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第二部 獣人武闘祭
第218話(ミャオ視点)
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一切の迷いのない、力強い言葉だった。
まっちゃんの高潔な姿は、地上に顕現した女神のように美しかった。
しかし……
「何言っとるニャ! とどめを刺さないようじゃ、試合には勝てんニャ!」
「そうかしら? 先程のわたくしの蹴りが、もう少し深く当たっていたら、あなたは昏倒して、勝負ありだったと思うけど?」
「ニャッ……それは、まあ、そうかもしれないニャ」
「ね? わたくしが求めるのは、そういう決着ですわ。さあ、構えなさい。正々堂々、試合再開ですわ!」
一喝され、僕は慌てて両腕のガードを上げる。
腕が、重い。相当に、疲労とダメージが溜まっている。確かにまっちゃんの言う通り、わざわざ追い打ちなんかしなくても、このままじゃ、僕は負ける。
なんとかしなきゃ。
なんとか。
でも、僕の頭じゃ良い作戦が思いつかないニャ。
先生、どうすればいいニャ?
どうやったら、こんなに強い人に、勝てるニャ?
まっちゃんは、凄いニャ。
ただ強いだけじゃなくて、心構えも立派ニャ。
きっと、僕なんかより、J1グランプリの本戦に進むのに、ふさわしい人ニャ。
だから、ふさわしくない僕が、ここで負けることは、自然なことなのかニャ?
でも。
でも。
負けたくないニャ。
負けるくらいなら、死んだほうがましニャ。
お腹の奥から、熱い気持ちが燃え上がってくる。
僕の闘志は、まだ消えていない。
考えるニャ。
どうやったら、まっちゃんに勝てるかを。
思案してる間にも、まっちゃんはリズミカルにステップを刻み、僕に攻撃を当ててくる。これ以上ダメージを食らったら、もう反撃する力もなくなってしまうだろう。
「ふぎゃっ!?」
こめかみに、いいパンチが当たった。
頭が、クラクラする。
距離を取らなきゃ。
いや、今すぐ反撃だ。
相反する二つの行動を同時におこなおうとしたことで、頭がパニックになる。そのせいで、足がずるりと後ろに流れた。このままだと、前かがみになった顔面に、まっちゃんの膝蹴りが飛んでくるニャ。
全身のバネを使ったネコカラテの膝蹴りは、必殺の一撃だ。顔面に食らえば、ただの一発で僕の意識は吹っ飛んでしまうだろう。間違っても、もらうわけにはいかない。
ええい、こうなったら。
僕は、ヤケクソになった。
流れた足で地面を思い切り蹴ると、まっちゃんに突進した。
まっちゃんの高潔な姿は、地上に顕現した女神のように美しかった。
しかし……
「何言っとるニャ! とどめを刺さないようじゃ、試合には勝てんニャ!」
「そうかしら? 先程のわたくしの蹴りが、もう少し深く当たっていたら、あなたは昏倒して、勝負ありだったと思うけど?」
「ニャッ……それは、まあ、そうかもしれないニャ」
「ね? わたくしが求めるのは、そういう決着ですわ。さあ、構えなさい。正々堂々、試合再開ですわ!」
一喝され、僕は慌てて両腕のガードを上げる。
腕が、重い。相当に、疲労とダメージが溜まっている。確かにまっちゃんの言う通り、わざわざ追い打ちなんかしなくても、このままじゃ、僕は負ける。
なんとかしなきゃ。
なんとか。
でも、僕の頭じゃ良い作戦が思いつかないニャ。
先生、どうすればいいニャ?
どうやったら、こんなに強い人に、勝てるニャ?
まっちゃんは、凄いニャ。
ただ強いだけじゃなくて、心構えも立派ニャ。
きっと、僕なんかより、J1グランプリの本戦に進むのに、ふさわしい人ニャ。
だから、ふさわしくない僕が、ここで負けることは、自然なことなのかニャ?
でも。
でも。
負けたくないニャ。
負けるくらいなら、死んだほうがましニャ。
お腹の奥から、熱い気持ちが燃え上がってくる。
僕の闘志は、まだ消えていない。
考えるニャ。
どうやったら、まっちゃんに勝てるかを。
思案してる間にも、まっちゃんはリズミカルにステップを刻み、僕に攻撃を当ててくる。これ以上ダメージを食らったら、もう反撃する力もなくなってしまうだろう。
「ふぎゃっ!?」
こめかみに、いいパンチが当たった。
頭が、クラクラする。
距離を取らなきゃ。
いや、今すぐ反撃だ。
相反する二つの行動を同時におこなおうとしたことで、頭がパニックになる。そのせいで、足がずるりと後ろに流れた。このままだと、前かがみになった顔面に、まっちゃんの膝蹴りが飛んでくるニャ。
全身のバネを使ったネコカラテの膝蹴りは、必殺の一撃だ。顔面に食らえば、ただの一発で僕の意識は吹っ飛んでしまうだろう。間違っても、もらうわけにはいかない。
ええい、こうなったら。
僕は、ヤケクソになった。
流れた足で地面を思い切り蹴ると、まっちゃんに突進した。
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