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第4話
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……軍人たちは、これから私のことを、徹底的に尋問するに違いない。
じょ、冗談じゃないわ。
私、革命になんて、なんの興味もないし、国王の暴政も、どうだっていいわ。困っているのは下等な平民どもであり、選ばれた上級貴族である私には、関係のないことだもの。
早く、『私は本当のウィネットじゃない』って伝えて、誤解を解かないと。
私は、懸命に声を発しようとした。
「うー! ううー!!」
しかし、いくら呻いても、口に猿ぐつわが食い込んでいくだけである。
二人の兵士が、どこか呆れたような目で、こちらを見ている。
兵士の一人――長身の男が、肩をすくめ、言う。
「まさか、革命団幹部様が、こんなにも簡単に捕まるとはな」
その言葉に、もう一人の兵士――筋骨隆々の男が、答える。
「まったくだ。尻尾を掴むのに散々苦労したが、これで少しは、革命団の情報を聞き出すことができるだろう。まあ、そう簡単に口を割るとは思えないから、多少は拷問をしなきゃならないだろうがね」
待って。
待ってよ。
知らないわよ。
革命団の情報なんて。
だって、私、本当に、何も知らないんだもの。
やめてよ、拷問なんて。
違うのよ。
私は、別人なの。
体はウィネットだけど、心は別なのよ。
私はそう主張するために、必死にもがき、これまで以上に呻いた。
「うー!! うぅぅー!!! ううううううううううううう!!!!」
ただならぬ様子を察知した長身の男が、筋骨隆々の男に声をかける。
「おい、なんかこいつ、滅茶苦茶に唸ってるぞ? 一旦、猿ぐつわをはずしてみるか?」
「そうだな。噛みつかれないように注意しろよ」
「わかってるって」
そこでやっと、私に沈黙を押し付けていた猿ぐつわがはずされた。
猿ぐつわをつけたまま、呻き声を上げ続けるというのは、思った以上に疲れるものだった。私は乱れた呼吸をなんとか整え、それから、ついさっき頭の中で思った通りのことを、滔々と語った。
だが……
「あのなあ、そんな言い訳、通用すると思ってるのか? どこの世界に、わざわざ禁呪である『入れ替わり』の呪文を使ってまで、革命団幹部と体を入れ替えるアホがいるんだよ。自殺行為じゃないか」
長身の兵士は、体を揺すって、せせら笑った。
まずい。
このままでは、私は本当に、ウィネットとして拷問を受けることになってしまう。
じょ、冗談じゃないわ。
私、革命になんて、なんの興味もないし、国王の暴政も、どうだっていいわ。困っているのは下等な平民どもであり、選ばれた上級貴族である私には、関係のないことだもの。
早く、『私は本当のウィネットじゃない』って伝えて、誤解を解かないと。
私は、懸命に声を発しようとした。
「うー! ううー!!」
しかし、いくら呻いても、口に猿ぐつわが食い込んでいくだけである。
二人の兵士が、どこか呆れたような目で、こちらを見ている。
兵士の一人――長身の男が、肩をすくめ、言う。
「まさか、革命団幹部様が、こんなにも簡単に捕まるとはな」
その言葉に、もう一人の兵士――筋骨隆々の男が、答える。
「まったくだ。尻尾を掴むのに散々苦労したが、これで少しは、革命団の情報を聞き出すことができるだろう。まあ、そう簡単に口を割るとは思えないから、多少は拷問をしなきゃならないだろうがね」
待って。
待ってよ。
知らないわよ。
革命団の情報なんて。
だって、私、本当に、何も知らないんだもの。
やめてよ、拷問なんて。
違うのよ。
私は、別人なの。
体はウィネットだけど、心は別なのよ。
私はそう主張するために、必死にもがき、これまで以上に呻いた。
「うー!! うぅぅー!!! ううううううううううううう!!!!」
ただならぬ様子を察知した長身の男が、筋骨隆々の男に声をかける。
「おい、なんかこいつ、滅茶苦茶に唸ってるぞ? 一旦、猿ぐつわをはずしてみるか?」
「そうだな。噛みつかれないように注意しろよ」
「わかってるって」
そこでやっと、私に沈黙を押し付けていた猿ぐつわがはずされた。
猿ぐつわをつけたまま、呻き声を上げ続けるというのは、思った以上に疲れるものだった。私は乱れた呼吸をなんとか整え、それから、ついさっき頭の中で思った通りのことを、滔々と語った。
だが……
「あのなあ、そんな言い訳、通用すると思ってるのか? どこの世界に、わざわざ禁呪である『入れ替わり』の呪文を使ってまで、革命団幹部と体を入れ替えるアホがいるんだよ。自殺行為じゃないか」
長身の兵士は、体を揺すって、せせら笑った。
まずい。
このままでは、私は本当に、ウィネットとして拷問を受けることになってしまう。
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