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第四章 幸せにつながる道
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季節は、冬真っ只中。吐く息が白い。年が明けて新しい一年が始まった。キャスティナは、新年の始まりと共に新しい生活が始まる。今日は、約半年お世話になったコーンフォレスト侯爵家からシェラード公爵家に引っ越す。引っ越すと言っても、結婚したら戻って来るので荷物はそのままに身一つでの移動だけだ。
養女の話を聞いてから、二週間後には正式にシェラード公爵家の養女となった。全てアルヴィンの父親と、キャスティナの父親との間で手続きを済ませた。キャスティナは両親に会う事なく、エジャートン子爵家との繋がりがなくなった。
事前に最後に両親に会いたいか聞かれたが、キャスティナは会わないことを選択した。コーンフォレスト家に婚約の為に初めて訪れたあの日、見送りもさせて貰えず一人残されたあの瞬間がキャスティナは忘れられなかった。きっとあれが、エジャートン家との別れ方なのだろうと思う。
シェラード公爵家から、折角家族になったのだから結婚までの残り3ヶ月間、一緒に暮らしたいと言う要望があった。エヴァンは、行かせたくない様だったがキャスティナも折角なのでありがたくその話を受けた。
それからシェラード公爵家の方で、キャスティナを受け入れる準備に1ヶ月ほど時間を取り、今日めでたく引っ越しの日となった。
今キャスティナは、馬車に揺られてエヴァンと二人移動中だ。シェラード公爵家の家族には事前に顔合わせを済ませている。みんなとても優しい方達で、安心した。少し気になるのは、流石アルヴィンの家族だけあってみんな恐ろしく美形揃い。キャスティナとは娘より孫に近い。でも、お二人共年齢を感じさせない程若い。自分の様な小娘が、家族になって大丈夫なのか気がかりではある。
でもキャスティナは、ワクワクしていた。また新しい家族が出来る。これからキャスティナの一生の実家となる。
「なんだか凄く楽しそうだね」
エヴァンが、面白くなさそうにキャスティナに尋ねる。
「えっと……実は、ワクワクしてます」
キャスティナがエヴァンに笑顔で答える。
「キャスティナは、俺と3ヶ月も離れるのに寂しくないの?」
エヴァンは、キャスティナの隣に座り繋いでいた手を強く握り直した。エヴァンが拗ねている。
「もちろん寂しいですよ!でも、帰れる実家が出来る事が嬉しくて……」
エヴァンがキャスティナを抱き締める。
「全く、キャスティナを可愛がる人間が多すぎて嫌になる。あー、ちょっとでも離れたくない」
「エヴァン様。私の一番の特別な人は、エヴァン様ですよ。結婚したらずっと一緒にいて下さいね」
キャスティナも、エヴァンの背に腕を回してギュッと抱きつく。
エヴァンが腕を緩めてキャスティナの顔を見る。頬を赤くして恥ずかしそうに微笑んでいる。エヴァンは、キャスティナの唇にチュッと軽くキスをした。
「あー、早く結婚式の日にならないかな」
エヴァンが、残念そうに呟いた。
養女の話を聞いてから、二週間後には正式にシェラード公爵家の養女となった。全てアルヴィンの父親と、キャスティナの父親との間で手続きを済ませた。キャスティナは両親に会う事なく、エジャートン子爵家との繋がりがなくなった。
事前に最後に両親に会いたいか聞かれたが、キャスティナは会わないことを選択した。コーンフォレスト家に婚約の為に初めて訪れたあの日、見送りもさせて貰えず一人残されたあの瞬間がキャスティナは忘れられなかった。きっとあれが、エジャートン家との別れ方なのだろうと思う。
シェラード公爵家から、折角家族になったのだから結婚までの残り3ヶ月間、一緒に暮らしたいと言う要望があった。エヴァンは、行かせたくない様だったがキャスティナも折角なのでありがたくその話を受けた。
それからシェラード公爵家の方で、キャスティナを受け入れる準備に1ヶ月ほど時間を取り、今日めでたく引っ越しの日となった。
今キャスティナは、馬車に揺られてエヴァンと二人移動中だ。シェラード公爵家の家族には事前に顔合わせを済ませている。みんなとても優しい方達で、安心した。少し気になるのは、流石アルヴィンの家族だけあってみんな恐ろしく美形揃い。キャスティナとは娘より孫に近い。でも、お二人共年齢を感じさせない程若い。自分の様な小娘が、家族になって大丈夫なのか気がかりではある。
でもキャスティナは、ワクワクしていた。また新しい家族が出来る。これからキャスティナの一生の実家となる。
「なんだか凄く楽しそうだね」
エヴァンが、面白くなさそうにキャスティナに尋ねる。
「えっと……実は、ワクワクしてます」
キャスティナがエヴァンに笑顔で答える。
「キャスティナは、俺と3ヶ月も離れるのに寂しくないの?」
エヴァンは、キャスティナの隣に座り繋いでいた手を強く握り直した。エヴァンが拗ねている。
「もちろん寂しいですよ!でも、帰れる実家が出来る事が嬉しくて……」
エヴァンがキャスティナを抱き締める。
「全く、キャスティナを可愛がる人間が多すぎて嫌になる。あー、ちょっとでも離れたくない」
「エヴァン様。私の一番の特別な人は、エヴァン様ですよ。結婚したらずっと一緒にいて下さいね」
キャスティナも、エヴァンの背に腕を回してギュッと抱きつく。
エヴァンが腕を緩めてキャスティナの顔を見る。頬を赤くして恥ずかしそうに微笑んでいる。エヴァンは、キャスティナの唇にチュッと軽くキスをした。
「あー、早く結婚式の日にならないかな」
エヴァンが、残念そうに呟いた。
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