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プロローグ
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多くの人が集まる日本の首都 東京。
しかし今、そこには灼熱の炎と黒煙が上がっていた。
上空では、戦闘機がドッグファイトを行い、機関銃やミサイルが飛び交う。外れたものは下にある高層ビルなどに当たり爆発をおこす。
海岸では上陸用舟艇から戦車や軍隊が上陸していく。
そう、日本は現在敵国からの攻撃を受けて、未曾有の事態に落ちていた。
とある近隣諸国が宣戦布告なしに奇襲というかたちで攻撃を行ってきたのだ。
首相が海外諸国に歴訪で国内に居なかったこともあり、対応が遅れ後手に回っていた。
そこかしこから火の手が上がり、逃げ惑う人々の悲鳴が聞こえる。
その中に立ち尽くす一人の少年がいた。
親とはぐれたのだろう。涙を手で拭いながら必死に叫び両親を呼んでいた。
だが少年のすぐそこまで死が近づいていた。
戦車が瓦礫を弾き飛ばして、乗り捨てられた車両を潰していく。
その音に気が付いたのか少年は顔を上げた。眼前には今まさに踏み潰そうと歩みを進める戦車がいた。
少年は思わず目を瞑った。
瞬間、ドゴッと鈍い音と共に戦車がひっくり返った。
その余波で砂ぼこりが舞い上がる。吹きとばされないように少年の前に誰かが守るように庇う。
恐る恐る目を開けた少年の前には、一人の男がいた。
「坊主、ここは危ないぞ。
早く逃げな。」
少年に優しく語りかけた。
「おじさんは、誰なの?」
少年がおそるおそる聞いた。男はその質問に特に答えることなく、少年の頭をワシャワシャと撫でる。
「オレのことよりも自分の心配をしな、坊主」
すっと少年の前にしゃがむ。
「でもパパとママが・・・。」
「いいか坊主、すぐそこまで怖い連中が来てて、おじさんはソイツらを倒しにいかないと行けないんだ。
それに坊主は男の子だろ?
男なら涙を拭え。」
少年に語りかけていると、大勢の足音が近づいてくる。
一人、二人と銃を持った者達が次々と集まってくる。
先程の戦車がひっくり返った衝撃音が聞こえていたのだろう。
男は立ち上がり、銃を構える者達の方に振り返る。
男の裾を少年は引っ張る。男は足元にいる少年を見た。
「おじさん、大丈夫なの?」
「大丈夫かって?」
そう聞かれて、辺りを見渡して大声で笑った。
「面白いことを言うな、坊主。
ああ、俺は大丈夫さ。大丈夫。」
普通ならいつ発砲されても可笑しくはない。だが兵隊は発砲しなかった。いや、発砲出来なかった。
蛇に睨まれた蛙のごとく身動き一つ取れなかったのだ。
それは男が放つ殺気だった。
動けば死。
軍人として訓練を受けている者ならなおのこと殺気には敏感である。
すぐ近くで爆発が起きた。
その直後、男と少年にむけて一斉に何百発の銃弾が襲う。
死んだ。
少年はそう思った。
が、男が腕を振るう。それも普通ではあり得ない速度でだ。
カンッカンッカンッカンッ!
銃弾が全ての弾かれた。
軍人達は、驚愕のあまり一瞬引き金を引くのが遅れた。
無理もない、生身の人間が反応できる速度ではないからだ。そもそも素手の人間が弾丸を防げるとは思っていなかったのだ。
もう一度狙いを定めて引き金を引こうとしたが、男は消えていた。
どこに消えたのか?
だがこの答えがわかる前に軍人達は身体の一部または頭部に打撃を受けていた。その箇所は陥没していた。
その時間、僅か一秒。
即死だった。
少年には男が一瞬消えて再び現れたように見えた。
「おじさんは魔法使いなの?」
それほどまでに目の前の現象が不思議で仕方なかった。
そんなことを聞かれて男は笑わずにはいられなかった。
「ははははっ!可笑しなことを言うな、坊主。
オレが魔法使いだと?
