのお楽しみだろう」
「んん~。先に断っておくのですが、このプレゼントは最後の最後のお給料で買ったので、正直ちょっとジェフにはあんまりかも」
「……君の給料かぁ」
ジェフは行儀悪く片方の長い脚を立てて、頭を掻く。
「じゃあ、交換?」
「………」
黒い紙袋を両手で持って渡そうとしてくる様子にジェフが無言になり、シャルロットが顔を見る。男はソファの背凭れに片肘をついて、そっぽを向いてしまった。
「どうしました?」
舞台からは時折響く次の楽団の試し弾き。プォーとかキュイキュイという音に混じって低い小さな歌声が始まる。気が付いたシャルロットが嬉しそうな顔をした。
夫の歌声は小さくて、近づいて、また近づいて、口元に耳を寄せてクリスマスの歌を聴く。
「……メリークリスマス、シャルロット」
「メリークリスマス、ジェフ」
歌が終わり、小さな声で囁くように互いに告げる。ゆっくりと傾きながらジェフの顔が近づいて、シャルロットは目を閉じた。唇が重なって、直ぐに離れて少し目が合った後、もう一度二人は顔を寄せる。
パーーーーーーッと響くトランペットも、シャラランと流れるシンバルも、トロロロンと鳴るピアノも二人の耳には聴こえなかった。
交換しあった袋から箱を取り出してリボンを解く。
「毎年クリスマスになったら、ジェフの歌を思い出しますね、くふふふふふ」
「罰ゲームだ……ぁ~、すぐ忘れるように」
「生まれ変わっても覚えているかも」
「はは、長いな。生まれ変わったら何になりたい?……タイピンだ」
黒い紙袋の中に入った平たい箱には、シンプルな銀色のタイピンが入っている。
「ジェフはいつもネクタイをしているから……あ」
立方体の立派な箱をあけると、更に赤いビロードのケース。ケースには指輪が入っていた。
「かわいい~!」
「今している指輪が似合わない訳じゃないが、何か違うような」
シャルロットが吹きだす。確かにその通りではある。グルリと連なるダイヤは豪華過ぎて、自分がつけるのにはつり合いが取れていないとは思っていたから。
「今つけてもいい?」
「もちろん。嵌めよう、かして」
長い指がシャルロットの膝上にあるケースから指輪を摘まむ。今嵌めている豪奢なダイヤの結婚指輪はそのままに、上からダイヤと共にリボンが巻かれたデザインのリングを嵌めた。
「すごい、可愛いですね!」
「そっちの方がしっくりくる」
「ありがとうございます、ジェフ」
「こちらこそ、ありがとう」
付けることなくしばらく見つめた後で、ジェフは静かにタイピンを仕舞う。
「次に生まれ変わったら、ジェフの奥さんになります」
「生まれ変わらなくても、もう奥さんだ」
「そうだった!」
次の楽団の演奏が始まる。二人は再びイブの夜を楽しんだ。
「すごい人!」
「シャルロット、腕を」
夫のエスコートに掴まり、物珍し気に露店を見る。
「クリスマスコンサートくらい知ってただろう」
「もちろん! 学校ではステディとデイチケットでクリスマスデートをするのは乙女の夢でしたから」
騒々しい人混みで、ジェフが屈んで顔を寄せ合い会話した。
「若い頃は皆同じだな。行ったことは?」
「クリスマスは花屋が一番忙しい日なんです」
「あ、そうか」
「朝から晩までい~っぱい売りました! 面白いくらいに売れます。それでちょっとお手当ももらって。帰りにスーパーじゃなくてケーキ店で好きなケーキを買って食べるんです」
「労働後の酒とケーキは格別だ」
「ジェフは毎晩飲むじゃないですか」
クスクス笑うシャルロットをジェフが優しい顔で見つめる。
「では君の乙女の夢は今晩私がいただけると」
「おめでとうございます」
「ステディかどうかは怪しいな」
「でもほら、お洋服も指輪もお揃いだから、大体ステディ」
