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第一章 人生って何が起こるかわからない
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今日もキャスティナは、いつもと同じ時間に起きる。あの夢みたいな王宮での夜会から今日で一週間。カーテンを開けて外を見ると、雨が降っている。今日は、部屋でゆっくり読書でもしようかな。先週は、何回か町に出て働いたし。屋敷の仕事も雨の日は、そんなにないからな。
お屋敷の仕事は、キャスティナがお願いしてやらせてもらってるので、絶対にやらなければならない訳ではない。今日は、一日部屋にいる事に決めた。取り合えず、朝御飯食べに行こう。
「おはよー」
キッチンの奥にあるダイニングに入ってみんなに声をかける。
「おはようございます。お嬢様。今日はこの席ですよー」
エーファの隣に一人分の朝食が用意されている。
「ありがとう。頂くわ。今日は、一日部屋で過ごすからダンとメイド長に伝えてくれる?」
「わかりました。伝えておきます」
キャスティナは、朝食を食べ終わるとエーファがお皿は戻してくれると言うのでお礼を言って三階の図書室に向かった。
何読もうかな。紅茶の淹れ方がいいかな。私、コーヒーも美味しく淹れられるようになりたいんだよね。今度マスターに聞いてみようかな?そんな事を考えながら、図書室内をうろちょろ。エジャートン家の人は、キャスティナ以外ほとんど本を読む者がいないので、そんなに本の冊数は多くない。適当に何冊か手に取り、自分の部屋に戻る。
図書室から持って来た本を、ソファーで読んでいると、コンコンとノックの音がした。
「はい。どうぞ」
「失礼します」
入って来たのはダンだった。
「あれ?ダンどうしたの?私の部屋にダンが来るなんて珍しくない?」
「それが……旦那様がお嬢様をお呼びです。すぐに旦那様の書斎に来るようにおっしゃっています」
「お父様が?すぐに書斎に?そんな事、今まであったかしら?取り敢えず行きます」
キャスティナは、読んでいた本にしおりを挟み書斎に向かって歩き出した。書斎の前に着くと、深呼吸をしてノックをした。
「入れ」
父親の声がした。
「失礼します」
扉を開けて中に入る。お父様に向かってお辞儀をする。
「お父様。何かお呼びでしょうか?」
「とにかく、こっちに座れ。話がある」
父親の向かいにキャスティナは、腰をかけた。
「お前に縁談の申込があった。相手は、あのコーンフォレス侯爵家の次男で、エヴァン・ウィリアーズ・コーンフォレスだ。いったいどう言う事だ?一週間前の夜会で会って、お前に一目惚れしたそうだ」
ハロルドは、鋭い視線をキャステナに向ける。キャステナは、絶句して言葉が出ない。
「キャスティナ‼聞いてるのか?」
「はっはい。あの、確かに夜会でお会いして話をしました。でも、本当に少しだけ話して……。あの時の言葉が本当だなんて……」
「いったいどこで話をしたんだ!何を言われたんだ?!」
「あの……。お茶を飲んでて、それで……」
「もういい。とにかく、間違いなくお前はコーンウォレス侯爵家のエヴァン・ウィリアーズ・コーンフォレスと会ったんだな?この申し入れが本当なら、うちが断れるはずなんてない」
「はい……」
キャスティナは、何が起こってるのか理解出来ずに顔を俯けてしまった。
「三日後に、エヴァン殿が会いに来るそうだ」
「えっ?!」キャスティナは、びっくりして父親の顔を見る。
「お父様!この話が本当でエヴァン様が来るなら、私着るドレスがありません。それに、お義母さまが許すはずありません」
キャスティナは、泣きそうになりながら父親に言った。
「確かに……その服で会うわけにいかないな……どんな扱いをしてるか一目瞭然だ。お前、まともなドレスは一着もないのか?」
「ありません」
「明日、エーファを連れて何着か普段着と外出用のドレスを買ってこい。あと、アデルには、この話はギリギリまで内密にしておく。こちらとしても、これ以上ない話なんだからな。これを逃したらお前は結婚なんて出来ないと思え」
