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最終話 セレナサイド 入れ替わるならスマホは必須?
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「セシリアがシルヴァンと婚約できたのは、ある意味君のおかげでもあるからね」
「私の?」
ラインの言いたい事がわからずアリスは首を捻った。
「セレナはマーカスを排除する事は考えていたが、シルヴァンの存在を教えたのは君だろ」
セシリアと会ったばかりの時、確かにシルヴァンの存在をセレナに教えた。
「そうよ。そのお陰でアイツをへこませられたんだもの」
セレナも大きく頷いた。
「セレナ、あっちで何をしたの?」
長文メールでセレナがどう過ごしていたかはある程度知っているが具体的な事は話してくれていない。
「初恋を拗らせたヤバイ奴を捻り潰しただけよ。と言ってもほとんどアリアンナが計画したけどね」
あっけらかんと笑うセレナに呆れるが、ラインはニコニコしながら
「セシリアも同じ事をしていた様だしな。君達は何処か似ているよ」
と、驚く事を言った。
「セシリアたんが?何したの?」
アリスは思い当たる事があるのか視線をセレナから外し、また眉間に指を当てていた。
「アリス、セシリアたん、何したの?」
アリスの肩を掴みガクガク揺らすセレナに視線を戻し、渋々口を開いた。
「羽山と婚約破棄した後、アイツ、性懲りも無くセレナに怒鳴り込んできたのよ」
「えっ?入れ替わる前の日にアイツの浮気写真お父様に見せてちゃんと破棄したのに?」
「そう。その時入れ替わってたセシリアさんが真顔で“お慕いした事もない方に従うなんて嫌だ”って言い切ったの」
「それなら私、何度も言ったよ?」
セレナが首を傾げると
「感情的になった君の言葉は相手にはただ嫉妬しているもの、と受け止められていたがセシリアの淡々とした態度に現実を突きつけられたんだろうな」
ラインがカップを置きながら説明をした。
「あの後大変だったみたいよ。アイツ、おじ様の前で泣き叫びながらセレナを愛してる、破棄したくないって暴れたらしいわ」
蓮から聞いた話だが、相当な騒ぎになったらしい。
まぁ騒いでも羽山は婚約破棄をされ、多額の慰謝料を請求され羽山家から勘当を言われた。
「馬鹿なの?破棄したくなかったら浮気しなきゃ良いだけじゃない」
「まあね。セレナも一応アイツのこと好きだったしね。バレなきゃいい、とでも思ってたんじゃない」
「あの隠そうともしない浮気癖のせいで、あっという間に冷めたけどね」
セレナとアリスがクスクス笑い出した。
「恋は暫く遠慮するわ」
そうセレナは言っているが、アリスはラインをチラッと見る。
きっと初恋を拗らせたもう1人が着々と外堀を埋めているだろうし、自分もその手伝いをしている。
「この世界は私の管理下にはないから、何もしないよ」
あっさりとアリスの思惑を否定し、にこやかな雰囲気でまた紅茶を飲んだ。
「ラインに頼んだら大変なことになりそうだから嫌よ。私は私らしくいたいもん」
セレナの笑顔にアリスも頷いた。
幸せも恋も自分で掴まなきゃ意味が無い。
現実味の薄い思い出はいつか笑い話になるだろう。
セレナはセシリアとツーショットの写真を待ち受けにしたスマホを手に取ると
「でも、また悪役令嬢に入れ替わるならスマホは必須アイテムね」
と笑った。
セレナのセリフにアリスとラインは弾ける様に笑った。
fin
ここ迄お付き合いいただきありがとうございます。
次はちょっとのんびりで自衛隊好きの主人公の話を始めます。
興味がある方、どうぞよろしくお願いします。
「私の?」
ラインの言いたい事がわからずアリスは首を捻った。
「セレナはマーカスを排除する事は考えていたが、シルヴァンの存在を教えたのは君だろ」
セシリアと会ったばかりの時、確かにシルヴァンの存在をセレナに教えた。
「そうよ。そのお陰でアイツをへこませられたんだもの」
セレナも大きく頷いた。
「セレナ、あっちで何をしたの?」
長文メールでセレナがどう過ごしていたかはある程度知っているが具体的な事は話してくれていない。
「初恋を拗らせたヤバイ奴を捻り潰しただけよ。と言ってもほとんどアリアンナが計画したけどね」
あっけらかんと笑うセレナに呆れるが、ラインはニコニコしながら
「セシリアも同じ事をしていた様だしな。君達は何処か似ているよ」
と、驚く事を言った。
「セシリアたんが?何したの?」
アリスは思い当たる事があるのか視線をセレナから外し、また眉間に指を当てていた。
「アリス、セシリアたん、何したの?」
アリスの肩を掴みガクガク揺らすセレナに視線を戻し、渋々口を開いた。
「羽山と婚約破棄した後、アイツ、性懲りも無くセレナに怒鳴り込んできたのよ」
「えっ?入れ替わる前の日にアイツの浮気写真お父様に見せてちゃんと破棄したのに?」
「そう。その時入れ替わってたセシリアさんが真顔で“お慕いした事もない方に従うなんて嫌だ”って言い切ったの」
「それなら私、何度も言ったよ?」
セレナが首を傾げると
「感情的になった君の言葉は相手にはただ嫉妬しているもの、と受け止められていたがセシリアの淡々とした態度に現実を突きつけられたんだろうな」
ラインがカップを置きながら説明をした。
「あの後大変だったみたいよ。アイツ、おじ様の前で泣き叫びながらセレナを愛してる、破棄したくないって暴れたらしいわ」
蓮から聞いた話だが、相当な騒ぎになったらしい。
まぁ騒いでも羽山は婚約破棄をされ、多額の慰謝料を請求され羽山家から勘当を言われた。
「馬鹿なの?破棄したくなかったら浮気しなきゃ良いだけじゃない」
「まあね。セレナも一応アイツのこと好きだったしね。バレなきゃいい、とでも思ってたんじゃない」
「あの隠そうともしない浮気癖のせいで、あっという間に冷めたけどね」
セレナとアリスがクスクス笑い出した。
「恋は暫く遠慮するわ」
そうセレナは言っているが、アリスはラインをチラッと見る。
きっと初恋を拗らせたもう1人が着々と外堀を埋めているだろうし、自分もその手伝いをしている。
「この世界は私の管理下にはないから、何もしないよ」
あっさりとアリスの思惑を否定し、にこやかな雰囲気でまた紅茶を飲んだ。
「ラインに頼んだら大変なことになりそうだから嫌よ。私は私らしくいたいもん」
セレナの笑顔にアリスも頷いた。
幸せも恋も自分で掴まなきゃ意味が無い。
現実味の薄い思い出はいつか笑い話になるだろう。
セレナはセシリアとツーショットの写真を待ち受けにしたスマホを手に取ると
「でも、また悪役令嬢に入れ替わるならスマホは必須アイテムね」
と笑った。
セレナのセリフにアリスとラインは弾ける様に笑った。
fin
ここ迄お付き合いいただきありがとうございます。
次はちょっとのんびりで自衛隊好きの主人公の話を始めます。
興味がある方、どうぞよろしくお願いします。
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紅月さま、お疲れ様です✨
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