ふはははっ!」
ひとしきり笑うと男は落ち着いた。
「オレは魔法使いなんかじゃないさ。
そんな奴よりももっと強い・・・。」
「ーーー武術家さ」
しかし今、そこには灼熱の炎と黒煙が上がっていた。
上空では、戦闘機がドッグファイトを行い、機関銃やミサイルが飛び交う。外れたものは下にある高層ビルなどに当たり爆発をおこす。
海岸では上陸用舟艇から戦車や軍隊が上陸していく。
そう、日本は現在敵国からの攻撃を受けて、未曾有の事態に落ちていた。
とある近隣諸国が宣戦布告なしに奇襲というかたちで攻撃を行ってきたのだ。
首相が海外諸国に歴訪で国内に居なかったこともあり、対応が遅れ後手に回っていた。
そこかしこから火の手が上がり、逃げ惑う人々の悲鳴が聞こえる。
その中に立ち尽くす一人の少年がいた。
親とはぐれたのだろう。涙を手で拭いながら必死に叫び両親を呼んでいた。
だが少年のすぐそこまで死が近づいていた。
戦車が瓦礫を弾き飛ばして、乗り捨てられた車両を潰していく。
その音に気が付いたのか少年は顔を上げた。眼前には今まさに踏み潰そうと歩みを進める戦車がいた。
少年は思わず目を瞑った。
瞬間、ドゴッと鈍い音と共に戦車がひっくり返った。
その余波で砂ぼこりが舞い上がる。吹きとばされないように少年の前に誰かが守るように庇う。
恐る恐る目を開けた少年の前には、一人の男がいた。
「坊主、ここは危ないぞ。
早く逃げな。」
少年に優しく語りかけた。
「おじさんは、誰なの?」
少年がおそるおそる聞いた。男はその質問に特に答えることなく、少年の頭をワシャワシャと撫でる。
「オレのことよりも自分の心配をしな、坊主」
すっと少年の前にしゃがむ。
「でもパパとママが・・・。」
「いいか坊主、すぐそこまで怖い連中が来てて、おじさんはソイツらを倒しにいかないと行けないんだ。
それに坊主は男の子だろ?
男なら涙を拭え。」
少年に語りかけていると、大勢の足音が近づいてくる。
一人、二人と銃を持った者達が次々と集まってくる。
先程の戦車がひっくり返った衝撃音が聞こえていたのだろう。
男は立ち上がり、銃を構える者達の方に振り返る。
男の裾を少年は引っ張る。男は足元にいる少年を見た。
「おじさん、大丈夫なの?」
「大丈夫かって?」
そう聞かれて、辺りを見渡して大声で笑った。
「面白いことを言うな、坊主。
ああ、俺は大丈夫さ。大丈夫。」
普通ならいつ発砲されても可笑しくはない。だが兵隊は発砲しなかった。いや、発砲出来なかった。
蛇に睨まれた蛙のごとく身動き一つ取れなかったのだ。
それは男が放つ殺気だった。
動けば死。
軍人として訓練を受けている者ならなおのこと殺気には敏感である。
すぐ近くで爆発が起きた。
その直後、男と少年にむけて一斉に何百発の銃弾が襲う。
死んだ。
少年はそう思った。
が、男が腕を振るう。それも普通ではあり得ない速度でだ。
カンッカンッカンッカンッ!
銃弾が全ての弾かれた。
軍人達は、驚愕のあまり一瞬引き金を引くのが遅れた。
無理もない、生身の人間が反応できる速度ではないからだ。そもそも素手の人間が弾丸を防げるとは思っていなかったのだ。
もう一度狙いを定めて引き金を引こうとしたが、男は消えていた。
どこに消えたのか?
だがこの答えがわかる前に軍人達は身体の一部または頭部に打撃を受けていた。その箇所は陥没していた。
その時間、僅か一秒。
即死だった。
少年には男が一瞬消えて再び現れたように見えた。
「おじさんは魔法使いなの?」
それほどまでに目の前の現象が不思議で仕方なかった。
そんなことを聞かれて男は笑わずにはいられなかった。
「ははははっ!可笑しなことを言うな、坊主。
オレが魔法使いだと?
ふはははっ!」
ひとしきり笑うと男は落ち着いた。
「オレは魔法使いなんかじゃないさ。
そんな奴よりももっと強い・・・。」
「ーーー武術家さ」
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