「はい……」
「話は以上だ」
キャスティナは、ソファーから立ち上がり扉の前で父親にお辞儀をして書斎を後にした。
お屋敷の仕事は、キャスティナがお願いしてやらせてもらってるので、絶対にやらなければならない訳ではない。今日は、一日部屋にいる事に決めた。取り合えず、朝御飯食べに行こう。
「おはよー」
キッチンの奥にあるダイニングに入ってみんなに声をかける。
「おはようございます。お嬢様。今日はこの席ですよー」
エーファの隣に一人分の朝食が用意されている。
「ありがとう。頂くわ。今日は、一日部屋で過ごすからダンとメイド長に伝えてくれる?」
「わかりました。伝えておきます」
キャスティナは、朝食を食べ終わるとエーファがお皿は戻してくれると言うのでお礼を言って三階の図書室に向かった。
何読もうかな。紅茶の淹れ方がいいかな。私、コーヒーも美味しく淹れられるようになりたいんだよね。今度マスターに聞いてみようかな?そんな事を考えながら、図書室内をうろちょろ。エジャートン家の人は、キャスティナ以外ほとんど本を読む者がいないので、そんなに本の冊数は多くない。適当に何冊か手に取り、自分の部屋に戻る。
図書室から持って来た本を、ソファーで読んでいると、コンコンとノックの音がした。
「はい。どうぞ」
「失礼します」
入って来たのはダンだった。
「あれ?ダンどうしたの?私の部屋にダンが来るなんて珍しくない?」
「それが……旦那様がお嬢様をお呼びです。すぐに旦那様の書斎に来るようにおっしゃっています」
「お父様が?すぐに書斎に?そんな事、今まであったかしら?取り敢えず行きます」
キャスティナは、読んでいた本にしおりを挟み書斎に向かって歩き出した。書斎の前に着くと、深呼吸をしてノックをした。
「入れ」
父親の声がした。
「失礼します」
扉を開けて中に入る。お父様に向かってお辞儀をする。
「お父様。何かお呼びでしょうか?」
「とにかく、こっちに座れ。話がある」
父親の向かいにキャスティナは、腰をかけた。
「お前に縁談の申込があった。相手は、あのコーンフォレス侯爵家の次男で、エヴァン・ウィリアーズ・コーンフォレスだ。いったいどう言う事だ?一週間前の夜会で会って、お前に一目惚れしたそうだ」
ハロルドは、鋭い視線をキャステナに向ける。キャステナは、絶句して言葉が出ない。
「キャスティナ‼聞いてるのか?」
「はっはい。あの、確かに夜会でお会いして話をしました。でも、本当に少しだけ話して……。あの時の言葉が本当だなんて……」
「いったいどこで話をしたんだ!何を言われたんだ?!」
「あの……。お茶を飲んでて、それで……」
「もういい。とにかく、間違いなくお前はコーンウォレス侯爵家のエヴァン・ウィリアーズ・コーンフォレスと会ったんだな?この申し入れが本当なら、うちが断れるはずなんてない」
「はい……」
キャスティナは、何が起こってるのか理解出来ずに顔を俯けてしまった。
「三日後に、エヴァン殿が会いに来るそうだ」
「えっ?!」キャスティナは、びっくりして父親の顔を見る。
「お父様!この話が本当でエヴァン様が来るなら、私着るドレスがありません。それに、お義母さまが許すはずありません」
キャスティナは、泣きそうになりながら父親に言った。
「確かに……その服で会うわけにいかないな……どんな扱いをしてるか一目瞭然だ。お前、まともなドレスは一着もないのか?」
「ありません」
「明日、エーファを連れて何着か普段着と外出用のドレスを買ってこい。あと、アデルには、この話はギリギリまで内密にしておく。こちらとしても、これ以上ない話なんだからな。これを逃したらお前は結婚なんて出来ないと思え」
「はい……」
「話は以上だ」
キャスティナは、ソファーから立ち上がり扉の前で父親にお辞儀をして書斎を後にした。
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