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騒動は波及する
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王宮サイド
ラインがセレナ達と此方に向かう事を決める少し前、アマルファ王達がマーカスの失態に対応しようとした時、侍従が慌てて執務室に飛び込んできた。
「陛下、マーカス殿下がウィンストン公爵令嬢を誘拐し、行方をくらませています」
執務室の3人の顔が引き攣った。
「今すぐバーバラのいる離宮を封鎖しろ。それとマーカスが姿を見せたら即刻逮捕しろ。アレはもう王族では無い」
アマルファ王の命令に侍従は弾かれる様に執務室から飛び出した。
「私はウィンストン家に向かいます」
「そうしてくれ。此方はマーカスの処分を決定しておく」
シルヴァンはアマルファ王の言葉に頭を下げ、執務室から飛び出して行った。
シルヴァンは今日ほど王宮からウィンストン家が遠い、と思った事はない。
はやる気持ちが焦りを生み、馬車の中で苛々した。
「先ぶれも出さずご無礼を」
ナルサスの顔を見た途端、シルヴァンは無作法を謝ったが、ナルサスは首を横に振り、涙を溜めて震えているアリアンナに目を向けた。
アリアンナの失態に言いたい事はあるがシルヴァンは黙って頷き、アリアンナの肩に手を置いた。
何事も無くこのままジリジリと時間が過ぎるのか、と焦りを感じた時ラフィーネがはっ、と顔を上げる。
「ライン様。本当ですか?」
ラフィーネの驚く声にその場にいた者達がラフィーネを見ると
「ライン様がセレナさんを此方に呼んだ、と仰っております」
ほんの少しだけ安堵の空気が流れて、ナルサスも詰めていた息を吐き出した。
セレナサイド
ナルサス達と合流し、自分の携帯がセシリアのドレスのポケットに入れてある事に気がついたセレナは蓮にGPSで追跡を頼み、王都の地図を広げた。
全員で王都の地図を見ながら学園からどの方向に向かったのか、何を目指しているのかを話し合った。
「ラインの力で携帯が使えるなら、セシリアたんの居場所が特定出来るはず」
アマルファ王の話からバーバラのいる離宮は除外出来るだろう、とナルサスは王宮と離宮にバツを付ける。
「セレナ様、セシリア様は北に移動しております」
蓮の携帯に王都の地図が浮かび、セレナの携帯を示す光が点滅しながら北へ向かうのが確認できた。
「北?北にある高位貴族の屋敷はザガリン侯爵の別邸くらいだ」
シルヴァンがすかさず地図の上の方に視線を走らせ、ザガリン侯爵の別邸に丸を付けた。
「ザガリン?」
「バーバラ様を養女にした家だ」
「ならマーカスに協力する可能性はあるね」
アリスが不思議そうにザガリンの名を口にすると、マティウスが簡単に説明をした。
ラインがセレナ達と此方に向かう事を決める少し前、アマルファ王達がマーカスの失態に対応しようとした時、侍従が慌てて執務室に飛び込んできた。
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執務室の3人の顔が引き攣った。
「今すぐバーバラのいる離宮を封鎖しろ。それとマーカスが姿を見せたら即刻逮捕しろ。アレはもう王族では無い」
アマルファ王の命令に侍従は弾かれる様に執務室から飛び出した。
「私はウィンストン家に向かいます」
「そうしてくれ。此方はマーカスの処分を決定しておく」
シルヴァンはアマルファ王の言葉に頭を下げ、執務室から飛び出して行った。
シルヴァンは今日ほど王宮からウィンストン家が遠い、と思った事はない。
はやる気持ちが焦りを生み、馬車の中で苛々した。
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ナルサスの顔を見た途端、シルヴァンは無作法を謝ったが、ナルサスは首を横に振り、涙を溜めて震えているアリアンナに目を向けた。
アリアンナの失態に言いたい事はあるがシルヴァンは黙って頷き、アリアンナの肩に手を置いた。
何事も無くこのままジリジリと時間が過ぎるのか、と焦りを感じた時ラフィーネがはっ、と顔を上げる。
「ライン様。本当ですか?」
ラフィーネの驚く声にその場にいた者達がラフィーネを見ると
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ほんの少しだけ安堵の空気が流れて、ナルサスも詰めていた息を吐き出した。
セレナサイド
ナルサス達と合流し、自分の携帯がセシリアのドレスのポケットに入れてある事に気がついたセレナは蓮にGPSで追跡を頼み、王都の地図を広げた。
全員で王都の地図を見ながら学園からどの方向に向かったのか、何を目指しているのかを話し合った。
「ラインの力で携帯が使えるなら、セシリアたんの居場所が特定出来るはず」
アマルファ王の話からバーバラのいる離宮は除外出来るだろう、とナルサスは王宮と離宮にバツを付ける。
「セレナ様、セシリア様は北に移動しております」
蓮の携帯に王都の地図が浮かび、セレナの携帯を示す光が点滅しながら北へ向かうのが確認できた。
「北?北にある高位貴族の屋敷はザガリン侯爵の別邸くらいだ」
シルヴァンがすかさず地図の上の方に視線を走らせ、ザガリン侯爵の別邸に丸を付けた。
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「ならマーカスに協力する可能性はあるね」
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