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大量の魔道具とサマーパーティ
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「あれ?アリッサさんは?」
ランタナが1人で戻ってきたファルシオンに声を掛けると、ファルシオンがフッと黒い笑みを浮かべた。
「魔道具に少し手を加えるぞ」
「面白そうな予感しか無いですね」
マロウもファルシオンと同じ黒い笑みを浮かべる。
「勿論、私達にも手伝わせて貰えますよね」
ファルシオン達の会話が聞こえたのだろう、エリンジウム達も静かに怒りを湛えた目でファルシオンをみる。
「勿論だ」
トラップの前で妙な動きをしたものを片っ端から見つけ、元凶を特定することに全力を尽くすことが最優先事項となった。
魔道具を作る重要素材のアンサシアの根が潤沢にあり、俺を巻き込むな、と文句を言うガウラまで巻き込んだファルシオンが全面的に協力すると、魔道具はアリッサがダンジョンから戻る頃には全て作り終え、設置するだけになっていた。
「もう終わったのですか。明日は槍が降っても驚きません」
大量の魔道具を見ながら、あれだけ怠惰だったファルシオンの行動にアリッサは呆れていた。
「取りこぼしがない様、コレは1ヶ月放置する。君達は普段通りの生活をする様に」
ファルシオンの言葉に全員頷くと、言われた通り、普通の学生生活を送った。
学園は表面上は平穏で、もうじき夏の休みになる。
学生達は試験勉強に追われていても長い休みの予定とサマーパーティを楽しげに話していた。
ただ1人、困惑している者を除いて。
「私は学生では無いので……」
「何を仰るの?学生と同じでしょ」
「そうです。参加は必須です」
アリッサが目の前に置かれているドレスを見ながら断ろうとしているが、ミモザをはじめランタナ達が夏休み前の、サマーパーティに出席しろ、と迫ってきた。
ミモザ達から話を聞いたファルシオンが用意したアメジストの様な紫のグラデーションが綺麗なドレスはきっと銀髪のアリッサに似合うだろう。
「魔道具の方はどうでした?」
強気のミモザ達にオロオロしながら対応しているアリッサを横目に、エリンジウムがファルシオンに顔を向けると、ファルシオンはにやり、と笑った。
「解析はかなり進んだ」
「では、特定出来たのですか?」
事の進みが早い為、エリンジウムは驚きを隠せない。
「サマーパーティで特定する」
「では、目星はついた様ですね」
「何人か怪しいのが居るが、ほぼ間違いない」
ファルシオンはやっと顔と名前が分かった元凶に制裁を加えられる事が嬉しくて仕方ない様だ。
「アレですか?」
「ああ、ほぼな」
エリンジウムも、何処かホッとした顔をする。
「いったいあの行動の何処に意味があるのか、理解できませんが」
エリンジウムだけで無く、マロウやモルセラ達にも接触する行動は理解不能なことばかりだった。
突然現れて目の前で転んだり、破かれた教科書を持って泣いていたり、裏庭でびしょ濡れになっていたり、階段から転げ落ちても来た。
それが誰かからの嫌がらせなら気の毒に思っただろうが、エリンジウムに仕えている影からの報告で、全て自作自演だと知っている彼らは同情などしない。
むしろ、虚言で犯人にされたミモザ達へ同情し、恋心がどんどん加速している。
ランタナが1人で戻ってきたファルシオンに声を掛けると、ファルシオンがフッと黒い笑みを浮かべた。
「魔道具に少し手を加えるぞ」
「面白そうな予感しか無いですね」
マロウもファルシオンと同じ黒い笑みを浮かべる。
「勿論、私達にも手伝わせて貰えますよね」
ファルシオン達の会話が聞こえたのだろう、エリンジウム達も静かに怒りを湛えた目でファルシオンをみる。
「勿論だ」
トラップの前で妙な動きをしたものを片っ端から見つけ、元凶を特定することに全力を尽くすことが最優先事項となった。
魔道具を作る重要素材のアンサシアの根が潤沢にあり、俺を巻き込むな、と文句を言うガウラまで巻き込んだファルシオンが全面的に協力すると、魔道具はアリッサがダンジョンから戻る頃には全て作り終え、設置するだけになっていた。
「もう終わったのですか。明日は槍が降っても驚きません」
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「取りこぼしがない様、コレは1ヶ月放置する。君達は普段通りの生活をする様に」
ファルシオンの言葉に全員頷くと、言われた通り、普通の学生生活を送った。
学園は表面上は平穏で、もうじき夏の休みになる。
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ただ1人、困惑している者を除いて。
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「そうです。参加は必須です」
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ミモザ達から話を聞いたファルシオンが用意したアメジストの様な紫のグラデーションが綺麗なドレスはきっと銀髪のアリッサに似合うだろう。
「魔道具の方はどうでした?」
強気のミモザ達にオロオロしながら対応しているアリッサを横目に、エリンジウムがファルシオンに顔を向けると、ファルシオンはにやり、と笑った。
「解析はかなり進んだ」
「では、特定出来たのですか?」
事の進みが早い為、エリンジウムは驚きを隠せない。
「サマーパーティで特定する」
「では、目星はついた様ですね」
「何人か怪しいのが居るが、ほぼ間違いない」
ファルシオンはやっと顔と名前が分かった元凶に制裁を加えられる事が嬉しくて仕方ない様だ。
「アレですか?」
「ああ、ほぼな」
エリンジウムも、何処かホッとした顔をする。
「いったいあの行動の何処に意味があるのか、理解できませんが」
エリンジウムだけで無く、マロウやモルセラ達にも接触する行動は理解不能なことばかりだった。
突然現れて目の前で転んだり、破かれた教科書を持って泣いていたり、裏庭でびしょ濡れになっていたり、階段から転げ落ちても来た。
それが誰かからの嫌がらせなら気の毒に思っただろうが、エリンジウムに仕えている影からの報告で、全て自作自演だと知っている彼らは同情などしない。
むしろ、虚言で犯人にされたミモザ達へ同情し、恋心がどんどん加速している。
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