34 / 36
ヒロインは反省しない
王家の断罪が終わって数日後
アデリーンは薄暗い神殿の地下牢へ向かって歩いていた。
破滅神の信者としてマリーは神殿預かりになっていたが、随分時間が経つのに反省の色が全く見えない為地下牢へ入れられていた。
「何しに来たの。悪役のくせして」
痩せてはいないが髪も肌もボロボロになったマリーが牢の中からアデリーンを睨み付けているが、アデリーンは全く気にしていない。
「あら随分な挨拶ね。折角助けて差し上げたのに」
「助けた?アンタがゲーム通りにしないから……」
「ゲーム?あぁあの破滅プログラムの事ね。当然でしょ、この世界が破滅してしまう筋書きになんで従わなければならないのかしら」
「この世界が破滅?何言ってんのよ」
マリーはアデリーンが嘘を言っているんだと思っている様だ。
「貴女をこの世界に送り込んだグリルラはソーレイヌ様が守るこの世界を破滅させようとしていて自分の世界で発動した破滅プログラムをこの世界に捩じ込んだの」
「意味分かんない」
理解できないのかマリーはアデリーンに食ってかかったが、アデリーンは静かにマリーを見つめた。
「もともと世界には暴走した時の為に神によって1つ破滅プログラムが組み込まれているの。グリルラは自分の世界が破滅した事が許せなくてソーレイヌ様の世界も破滅させようとして、失敗したのよ」
淡々と語るアデリーンの言葉に嘘だと思っているのにマリーが青くなっていく。
「だから私は物語を改竄したの。だってソーレイヌ様が守る世界を破滅なんてさせないし、ソーレイヌ様が完全否定していたんですもの」
マリーはグリルラに、自分はこの世界のヒロインで何をしても良いと言われていたのに……。
「嘘よ」
「嘘だと思いたいなら勝手になさい。グリルラにはもう、なんの力も無いから貴女を助けてなんてくれない」
グリルラはマリーにヒロインになれる、と言った。
でもそれは、自分を含めたこの世界を破滅させる為の甘く残酷な嘘だった。
マリーは立っていられなくなったのか、床にへたり込む様に座り、ガタガタと震えていた。
それからの彼女は廃人のように何に対しても反応を返さなくなり、地下牢の隅で壁だけを見る一生を送って、ひっそりとこの世を去った、と聞いた。
アデリーンは薄暗い神殿の地下牢へ向かって歩いていた。
破滅神の信者としてマリーは神殿預かりになっていたが、随分時間が経つのに反省の色が全く見えない為地下牢へ入れられていた。
「何しに来たの。悪役のくせして」
痩せてはいないが髪も肌もボロボロになったマリーが牢の中からアデリーンを睨み付けているが、アデリーンは全く気にしていない。
「あら随分な挨拶ね。折角助けて差し上げたのに」
「助けた?アンタがゲーム通りにしないから……」
「ゲーム?あぁあの破滅プログラムの事ね。当然でしょ、この世界が破滅してしまう筋書きになんで従わなければならないのかしら」
「この世界が破滅?何言ってんのよ」
マリーはアデリーンが嘘を言っているんだと思っている様だ。
「貴女をこの世界に送り込んだグリルラはソーレイヌ様が守るこの世界を破滅させようとしていて自分の世界で発動した破滅プログラムをこの世界に捩じ込んだの」
「意味分かんない」
理解できないのかマリーはアデリーンに食ってかかったが、アデリーンは静かにマリーを見つめた。
「もともと世界には暴走した時の為に神によって1つ破滅プログラムが組み込まれているの。グリルラは自分の世界が破滅した事が許せなくてソーレイヌ様の世界も破滅させようとして、失敗したのよ」
淡々と語るアデリーンの言葉に嘘だと思っているのにマリーが青くなっていく。
「だから私は物語を改竄したの。だってソーレイヌ様が守る世界を破滅なんてさせないし、ソーレイヌ様が完全否定していたんですもの」
マリーはグリルラに、自分はこの世界のヒロインで何をしても良いと言われていたのに……。
「嘘よ」
「嘘だと思いたいなら勝手になさい。グリルラにはもう、なんの力も無いから貴女を助けてなんてくれない」
グリルラはマリーにヒロインになれる、と言った。
でもそれは、自分を含めたこの世界を破滅させる為の甘く残酷な嘘だった。
マリーは立っていられなくなったのか、床にへたり込む様に座り、ガタガタと震えていた。