テルミアが用意していたワンピースは淡い総レースのピンク色のハイネックに胸下から切り替えがあるグレイのプリーツスカートのコンビで、ジェフのグレイのスリーピースとピンクのシャツが揃いになっていた。ジャケットの胸に挿したチーフも同じレース。しばらく立ち止まって互いに指差し合いお揃い部分を確認していると、ジェフの知り合いから声がかかる。
「これはこれは宰相殿、さすがに今日は休みですか」
「やぁアルマイト。もちろん今晩はね。君は帰り?」
「ええ、三時から三時間いましたから。そろそろディナーに…こちらは妻と息子です」
ジェフも妻を紹介し、互いに良いクリスマスをと別れる。
ホールに入ってカーター侯爵家のVIPルームに行きつくまでに八組も挨拶をし、そのたびにジロジロと見られて『さすが新婚、仲良しだ』と判を押される。
「ジェフは本当に宰相様ですね」
「そうだよ。嘘だと思っていた?」
「ん~…時々忘れます。だっていつもお屋敷ではダラけてるから」
はっはっはっは。
「面白い冗談だ。何を飲む?」
「こんな素敵な音楽、眠っちゃうと嫌だから弱いお酒をちょっとだけ」
案内役のボーイに飲み物を頼むと、部屋に備え付けのバーカウンターでドリンクが準備される。その間にシャルロットはホール中央に向かって広がる露台に身を乗り出し、素晴らしい舞台に瞳を輝かせた。
「落ちるなよ」
「大丈夫」
「最初も落ちようとしてたんだ。ひやひやするな」
背後からシャルロットを囲むように手すりに手を付いたジェフが言う。
「落ちませんよ、ねぇ見て? 満席!」
二人で下を覗き込めば、デイチケットの客がぎっしりと隙間なく埋まっている。
左右には距離を開けて中二階、三階とVIP席やVIPルーム、ガラス張りのレストランが見える。
「レストランは音が聞こえるのかしら」
「もちろん聞こえるように設計してある。ガラスは匂いが漏れないようにだな」
「レストランと同じ食事がここで出来るのですか?」
「そうだよ」
「ここから匂いは漏れないの?」
「最上階だからね。上に向かって換気されるようにしてある」
「ふぅん。ジェフはなんでも知ってるんですね」
「大体のことは宰相の所に集まってくる」
VIPルームはバーカウンターの他にはダイニングテーブルに大きなソファベッド、小さなワインセラーや食器が入った棚、おやつが入った籠、いくつかのボードゲームが置いてあった。クラシックな調度はシンフォニーホールの雰囲気にぴったりで、シャルロットは想像もしていなかった素晴らしさに瞳を輝かせた。くるりと振り向いてジェフの腰にガバリと抱き着く。
「こんな素敵なクリスマスは初めてです! ありがとう、ジェフ!」
「……あぁ」
礼を言われて最初は少し面食らった顔をしていたが、中年男は頷いた。
クリスマスなぞ彼にとってはどうでも良いイベントである。どうせシャルロットがクリスマスを自分と過ごしたいなど嘘に決まっていたので、老執事の鬱陶しい目から逃れ、のびのびとVIPルームで飲もうと思っていたのが半分。新婚の邪魔はしないと友人たちから今年は誘われなかったのが三割。シャルロットがひとりでクリスマスを過ごすことになるとテルミアから聞いたのが九割……途中から計算がおかしくなった。
嬉しそうな契約妻はまた舞台を向いてジェフに背を向ける。ジェフは腕を回したままだったから、小さな肩は安心したように夫へ凭れ掛かり、二人はボーイが声をかけるまでくっついて演奏を聴いた。
食事と音楽を楽しんだ後は、少し照明を落として大きなソファに飲み物を持ち込み、並んで過ごす。会話があれば会話を楽しみ、時に会話を途切れさせるほどの煽情的な旋律に心を奪われ、会話がなければのんびりと耳を澄ました。互いの声が聞こえる距離から離れられない。美しい楽曲は途切れることなくその音色でシャルロットの表情を変えていく。ジェフは音楽を聴きにきたのか、可愛い妻を見にきたのか曖昧になる。
