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第2話
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……このまま倒れた頭を何度も踏みつけて、殺してしまいたかったが、それでは今後の計画が台無しだ。私は何とか殺意を抑え、ウィネットのそばにしゃがみ込むと、呪文を唱えた。
それは、禁断の森に住む魔女と契約して手に入れた、『入れ替わり』の呪文だった。
呪文を唱えた者と、使用対象の心を、文字通り、『入れ替え』てしまうのである。法律で使用が禁止されている『禁呪』だが、そんなこと、知ったことではなかった。
……やった。
成功だわ。
私の心は、ウィネットの体の中に入ることができた。動きがないので確認はできないが、気を失ったままのウィネットの心は、私の体に入ったらしい。
今のうちだ。
騒がれる前に、すべてを終わらせてやる。
私は続けて、『封印の秘術』という呪文を唱えた。
これも、禁断の森に住む魔女と契約して手に入れた『禁呪』だ。
……よし。
『封印の秘術』も、大成功だわ。
ウィネットの心が入った私の体は、煙のように霧散して、跡形もなく消え去った。心と体が、この世界の物質とは別の状態に変換され、異なる次元に封印されたのだ。
その封印が解けるのは、呪文を唱えた者の魂が、無に帰るとき――つまり、私の心が死んだときだけ。
これで、私が生きている限り、ウィネットの封印が解けることはない。
これからは、私がウィネットとなって、ランデリック様と愛を紡いでいくのよ。
元の名前にも、元の体にも、元の身分にも、元の生活にも、未練はなかった。
だって私は、すべてを失ってもいいと思えるほど、ランデリック様に恋い焦がれているのだから。
・
・
・
ウィネットの体に慣れるため、その日は夕方まで、下宿で過ごした。
そろそろ日が沈むという時間になって、誰かがドアをノックする。
誰だろう?
そう思い、ドアを開けると、そこにはランデリック様が立っていた。
ランデリック様は、私には一度も向けたことのない、真剣で、厳しい顔をしていた。そして、私の了承も得ずに部屋の中に入り込むと、椅子に腰かけ、深い溜息を吐く。
私は、なんて声をかけていいか分からず、黙っていた。
やがて、ランデリック様は語り始める。
「ウィネット、きみのアドバイス通り、昨日、アレクシスに婚約の解消を告げてきたよ。役所に対する正式な手続きは、今日、全部終わらせた。まったく、疲れたよ、本当に……」
火のような怒りが、私の心を焼いた。
やっぱり、ウィネットがランデリック様をたぶらかしたのね。
それは、禁断の森に住む魔女と契約して手に入れた、『入れ替わり』の呪文だった。
呪文を唱えた者と、使用対象の心を、文字通り、『入れ替え』てしまうのである。法律で使用が禁止されている『禁呪』だが、そんなこと、知ったことではなかった。
……やった。
成功だわ。
私の心は、ウィネットの体の中に入ることができた。動きがないので確認はできないが、気を失ったままのウィネットの心は、私の体に入ったらしい。
今のうちだ。
騒がれる前に、すべてを終わらせてやる。
私は続けて、『封印の秘術』という呪文を唱えた。
これも、禁断の森に住む魔女と契約して手に入れた『禁呪』だ。
……よし。
『封印の秘術』も、大成功だわ。
ウィネットの心が入った私の体は、煙のように霧散して、跡形もなく消え去った。心と体が、この世界の物質とは別の状態に変換され、異なる次元に封印されたのだ。
その封印が解けるのは、呪文を唱えた者の魂が、無に帰るとき――つまり、私の心が死んだときだけ。
これで、私が生きている限り、ウィネットの封印が解けることはない。
これからは、私がウィネットとなって、ランデリック様と愛を紡いでいくのよ。
元の名前にも、元の体にも、元の身分にも、元の生活にも、未練はなかった。
だって私は、すべてを失ってもいいと思えるほど、ランデリック様に恋い焦がれているのだから。
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ウィネットの体に慣れるため、その日は夕方まで、下宿で過ごした。
そろそろ日が沈むという時間になって、誰かがドアをノックする。
誰だろう?
そう思い、ドアを開けると、そこにはランデリック様が立っていた。
ランデリック様は、私には一度も向けたことのない、真剣で、厳しい顔をしていた。そして、私の了承も得ずに部屋の中に入り込むと、椅子に腰かけ、深い溜息を吐く。
私は、なんて声をかけていいか分からず、黙っていた。
やがて、ランデリック様は語り始める。
「ウィネット、きみのアドバイス通り、昨日、アレクシスに婚約の解消を告げてきたよ。役所に対する正式な手続きは、今日、全部終わらせた。まったく、疲れたよ、本当に……」
火のような怒りが、私の心を焼いた。
やっぱり、ウィネットがランデリック様をたぶらかしたのね。
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