19 / 36
大した話題にもならないだろう
しおりを挟む
「はい?ニール殿下が毒を盛られた?」
Sクラスで驚くアデル姿のアデリーンにケヴィンは残念そうに頷く。
「残念ながら毒は少量でしたので命には問題無いそうです」
そう言えば学院内が少し騒がしいな、と皆思っていた。
だが自国の王子が毒を盛られたとなれば大々的な捜査が行われる筈なのにその兆候は全く無い。
「残念って言葉の使い方が少し危ないぞ」
そう言うルーファスも残念そうな顔をしている。
「犯人は捕まったのか?」
「いえ調査中だそうですが、殿下はアデル様に疑いの目を向けている様です」
ケヴィンからの意外な言葉にアデリーンらしい表情で更にキョトンとする。
「私に?私がニール殿下に毒を盛って得することなどないが?」
学院内では甘い汁を吸おうと集る取り巻きは居るが従者や護衛官が居ないニールとは関わらない様配慮しているが、何故自分の名前が出るのかは余り気にならなかった。
だが、見過ごす訳にはいかない事案だ。
「ケヴィン。どういうルートでニール殿下がどの毒を口にしたか調べてくれ。菓子に混ぜたか、茶に入れたかでも本気度が分かるし、毒の種類も判別できるだろう」
「かしこまりました」
アデルらしく甘さや穏やかさのない口調にケヴィンは満足げに頷き、ルーファスとダグラスはため息を吐いた。
「ニールの頭が良いとは思っていなかったが、ここまで自惚れた阿保とは思っていなかったよ」
「えっ?」
ダグラスがキョトンとするアデルを見てまたため息を吐いた。
「犯人の意図を調べます」
何かに気が付いたのか、ケヴィンがこめかみに青筋をたてながらキビキビと部屋から出ていった。
だが、数日後ケヴィンは満足げな顔で
「ニール殿下の件は旦那様が直接調べるそうです」
と言えばルーファスが呆れた様に肩をすくめた。
「ニール殿下、終わったな」
「事が早く進みそうだと兄上達に伝えておくか」
ダグラスもこめかみに指を当てながらため息を吐いたがアデリーンだけはキョトンとしていた。
Sクラスで驚くアデル姿のアデリーンにケヴィンは残念そうに頷く。
「残念ながら毒は少量でしたので命には問題無いそうです」
そう言えば学院内が少し騒がしいな、と皆思っていた。
だが自国の王子が毒を盛られたとなれば大々的な捜査が行われる筈なのにその兆候は全く無い。
「残念って言葉の使い方が少し危ないぞ」
そう言うルーファスも残念そうな顔をしている。
「犯人は捕まったのか?」
「いえ調査中だそうですが、殿下はアデル様に疑いの目を向けている様です」
ケヴィンからの意外な言葉にアデリーンらしい表情で更にキョトンとする。
「私に?私がニール殿下に毒を盛って得することなどないが?」
学院内では甘い汁を吸おうと集る取り巻きは居るが従者や護衛官が居ないニールとは関わらない様配慮しているが、何故自分の名前が出るのかは余り気にならなかった。
だが、見過ごす訳にはいかない事案だ。
「ケヴィン。どういうルートでニール殿下がどの毒を口にしたか調べてくれ。菓子に混ぜたか、茶に入れたかでも本気度が分かるし、毒の種類も判別できるだろう」
「かしこまりました」
アデルらしく甘さや穏やかさのない口調にケヴィンは満足げに頷き、ルーファスとダグラスはため息を吐いた。
「ニールの頭が良いとは思っていなかったが、ここまで自惚れた阿保とは思っていなかったよ」
「えっ?」
ダグラスがキョトンとするアデルを見てまたため息を吐いた。
「犯人の意図を調べます」
何かに気が付いたのか、ケヴィンがこめかみに青筋をたてながらキビキビと部屋から出ていった。
だが、数日後ケヴィンは満足げな顔で
「ニール殿下の件は旦那様が直接調べるそうです」
と言えばルーファスが呆れた様に肩をすくめた。
「ニール殿下、終わったな」
「事が早く進みそうだと兄上達に伝えておくか」
ダグラスもこめかみに指を当てながらため息を吐いたがアデリーンだけはキョトンとしていた。
236
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢ベアトリスの仁義なき恩返し~悪女の役目は終えましたのであとは好きにやらせていただきます~
糸烏 四季乃
恋愛
「ベアトリス・ガルブレイス公爵令嬢との婚約を破棄する!」
「殿下、その言葉、七年お待ちしておりました」
第二皇子の婚約者であるベアトリスは、皇子の本気の恋を邪魔する悪女として日々蔑ろにされている。しかし皇子の護衛であるナイジェルだけは、いつもベアトリスの味方をしてくれていた。
皇子との婚約が解消され自由を手に入れたベアトリスは、いつも救いの手を差し伸べてくれたナイジェルに恩返しを始める! ただ、長年悪女を演じてきたベアトリスの物事の判断基準は、一般の令嬢のそれとかなりズレている為になかなかナイジェルに恩返しを受け入れてもらえない。それでもどうしてもナイジェルに恩返しがしたい。このドッキンコドッキンコと高鳴る胸の鼓動を必死に抑え、ベアトリスは今日もナイジェルへの恩返しの為奮闘する!
