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第二部 獣人武闘祭
第215話
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「……良い動きね。まるで、瞬間移動しているような、素晴らしいステップだわ」
私は、舌を巻いた。
ネコカラテの女子世界チャンピオンだというから、並の才能ではないと思っていたが、あの若さでこれだけの足運びができる武闘家は、そうはいないだろう。ミャオったら、J1グランプリ本戦に出る前に、とんでもない相手とぶつかってしまったものね。
「本当に、凄いです……でも、どうしてあんなに速く動けるのでしょうか……?」
隣のノエルが、素早いマリエールの動きを目で追いながら、言う。視線を動かすだけでは目がついて行かないらしく、頭ごとキョロキョロ振っているのが、やけに可愛い。
私の膝の上で、タマラがおかしそうに笑った。
「えー、わかんないの? 駄目だなあ、ノエルは」
「もうっ、そう言うタマちゃんは、わかるの?」
「とーぜんよ。マリエールが動く瞬間の、ふくらはぎを見てみなよ。ほら、今!」
タマラが指さした瞬間、マリエールはミャオの蹴りをかわしながら動く。その時、それまでほっそりとしていたふくらはぎが、一瞬だけ倍ほどの大きさに膨らんだ。
そしてコンマ一秒後には、体ごとミャオの側面に回り込んでおり、今まで何度もしたように、鋭いパンチを当てる。衝撃で、ミャオの頭が大きくのけぞった。
やはり、これだけのレベルの選手が相手となると、防御技術の未熟さがどうしても響いてくる。特訓期間があと三ヶ月……いや、せめて一ヶ月だけでもあれば、もう少し良い戦いをさせてあげられたのに……。私は、考えても仕方のないことを考えた。
「どう、ノエル? 分かった?」
タマラが、クイズの回答を求めるように、ノエルに聞く。
「ええっと……ふくらはぎが大きくなったのは分かったけど、それが、速く動くのとどう関係あるの……?」
「んもー、鈍いなあ。ディーナは分かるよね?」
私は、格上の相手と必死に戦うミャオから目を離さずに、答えた。
「弛緩と爆発ね」
「弛緩と爆発?」
私の言った言葉を、ノエルはそのまま繰り返した。
タマラが、嬉しそうにパチパチと拍手をする。
「正解! さっすがー!」
「どういうこと、タマちゃん? 私にも分かるように教えてよ……」
話をしている間に、また一発、ミャオの顔面にマリエールの拳が当たった。
焦りと歯がゆさを隠すように、私はタマラに代わって解説をしてあげる。
私は、舌を巻いた。
ネコカラテの女子世界チャンピオンだというから、並の才能ではないと思っていたが、あの若さでこれだけの足運びができる武闘家は、そうはいないだろう。ミャオったら、J1グランプリ本戦に出る前に、とんでもない相手とぶつかってしまったものね。
「本当に、凄いです……でも、どうしてあんなに速く動けるのでしょうか……?」
隣のノエルが、素早いマリエールの動きを目で追いながら、言う。視線を動かすだけでは目がついて行かないらしく、頭ごとキョロキョロ振っているのが、やけに可愛い。
私の膝の上で、タマラがおかしそうに笑った。
「えー、わかんないの? 駄目だなあ、ノエルは」
「もうっ、そう言うタマちゃんは、わかるの?」
「とーぜんよ。マリエールが動く瞬間の、ふくらはぎを見てみなよ。ほら、今!」
タマラが指さした瞬間、マリエールはミャオの蹴りをかわしながら動く。その時、それまでほっそりとしていたふくらはぎが、一瞬だけ倍ほどの大きさに膨らんだ。
そしてコンマ一秒後には、体ごとミャオの側面に回り込んでおり、今まで何度もしたように、鋭いパンチを当てる。衝撃で、ミャオの頭が大きくのけぞった。
やはり、これだけのレベルの選手が相手となると、防御技術の未熟さがどうしても響いてくる。特訓期間があと三ヶ月……いや、せめて一ヶ月だけでもあれば、もう少し良い戦いをさせてあげられたのに……。私は、考えても仕方のないことを考えた。
「どう、ノエル? 分かった?」
タマラが、クイズの回答を求めるように、ノエルに聞く。
「ええっと……ふくらはぎが大きくなったのは分かったけど、それが、速く動くのとどう関係あるの……?」
「んもー、鈍いなあ。ディーナは分かるよね?」
私は、格上の相手と必死に戦うミャオから目を離さずに、答えた。
「弛緩と爆発ね」
「弛緩と爆発?」
私の言った言葉を、ノエルはそのまま繰り返した。
タマラが、嬉しそうにパチパチと拍手をする。
「正解! さっすがー!」
「どういうこと、タマちゃん? 私にも分かるように教えてよ……」
話をしている間に、また一発、ミャオの顔面にマリエールの拳が当たった。
焦りと歯がゆさを隠すように、私はタマラに代わって解説をしてあげる。
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