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第21話
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そこで、私のお腹が小さく鳴る。
たっぷり寝て、すっかり胃の中が空っぽになっているようだ。
恥ずかしいことに、お腹の鳴った音はメリンダにも聞かれていたみたいで、彼女はかすかに微笑むと、静かに口を開く。
「もう少ししたら、あなたの力の調査をするために、城から迎えが来るでしょうから、それまでに食事を済ませてしまいましょうか」
城から迎えが来るですって?
確か昨日、『黒い光』の調査は、役所とは別の施設でやると言っていたが、それがお城とは、想像もしていなかった。私は今思ったままのことを、そのまま問う。
「私の力の調査って、お城でやるの?」
「ええ、そうみたいです。ついさっき、そう連絡がきました。なんでも、お城の偉い人が、あなたの力に興味を持っているそうですよ」
「へえ、偉い人ねえ……大臣とか?」
「さあ、そこまでは。ただ、素行には気をつけた方がいいでしょうね。お城で騒動を起こしたら、さすがにただでは済まないでしょうから」
「はいはい、充分気をつけますよ。私、こう見えても気は長い方なんだから」
「その割には昨日、すぐに怒っていませんでしたか?」
「昨日は色々あって、ストレスが溜まってたの。普段はああじゃないのよ、いやほんとに」
「では、そういうことにしておきましょうか。はい、これ、あなたの分の朝食です」
話しながら、大きな瓶から何かを取り出したメリンダは、私にピンポン玉くらいのサイズの、黄色の球体を手渡した。匂いを嗅ぐと、ほんのり甘い。……なにこれ? お菓子?
「……あの、メリンダ、これ、何?」
「何って……エネルギースフィアに決まってるじゃないですか。ほら、早く食べてください。いつ迎えが来てもおかしくないんですから」
「いやそんな、知ってて当然みたいに言われても、私、こんな変な食べ物、見たことないし……」
「エネルギースフィアを見たことがないって、あなた、いったいどこから来たんですか? 今じゃ辺境の地でも、携帯食として普通に流通してるのに」
そこで私は、自分が違う世界から召喚された人間であることを、かいつまんで説明した。疑り深いメリンダのことだから、また嘘つき呼ばわりされるかなと一瞬思ったが、彼女は意外にも、素直に納得した。
「なるほど、どうりで……この辺りの人間とは雰囲気がかなり違うと思ってたけど、違う世界の人なら、それも納得です」
「スムーズに納得してもらえてよかったわ。で、このエネルギースフィアって、いったい何なの?」
たっぷり寝て、すっかり胃の中が空っぽになっているようだ。
恥ずかしいことに、お腹の鳴った音はメリンダにも聞かれていたみたいで、彼女はかすかに微笑むと、静かに口を開く。
「もう少ししたら、あなたの力の調査をするために、城から迎えが来るでしょうから、それまでに食事を済ませてしまいましょうか」
城から迎えが来るですって?
確か昨日、『黒い光』の調査は、役所とは別の施設でやると言っていたが、それがお城とは、想像もしていなかった。私は今思ったままのことを、そのまま問う。
「私の力の調査って、お城でやるの?」
「ええ、そうみたいです。ついさっき、そう連絡がきました。なんでも、お城の偉い人が、あなたの力に興味を持っているそうですよ」
「へえ、偉い人ねえ……大臣とか?」
「さあ、そこまでは。ただ、素行には気をつけた方がいいでしょうね。お城で騒動を起こしたら、さすがにただでは済まないでしょうから」
「はいはい、充分気をつけますよ。私、こう見えても気は長い方なんだから」
「その割には昨日、すぐに怒っていませんでしたか?」
「昨日は色々あって、ストレスが溜まってたの。普段はああじゃないのよ、いやほんとに」
「では、そういうことにしておきましょうか。はい、これ、あなたの分の朝食です」
話しながら、大きな瓶から何かを取り出したメリンダは、私にピンポン玉くらいのサイズの、黄色の球体を手渡した。匂いを嗅ぐと、ほんのり甘い。……なにこれ? お菓子?
「……あの、メリンダ、これ、何?」
「何って……エネルギースフィアに決まってるじゃないですか。ほら、早く食べてください。いつ迎えが来てもおかしくないんですから」
「いやそんな、知ってて当然みたいに言われても、私、こんな変な食べ物、見たことないし……」
「エネルギースフィアを見たことがないって、あなた、いったいどこから来たんですか? 今じゃ辺境の地でも、携帯食として普通に流通してるのに」
そこで私は、自分が違う世界から召喚された人間であることを、かいつまんで説明した。疑り深いメリンダのことだから、また嘘つき呼ばわりされるかなと一瞬思ったが、彼女は意外にも、素直に納得した。
「なるほど、どうりで……この辺りの人間とは雰囲気がかなり違うと思ってたけど、違う世界の人なら、それも納得です」
「スムーズに納得してもらえてよかったわ。で、このエネルギースフィアって、いったい何なの?」
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