「ラジオドラマの貴族の遊びみたい」
「まぁまぁ貴族だ」
「そうだった。ねぇ、次はこのゲームをしても良い?」
「また君が負けるけど」
「いやいや、そんなことはありませんよ」
ボードゲームで遊んで全部シャルロットが負けて、最後はジェフが目隠しして対戦したり、二人で変わりばんこに紙に好きな物と嫌いな物を書き出したり、それでしりとりをしたり。
あっという間に十時を過ぎ、次の楽団へと交代の時間になる。音楽がやんでジェフがプレゼント交換を思い出した。
「交換し忘れて帰るところだ」
バゲージチェストからサンタクロースが描かれた紙袋と、黒い紙袋を取ってソファに戻ってくる。
「ジェフのプレゼントは何ですか?」
黒い方を受け取ったシャルロットが恐々とキラキラが混じりあった瞳で尋ねる。
「それは開けてからのお楽しみだろう」
「んん~。先に断っておくのですが、このプレゼントは最後の最後のお給料で買ったので、正直ちょっとジェフにはあんまりかも」
「……君の給料かぁ」
ジェフは行儀悪く片方の長い脚を立てて、頭を掻く。
「じゃあ、交換?」
「………」
黒い紙袋を両手で持って渡そうとしてくる様子にジェフが無言になり、シャルロットが顔を見る。男はソファの背凭れに片肘をついて、そっぽを向いてしまった。
「どうしました?」
舞台からは時折響く次の楽団の試し弾き。プォーとかキュイキュイという音に混じって低い小さな歌声が始まる。気が付いたシャルロットが嬉しそうな顔をした。
夫の歌声は小さくて、近づいて、また近づいて、口元に耳を寄せてクリスマスの歌を聴く。
「……メリークリスマス、シャルロット」
「メリークリスマス、ジェフ」
歌が終わり、小さな声で囁くように互いに告げる。ゆっくりと傾きながらジェフの顔が近づいて、シャルロットは目を閉じた。唇が重なって、直ぐに離れて少し目が合った後、もう一度二人は顔を寄せる。
パーーーーーーッと響くトランペットも、シャラランと流れるシンバルも、トロロロンと鳴るピアノも二人の耳には聴こえなかった。
交換しあった袋から箱を取り出してリボンを解く。
「毎年クリスマスになったら、ジェフの歌を思い出しますね、くふふふふふ」
「罰ゲームだ……ぁ~、すぐ忘れるように」
「生まれ変わっても覚えているかも」
「はは、長いな。生まれ変わったら何になりたい?……タイピンだ」
黒い紙袋の中に入った平たい箱には、シンプルな銀色のタイピンが入っている。
「ジェフはいつもネクタイをしているから……あ」
立方体の立派な箱をあけると、更に赤いビロードのケース。ケースには指輪が入っていた。
「かわいい~!」
「今している指輪が似合わない訳じゃないが、何か違うような」
シャルロットが吹きだす。確かにその通りではある。グルリと連なるダイヤは豪華過ぎて、自分がつけるのにはつり合いが取れていないとは思っていたから。
「今つけてもいい?」
「もちろん。嵌めよう、かして」
長い指がシャルロットの膝上にあるケースから指輪を摘まむ。今嵌めている豪奢なダイヤの結婚指輪はそのままに、上からダイヤと共にリボンが巻かれたデザインのリングを嵌めた。
「すごい、可愛いですね!」
「そっちの方がしっくりくる」
「ありがとうございます、ジェフ」
「こちらこそ、ありがとう」
付けることなくしばらく見つめた後で、ジェフは静かにタイピンを仕舞う。
「次に生まれ変わったら、ジェフの奥さんになります」
「生まれ変わらなくても、もう奥さんだ」
「そうだった!」
次の楽団の演奏が始まる。二人は再びイブの夜を楽しんだ。
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