婚約者に愛されたいので、彼の幼馴染と体を交換しました【完結】

小平ニコ

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第5話

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 嫌よ、そんなの。
 絶対に嫌!

 私はもう、恥も外聞もなく、ありのままを話すことにした。

 先程は一応、ランデリック様のお立場を守るため、彼のことについては話さなかったが、ハッキリ言って、もう、ランデリック様のことを心配している場合ではない。今はとにかく、自分だ。自分の身を、守らなくては。

 私は、話した。
 ひたすらに、話し続けた。

 ウィネットへの嫉妬心も、ランデリック様への想いも、すべて、話した。

 これで、ランデリック様も、軍に拘束されてしまうだろう。

 それは、申し訳ないと思う。
 本当に、申し訳ないと思う。

 でも、正直に話さなければ、私は拷問されてしまう。
 それだけは、絶対に嫌だった。

 優しいランデリック様なら、分かってくれるわよね。

 私の話が終わると、長身の兵士は、筋骨隆々の兵士に、『どう思う?』とでも言いたげな視線を向けた。筋骨隆々の兵士は、丸太のような腕を組み、『ふん』と息を吐く。

「戯言だとは思うが、一応、そのランデリックとやらを調べてみる価値はあるかもな」

 そして二人は、私を置いて、出て行った。

 助かった……
 ランデリック様には悪いけど、これでなんとか、拷問だけはされずにすみそうだわ……





 一時間ほどしてから、二人の兵士は帰って来た。

 ……二人は、明らかに苛立っている。
 その様子は、私をとても不安にさせた。

 長身の兵士が、吐き捨てるように言う。

「この女、ふざけたことぬかしやがって」

 筋骨隆々の兵士が、首を左右に振りながら、言う。

「お前の言った、ランデリックさんはな、この国でも一二を争う名家のご子息だぞ。革命団なんかに加わってるわけないだろう? 問い合わせただけで、俺たち、ご当主様直々に『我が一族を侮辱する気か』って、滅茶苦茶怒られたんだぞ……」

 そこで一度言葉を切り、筋骨隆々の兵士は語り続ける。

「で、お前が『入れ替わり』の呪文を使った張本人だって言うアレクシスさんだが、ごく普通にお屋敷で生活されているそうだ。これまたとんでもない名家のお嬢様だから、彼女のお父上から『無礼なことを聞くな!』って、こっぴどく怒鳴られたよ。あーあ、不確かな情報で、名家を二つも怒らせたんだから、こりゃ、減俸もあり得るな……」

 私が、ごく普通にお屋敷で生活している!?
 そんな、そんなこと、あるはずないっ!
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