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剣が折れたら踏み込めば良い?

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ギャーギャーと耳障りな声を上げる魔獣をサンキライとアリッサは慣れた動きで牽制するが、モルセラ達は手こずっている様だ。

「モルセラ殿に集中しそうだな」
「慣れていませんからね。援護に入ります」

アリッサがモルセラの援護に入るが流石エリンジウムの護衛。モルセラは慣れないながらも魔獣と戦っていた。

「すまない」
「魔獣討伐は慣れないと面倒ですから」

猿型の魔獣は火魔法を使う。
火力は強く無いが数が多い為如何しても力の配分を間違えてしまう。


アリッサの手元でギィンと嫌な音がした。

「剣が……」

モルセラが振り向くと魔獣の歯に当たったのか、アリッサの剣が半ばで折れていた。
途端に魔獣達はギャーギャー嗤い、アリッサに攻撃を集中する。

絶体絶命、と言ってもおかしくない状況でアリッサは不敵に笑う。

「丈が短くなったら、それだけ踏み込めばいい」

集中的に攻撃をされているのに焦りもしないで折れた剣に魔力を注ぎ、アリッサはタン、と踏み込むと魔獣の顔を思いっきりぶっ飛ばした。

見事にひしゃげた顔の魔獣が群れのボス猿に、もの凄いスピードでぶつかりボス猿は尻餅をついてしまった様だ。

「ね、問題ありません」
「お見事です」

アリッサの実力に魔獣達は恐れをなし逃げ始めているが、ボス猿は黒い顔がどす黒くなるほど怒り、アリッサに襲い掛かろうと腰を上げた途端、音も無く舞い降りたドラゴンの爪に抑え込まれた。

眩い銀のドラゴンの出現に猿型の魔獣達は蜘蛛の子を散らすように逃げ、辺りはあっという間に静かになった。
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