規格外で少々常識外れの令嬢と、一途な騎士との溺愛ラブコメディ(!?)
【完結】毒殺疑惑で断罪されるのはゴメンですが婚約破棄は即決でOKです
早奈恵
恋愛
ざまぁも有ります。
クラウン王太子から突然婚約破棄を言い渡されたグレイシア侯爵令嬢。
理由は殿下の恋人ルーザリアに『チャボット毒殺事件』の濡れ衣を着せたという身に覚えの無いこと。
詳細を聞くうちに重大な勘違いを発見し、幼なじみの公爵令息ヴィクターを味方として召喚。
二人で冤罪を晴らし婚約破棄の取り消しを阻止して自由を手に入れようとするお話。
本当に現実を生きていないのは?
朝樹 四季
恋愛
ある日、ヒロインと悪役令嬢が言い争っている場面を見た。ヒロインによる攻略はもう随分と進んでいるらしい。
だけど、その言い争いを見ている攻略対象者である王子の顔を見て、俺はヒロインの攻略をぶち壊す暗躍をすることを決意した。
だって、ここは現実だ。
※番外編はリクエスト頂いたものです。もしかしたらまたひょっこり増えるかもしれません。
【完結】転生悪役っぽい令嬢、家族巻き込みざまぁ回避~ヒドインは酷いんです~
鏑木 うりこ
恋愛
転生前あまりにもたくさんのざまぁ小説を読みすぎて、自分がどのざまぁ小説に転生したか分からないエイミアは一人で何とかすることを速攻諦め、母親に泣きついた。
「おかあさまあ~わたし、ざまぁされたくないのですー!」
「ざまぁとはよくわからないけれど、語感が既に良くない感じね」
すぐに味方を見つけ、将来自分をざまぁしてきそうな妹を懐柔し……エイミアは学園へ入学する。
そして敵が現れたのでした。
中編くらいになるかなと思っております!
長い沈黙を破り!忘れていたとは内緒だぞ!?
ヒドインが完結しました!わーわー!
(*´-`)……ホメテ……
異世界で悪役令嬢として生きる事になったけど、前世の記憶を持ったまま、自分らしく過ごして良いらしい
千晶もーこ
恋愛
あの世に行ったら、番人とうずくまる少女に出会った。少女は辛い人生を歩んできて、魂が疲弊していた。それを知った番人は私に言った。
「あの子が繰り返している人生を、あなたの人生に変えてください。」
「………はぁああああ?辛そうな人生と分かってて生きろと?それも、繰り返すかもしれないのに?」
でも、お願いされたら断れない性分の私…。
異世界で自分が悪役令嬢だと知らずに過ごす私と、それによって変わっていく周りの人達の物語。そして、その物語の後の話。
※この話は、小説家になろう様へも掲載しています
「お前みたいな卑しい闇属性の魔女など側室でもごめんだ」と言われましたが、私も殿下に嫁ぐ気はありません!
野生のイエネコ
恋愛
闇の精霊の加護を受けている私は、闇属性を差別する国で迫害されていた。いつか私を受け入れてくれる人を探そうと夢に見ていたデビュタントの舞踏会で、闇属性を差別する王太子に罵倒されて心が折れてしまう。
私が国を出奔すると、闇精霊の森という場所に住まう、不思議な男性と出会った。なぜかその男性が私の事情を聞くと、国に与えられた闇精霊の加護が消滅して、国は大混乱に。
そんな中、闇精霊の森での生活は穏やかに進んでいく。
第三王子の「運命の相手」は追放された王太子の元婚約者に瓜二つでした
冬野月子
恋愛
「運命の相手を見つけたので婚約解消したい」
突然突拍子もないことを言い出した第三王子。その言葉に動揺する家族。
何故なら十年前に兄である王太子がそう言って元婚約者を捨て、子爵令嬢と結婚したから。
そして第三王子の『運命の相手』を見て彼らは絶句する。
――彼女は追放され、死んだ元婚約者にそっくりだったのだ。
※小説家になろう、カクヨムでも連載しています。
転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです
青の雀
ファンタジー
公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる
それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう
そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく
公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる
この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった
足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で……
エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた
修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た
ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている
エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない
ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく……
4/20ようやく誤字チェックが完了しました
もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m
いったん終了します
思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑)
平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと
気が向いたら書きますね
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる