[完結]私、物語りを改竄します。だって、女神様が全否定するんだもん

紅月

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ヒロインは反省しない

王家の断罪が終わって数日後

アデリーンは薄暗い神殿の地下牢へ向かって歩いていた。

破滅神の信者としてマリーは神殿預かりになっていたが、随分時間が経つのに反省の色が全く見えない為地下牢へ入れられていた。

「何しに来たの。悪役のくせして」

痩せてはいないが髪も肌もボロボロになったマリーが牢の中からアデリーンを睨み付けているが、アデリーンは全く気にしていない。

「あら随分な挨拶ね。折角助けて差し上げたのに」
「助けた?アンタがゲーム通りにしないから……」
「ゲーム?あぁあの破滅プログラムの事ね。当然でしょ、この世界が破滅してしまう筋書きになんで従わなければならないのかしら」
「この世界が破滅?何言ってんのよ」

マリーはアデリーンが嘘を言っているんだと思っている様だ。

「貴女をこの世界に送り込んだグリルラはソーレイヌ様が守るこの世界を破滅させようとしていて自分の世界で発動した破滅プログラムをこの世界に捩じ込んだの」
「意味分かんない」

理解できないのかマリーはアデリーンに食ってかかったが、アデリーンは静かにマリーを見つめた。

「もともと世界には暴走した時の為に神によって1つ破滅プログラムが組み込まれているの。グリルラは自分の世界が破滅した事が許せなくてソーレイヌ様の世界も破滅させようとして、失敗したのよ」

淡々と語るアデリーンの言葉に嘘だと思っているのにマリーが青くなっていく。

「だから私は物語を改竄したの。だってソーレイヌ様が守る世界を破滅なんてさせないし、ソーレイヌ様が完全否定していたんですもの」

マリーはグリルラに、自分はこの世界のヒロインで何をしても良いと言われていたのに……。

「嘘よ」
「嘘だと思いたいなら勝手になさい。グリルラにはもう、なんの力も無いから貴女を助けてなんてくれない」

グリルラはマリーにヒロインになれる、と言った。
でもそれは、自分を含めたこの世界を破滅させる為の甘く残酷な嘘だった。

マリーは立っていられなくなったのか、床にへたり込む様に座り、ガタガタと震えていた。


それからの彼女は廃人のように何に対しても反応を返さなくなり、地下牢の隅で壁だけを見る一生を送って、ひっそりとこの世を去った、と聞いた。
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