それからの彼女は廃人のように何に対しても反応を返さなくなり、地下牢の隅で壁だけを見る一生を送って、ひっそりとこの世を去った、と聞いた。
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢にされたので婚約破棄を受け入れたら、なぜか全員困っています
かきんとう
恋愛
王城の大広間は、いつも以上に華やいでいた。
磨き上げられた床は燭台の光を反射し、色とりどりのドレスが揺れるたびに、まるで花畑が動いているかのように見える。貴族たちの笑い声、楽団の優雅な旋律、そして、ひそやかな噂話が、空気を満たしていた。
その中心に、私は立っていた。
――今日、この瞬間のために。
「エレノア・フォン・リーベルト嬢」
高らかに呼ばれた私の名に、ざわめきがぴたりと止む。
辺境は独自路線で進みます! ~見下され搾取され続けるのは御免なので~
紫月 由良
恋愛
辺境に領地を持つマリエ・オリオール伯爵令嬢は、貴族学院の食堂で婚約者であるジョルジュ・ミラボーから婚約破棄をつきつけられた。二人の仲は険悪で修復不可能だったこともあり、マリエは快諾すると学院を早退して婚約者の家に向かい、その日のうちに婚約が破棄された。辺境=田舎者という風潮によって居心地が悪くなっていたため、これを機に学院を退学して領地に引き籠ることにした。
魔法契約によりオリオール伯爵家やフォートレル辺境伯家は国から離反できないが、関わり合いを最低限にして独自路線を歩むことに――。
※小説家になろう、カクヨムにも投稿しています
【完結】転生悪役っぽい令嬢、家族巻き込みざまぁ回避~ヒドインは酷いんです~
鏑木 うりこ
恋愛
転生前あまりにもたくさんのざまぁ小説を読みすぎて、自分がどのざまぁ小説に転生したか分からないエイミアは一人で何とかすることを速攻諦め、母親に泣きついた。
「おかあさまあ~わたし、ざまぁされたくないのですー!」
「ざまぁとはよくわからないけれど、語感が既に良くない感じね」
すぐに味方を見つけ、将来自分をざまぁしてきそうな妹を懐柔し……エイミアは学園へ入学する。
そして敵が現れたのでした。
中編くらいになるかなと思っております!
長い沈黙を破り!忘れていたとは内緒だぞ!?
ヒドインが完結しました!わーわー!
(*´-`)……ホメテ……
悪役令嬢ベアトリスの仁義なき恩返し~悪女の役目は終えましたのであとは好きにやらせていただきます~
糸烏 四季乃
恋愛
「ベアトリス・ガルブレイス公爵令嬢との婚約を破棄する!」
「殿下、その言葉、七年お待ちしておりました」
第二皇子の婚約者であるベアトリスは、皇子の本気の恋を邪魔する悪女として日々蔑ろにされている。しかし皇子の護衛であるナイジェルだけは、いつもベアトリスの味方をしてくれていた。
皇子との婚約が解消され自由を手に入れたベアトリスは、いつも救いの手を差し伸べてくれたナイジェルに恩返しを始める! ただ、長年悪女を演じてきたベアトリスの物事の判断基準は、一般の令嬢のそれとかなりズレている為になかなかナイジェルに恩返しを受け入れてもらえない。それでもどうしてもナイジェルに恩返しがしたい。このドッキンコドッキンコと高鳴る胸の鼓動を必死に抑え、ベアトリスは今日もナイジェルへの恩返しの為奮闘する!
規格外で少々常識外れの令嬢と、一途な騎士との溺愛ラブコメディ(!?)
無能だとクビになったメイドですが、今は王宮で筆頭メイドをしています
如月ぐるぐる
恋愛
「お前の様な役立たずは首だ! さっさと出て行け!」
何年も仕えていた男爵家を追い出され、途方に暮れるシルヴィア。
しかし街の人々はシルビアを優しく受け入れ、宿屋で住み込みで働く事になる。
様々な理由により職を転々とするが、ある日、男爵家は爵位剥奪となり、近隣の子爵家の代理人が統治する事になる。
この地域に詳しく、元男爵家に仕えていた事もあり、代理人がシルヴィアに協力を求めて来たのだが……
男爵メイドから王宮筆頭メイドになるシルビアの物語が、今始まった。
婚約破棄されたトリノは、継母や姉たちや使用人からもいじめられているので、前世の記憶を思い出し、家から脱走して旅にでる!
山田 バルス
恋愛
この屋敷は、わたしの居場所じゃない。
薄明かりの差し込む天窓の下、トリノは古びた石床に敷かれた毛布の中で、静かに目を覚ました。肌寒さに身をすくめながら、昨日と変わらぬ粗末な日常が始まる。
かつては伯爵家の令嬢として、それなりに贅沢に暮らしていたはずだった。だけど、実の母が亡くなり、父が再婚してから、すべてが変わった。
「おい、灰かぶり。いつまで寝てんのよ、あんたは召使いのつもり?」
「ごめんなさい、すぐに……」
「ふーん、また寝癖ついてる。魔獣みたいな髪。鏡って知ってる?」
「……すみません」
トリノはペコリと頭を下げる。反論なんて、とうにあきらめた。
この世界は、魔法と剣が支配する王国《エルデラン》の北方領。名門リドグレイ伯爵家の屋敷には、魔道具や召使い、そして“偽りの家族”がそろっている。
彼女――トリノ・リドグレイは、この家の“戸籍上は三女”。けれど実態は、召使い以下の扱いだった。
「キッチン、昨日の灰がそのままだったわよ? ご主人様の食事を用意する手も、まるで泥人形ね」
「今朝の朝食、あなたの分はなし。ねえ、ミレイア? “灰かぶり令嬢”には、灰でも食べさせればいいのよ」
「賛成♪ ちょうど暖炉の掃除があるし、役立ててあげる」
三人がくすくすと笑うなか、トリノはただ小さくうなずいた。
夜。屋敷が静まり、誰もいない納戸で、トリノはひとり、こっそり木箱を開いた。中には小さな布包み。亡き母の形見――古びた銀のペンダントが眠っていた。
それだけが、彼女の“世界でただ一つの宝物”。
「……お母さま。わたし、がんばってるよ。ちゃんと、ひとりでも……」
声が震える。けれど、涙は流さなかった。
屋敷の誰にも必要とされない“灰かぶり令嬢”。
だけど、彼女の心だけは、まだ折れていない。
いつか、この冷たい塔を抜け出して、空の広い場所へ行くんだ。
そう、小さく、けれど確かに誓った。
『悪役令嬢』は始めません!
月親
恋愛
侯爵令嬢アデリシアは、日本から異世界転生を果たして十八年目になる。そんな折、ここ数年ほど抱いてきた自身への『悪役令嬢疑惑』が遂に確信に変わる出来事と遭遇した。
突き付けられた婚約破棄、別の女性と愛を語る元婚約者……前世で見かけたベタ過ぎる展開。それを前にアデリシアは、「これは悪役令嬢な自分が逆ざまぁする方の物語では」と判断。
と、そこでアデリシアはハッとする。今なら自分はフリー。よって、今まで想いを秘めてきた片想いの相手に告白できると。
アデリシアが想いを寄せているレンは平民だった。それも二十も年上で子持ちの元既婚者という、これから始まると思われる『悪役令嬢物語』の男主人公にはおよそ当て嵌まらないだろう人。だからレンに告白したアデリシアに在ったのは、ただ彼に気持ちを伝えたいという思いだけだった。
ところがレンから来た返事は、「今日から一ヶ月、僕と秘密の恋人になろう」というものだった。
そこでアデリシアは何故『一ヶ月』なのかに思い至る。アデリシアが暮らすローク王国は、婚約破棄をした者は一ヶ月、新たな婚約を結べない。それを逆手に取れば、確かにその間だけであるならレンと恋人になることが可能だと。
アデリシアはレンの提案に飛び付いた。
そして、こうなってしまったからには悪役令嬢の物語は始めないようにすると誓った。だってレンは男主人公ではないのだから。
そんなわけで、自分一人で立派にざまぁしてみせると決意したアデリシアだったのだが――
※この作品は、『小説家になろう』様でも公開しています。