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第三章 誰にでも秘密はある
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「びっくりですよね。私もびっくりでしたよ」
キャスティナは、笑っていたが気持ちを引き締めた。みんな各々、色々な事に驚いていた。キャスティナの話は衝撃的だったはずだ。
「黙っていてすいませんでした。こんな私です。婚約の話は考え直して頂いて構いません」
キャスティナは、はっきりキッパリと言い切った。エヴァンの顔は、怖くて見られなかった。
「キャスティナ、それ以上はダメよ。まずは、エヴァンと二人で話して来なさい。大体、女には秘密の一つや二つあるものよ。今回は、無理やり私達が話させただけ。キャスティナが謝罪するのは、いなくなった事だけよ」
シンシアが、キャスティナにいつものようにきついながらも優しい事を言ってくれる。
「お義母様、ありがとうございます」
キャスティナは、義母に向かって頭を下げた。
エヴァンが立ち上がる。
「二人で話をしてくるよ。アルヴィン隊長、今日はキャスティナを送って頂きありがとうございました」
エヴァンが、アルヴィンに礼をした。キャスティナも、エヴァンに促されて立ち上がる。
「本当にご迷惑おかけしました。アルヴィンお兄様、送ってもらってありがとう」
「気にするな。公爵と話した事は、私から伝えておくから。ゆっくり二人で話しておいで」
「はい。よろしくお願いします」
キャスティナは、みんなに頭を下げてからエヴァンと一緒に別邸に向かった。
時間はもう、昼も過ぎて夕方に近い。キャスティナは、朝から色々な事が有りすぎてもうくたくただった。朝ごはん以来何も食べていなかったし、久しぶりのドレスで窮屈だし。それでも、エヴァンとは話さなければいけないと気合いを入れた。本当だったら、一番最初に会って話さなければいけない人なのに·····。一番最後になってしまった。
別邸の居間に着くと、テーブルの上にサンドイッチが用意してあった。誰かが、キャスティナの為に用意してくれたようだ。キャスティナは、心の中でお礼をした。
二人はソファに隣り合って座った。暫く沈黙が続く。キャスティナが、意を決して喋りだした。
「エヴァン様、体調はもう大丈夫ですか?ケガをしたのに、心配させるような事してごめんなさい」
エヴァンは、キャスティナを優しい目で見る。
「ああ。もうすっかり大丈夫だよ。かすり傷だったしね。みんな私がケガした事より、キャスティナがいなくなった事を心配してたよ」
エヴァンが、思い出したように笑っている。
「キャスティナは、私の事が嫌になったのかい?」
エヴァンが、寂しそうな悲しそうな顔でキャスティナに尋ねた。キャスティナは、驚いてしまった。
「違います!エヴァン様を嫌いになるなんて·····。今も好きです。大好きです」
キャスティナは、言ってしまってから言い過ぎたと恥ずかしさが襲ってくる。
「キャスティナ、今のは本当に本当?」
エヴァンが、キャスティナの顔を見る。
「本当です。いなくなったのは、サディアス殿下にムカついてです」
キャスティナは、勢いに任せて言ってしまった·····。
「ごめんなさい。こんな事言ったらいけないのに、エヴァン様に嫌われるって思って。あの日、どうしても怒りが収まらなくて·····。この家で言っていい事だと思えなくて、貴族なんてめんどくさいって思って·····。誰にも言えない事が苦しくて·····。エヴァン様は、こんな事言う婚約者嫌ですよね·····」
キャスティナは、一番言いたかった事が言えて何だかスッキリした。姿を消した理由は、一つではない。でも、言えない事だらけの自分に限界が来ていたのが一番の理由だった。
「私、エヴァン様に言えない事を沢山抱えてました。嫌われるのが怖くて言えない事もありました」
エヴァンがキャスティナを、抱き締めた。
「キャスティナ、嫌いになんてならないよ。王族の事は、色々と難しい立場だから表立って言えないけど、コーンフォレス家の皆は良い感情を抱いていない。キャスティナには、結婚して落ち着いてから話せばいいと思っていたんだ。まさか、王族とのいざこざに巻き込まれると思ってなかったから」
キャスティナは、それを聞いて納得した。確かに、キャスティナの魔法の力がなければ本来ならお近づきになるような方々ではないのだ。キャスティナが、何も言わなかったばかりに勝手に巻き込まれたに過ぎない。
「でも、他にも平民として働いてたなんて嫌ではないの?たった5日間だけだけど、手ももうカサカサになっちゃった。貴族の男の人って、華やかで綺麗でジュエリーや高価なドレスが似合う女性が好きなんじゃないの?」
キャスティナは、この際だから今まで聞きたくても聞けなかった事を思いきって聞いた。
「キャスティナ、この際だから言っちゃうけど·····私はね、それなりにモテるんだよ。若い頃は、それなりに色々な令嬢と付き合ったりしたよ。でも、どの子も本当の意味で好きになれなかったんだ。着飾らないキャスティナに出会って心引かれたんだ。それでも、キャスティナの事が好きだって信用できない?」
エヴァンが、寂しげな表情でキャスティナを見ている。いつの間にか、手を握られていた。
キャスティナは、ありのままの自分を受け入れてもらえた気がしてたまらなく嬉しかった。
「エヴァン様、ありのままの私を好きになってくれてありがとう。私もエヴァン様が、大好きです」
キャスティナは、エヴァンに自分から抱きついた。エヴァンがびっくりしていたが、強く抱き締め返してくれた。
キャスティナは、笑っていたが気持ちを引き締めた。みんな各々、色々な事に驚いていた。キャスティナの話は衝撃的だったはずだ。
「黙っていてすいませんでした。こんな私です。婚約の話は考え直して頂いて構いません」
キャスティナは、はっきりキッパリと言い切った。エヴァンの顔は、怖くて見られなかった。
「キャスティナ、それ以上はダメよ。まずは、エヴァンと二人で話して来なさい。大体、女には秘密の一つや二つあるものよ。今回は、無理やり私達が話させただけ。キャスティナが謝罪するのは、いなくなった事だけよ」
シンシアが、キャスティナにいつものようにきついながらも優しい事を言ってくれる。
「お義母様、ありがとうございます」
キャスティナは、義母に向かって頭を下げた。
エヴァンが立ち上がる。
「二人で話をしてくるよ。アルヴィン隊長、今日はキャスティナを送って頂きありがとうございました」
エヴァンが、アルヴィンに礼をした。キャスティナも、エヴァンに促されて立ち上がる。
「本当にご迷惑おかけしました。アルヴィンお兄様、送ってもらってありがとう」
「気にするな。公爵と話した事は、私から伝えておくから。ゆっくり二人で話しておいで」
「はい。よろしくお願いします」
キャスティナは、みんなに頭を下げてからエヴァンと一緒に別邸に向かった。
時間はもう、昼も過ぎて夕方に近い。キャスティナは、朝から色々な事が有りすぎてもうくたくただった。朝ごはん以来何も食べていなかったし、久しぶりのドレスで窮屈だし。それでも、エヴァンとは話さなければいけないと気合いを入れた。本当だったら、一番最初に会って話さなければいけない人なのに·····。一番最後になってしまった。
別邸の居間に着くと、テーブルの上にサンドイッチが用意してあった。誰かが、キャスティナの為に用意してくれたようだ。キャスティナは、心の中でお礼をした。
二人はソファに隣り合って座った。暫く沈黙が続く。キャスティナが、意を決して喋りだした。
「エヴァン様、体調はもう大丈夫ですか?ケガをしたのに、心配させるような事してごめんなさい」
エヴァンは、キャスティナを優しい目で見る。
「ああ。もうすっかり大丈夫だよ。かすり傷だったしね。みんな私がケガした事より、キャスティナがいなくなった事を心配してたよ」
エヴァンが、思い出したように笑っている。
「キャスティナは、私の事が嫌になったのかい?」
エヴァンが、寂しそうな悲しそうな顔でキャスティナに尋ねた。キャスティナは、驚いてしまった。
「違います!エヴァン様を嫌いになるなんて·····。今も好きです。大好きです」
キャスティナは、言ってしまってから言い過ぎたと恥ずかしさが襲ってくる。
「キャスティナ、今のは本当に本当?」
エヴァンが、キャスティナの顔を見る。
「本当です。いなくなったのは、サディアス殿下にムカついてです」
キャスティナは、勢いに任せて言ってしまった·····。
「ごめんなさい。こんな事言ったらいけないのに、エヴァン様に嫌われるって思って。あの日、どうしても怒りが収まらなくて·····。この家で言っていい事だと思えなくて、貴族なんてめんどくさいって思って·····。誰にも言えない事が苦しくて·····。エヴァン様は、こんな事言う婚約者嫌ですよね·····」
キャスティナは、一番言いたかった事が言えて何だかスッキリした。姿を消した理由は、一つではない。でも、言えない事だらけの自分に限界が来ていたのが一番の理由だった。
「私、エヴァン様に言えない事を沢山抱えてました。嫌われるのが怖くて言えない事もありました」
エヴァンがキャスティナを、抱き締めた。
「キャスティナ、嫌いになんてならないよ。王族の事は、色々と難しい立場だから表立って言えないけど、コーンフォレス家の皆は良い感情を抱いていない。キャスティナには、結婚して落ち着いてから話せばいいと思っていたんだ。まさか、王族とのいざこざに巻き込まれると思ってなかったから」
キャスティナは、それを聞いて納得した。確かに、キャスティナの魔法の力がなければ本来ならお近づきになるような方々ではないのだ。キャスティナが、何も言わなかったばかりに勝手に巻き込まれたに過ぎない。
「でも、他にも平民として働いてたなんて嫌ではないの?たった5日間だけだけど、手ももうカサカサになっちゃった。貴族の男の人って、華やかで綺麗でジュエリーや高価なドレスが似合う女性が好きなんじゃないの?」
キャスティナは、この際だから今まで聞きたくても聞けなかった事を思いきって聞いた。
「キャスティナ、この際だから言っちゃうけど·····私はね、それなりにモテるんだよ。若い頃は、それなりに色々な令嬢と付き合ったりしたよ。でも、どの子も本当の意味で好きになれなかったんだ。着飾らないキャスティナに出会って心引かれたんだ。それでも、キャスティナの事が好きだって信用できない?」
エヴァンが、寂しげな表情でキャスティナを見ている。いつの間にか、手を握られていた。
キャスティナは、ありのままの自分を受け入れてもらえた気がしてたまらなく嬉しかった。
「エヴァン様、ありのままの私を好きになってくれてありがとう。私もエヴァン様が、大好きです」
キャスティナは、エヴァンに自分から抱きついた。エヴァンがびっくりしていたが、強く抱き締め返してくれた。
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