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ゲームセンター狂想曲~神隠しの謎を解け~
夢ってなんか変にリアリティのあるものもあれば、The非現実なものがあるよね~
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「そうなると、早速着替えなきゃ! ちょっと、ここで待っててくれる~? 適当に色々と見てたり、くつろいだりしてくれたら良いから~」
「分かりました。まだまだ時間もありますし、ゆっくりして貰って大丈夫ですよ」
「ありがとう~。じゃあちょっと着替えてくるね! あ、あと部屋色々と見たり、気になるなら手に取ったりしてくれたらいいからね~。思うがままに、自由に過ごしてね~ん」
そう言うと足早に二階へと上がって行った。
さて、と。一体何をして時間を潰そう。
とりあえずソファーでも座らせてもらって、何か考えるとしよう。
そう言えば、座った時に思ったけどこのソファーは結構柔らかく感じる。しかもただ柔らかいだけでない。
硬過ぎずに丁度いい柔らかさなのだ。
心地良さに眠たくなってしまう。
いつもは朝9時ぐらいに起きている。だから気持ち早起きだったのだ。
朝はぱっちりと目覚めることができたけど、やはり体は誤魔化せない。
正直に言うと自由に過ごしてねと言われたけど、流石に寝るのはどうかと思った。
でも眠気はどんどん悪化していく一方。
このままだとショッピング中に、あまりの眠たさで倒れ込んでしまうかもしれない。
それは周りの人やほのかさんに迷惑をかけてしまう。
色々と考えた結果、ソファーで寝ることにした。
こう考えている内に、どんどん眠たくなっていく。
足を伸ばして寝たいから、靴を脱いで大きなソファーの方で寝転ぶ。そしてそのまま目を閉じた。
『…………ってさ、陽太君のこと好きなの~?』
これは中学生の時の記憶か。まさか夢にまで出てくるなんて。
『え~。嘘ぉ、絶対好きでしょ』
『あ、もしかしたら陽太君の方が……とか、ありえるかも~』
私が何も喋らなくても、回想だから相手たちは一方的に喋る。
これが陽太を避けるようになってしまった原因。
中学校に進学してから、隣の町の子たちと学校が一緒になった。
もちろん、全員が全員あのように茶化して来る子、ばかりではなかった。
優しい子も居た。あの子達も全く優しくない、というわけではない。
何なら最初の印象はとても優しくて明るい子達、と。好印象だった。
あの子達と初めて関わったのは、入学式初日のこと。
まさかの同じクラスに陽太が居るわけもなくて、数少ない仲のいい友達も誰も居なくて、一人だった。
自分から声をかけたら良かったけど、そんな勇気はなかった。みんなが色んな人と仲良くなっていく中で、ぽつんと自分だけが一人で居た。
すぐに先生が来るはずなのに、全然来ない。早く来て欲しかった。
誰も自分に気付いていない。気付こうとすらしていない。みんな元からの友達や新しく出来た友達と談笑に夢中だった。
もう先生が来るまで、机に顔を伏せていよう。そうしようとした時だ。
「あなた今、一人なの?」
いつの間にか自分の目の前に二人の女子生徒が居た。
二人とも共通して言えることは、派手な見た目だった。
「もしかして小学校の仲良かった友達と、クラス離れちゃった感じ~?」
肩まで伸ばしているこげ茶髪の右手にピンク色のシュシュをつけた、比較的に身長が高めな女子生徒が声の主だった。
隣には少し明るめな茶髪のツインテールの女子生徒が居た。こちらは少し身長が低く見えた。
「ねぇねぇ、良かったらうちらと先生が来るまで話さないっ? 私、藏満紗良。あなたの名前は?」
これが私と彼女たちの出会い。まさか夢の中でここまで説明することになるとは。
もう少し隠していたかったのに。
いつの間にか、見覚えのある人が目の前に居た。陽太だった。
「あいつらとは仲良くするのに、俺のことは避けるんだな」
ここは夢の中。あくまで私が作り上げた陽太なのに、心に刺さる。
そう言うと陽太は背を向けて、去っていく。
「待って、陽太っ」
陽太の後を追い掛けるけど、一向に距離は縮まらない。こんなに走っているのに、何で。
「待って、陽太っ、お願いっ、せめて謝らせてっ、私がっ、悪かったからっ」
夢の中だから苦しくはない。でも心は苦しい。
例え自分の夢でも陽太にあんなことを言わせたのは、自分のせい。
涙で視界が滲んでいく。
視界をクリアにするために目を拭う。すると目の前に陽太の姿はなかった。
代わりに動物が自分のはるか前を走っていた。
遠くだからはっきりとは分からない。四本足で走っている。あれは犬だろうか。
いや、犬にしては姿が大きい気がする。もしかすると、あの動物は……。
「雪ちゃんっ!」
ほのかさんの声で目が覚めた。息が荒い。汗は全くかいてなかった。
私の顔を覗き込んでいる。
ほのかさんは髪型をツインテールに変えていた。
服装はまだ目がはっきりとしていないから、詳しく分からない。
「凄くうなされていたよ、大丈夫?」
「だっ大丈夫です……少し、悪夢を見てました」
詳しく夢の内容を言っても良かったけど、言いたくなかった。だから悪夢という言葉で誤魔化した。
「そっか~。とりあえず私は準備できたから、お出かけしよっか!」
「……あの、先に外で待っていてくれませんか。すぐに行きますので……」
少しだけ一人になって落ち着きたかった。
ほんの少しでいい。二、三分も経てば落ち着くはず。
「……そっか、分かった。じゃあ先に外で待ってるね~。ゆっくりしてて大丈夫よんっ」
ほのかさんは事務所を出て行った。
一人になった。もう一度、ソファーに転ぶ。
……にしてもあの夢は一体何だったのだろうか。
現実と空想が混ざり合った変な夢。
何故、今になってあの出来事が……。陽太が家にまだ帰って来てないから? 私が想像以上に心配してるから?
…色々と考えてみたけど、何も分からなかった。
それらしい、ピンとくるものが思いつかなかった。
しかも一つだけじゃない。夢に出て来た陽太のことも気になる。
それに、あの動物は……多分、狼だ。何故それに姿を変えたのか。
直接的な意味とはどう考えても思えない。
とすると一匹狼という意味合いが一番しっくりくる気がする。
ただ彼は生憎そんな存在ではない。一人で居る時もあったけど、友達は普通に居た。
となると一体何を意味していたのか。そもそも意味があったのか。
考えれば考える程に分からなくなる。
こういう時こそ、ショッピングだ。気分転換するのが良いだろう。
そうしたら何か別の考えが思いつくかもしれない。
「よしっ」
ソファーから立ち上がる。そして深呼吸をする。
ごちゃごちゃ考えても仕方が無い。
今からはショッピングを楽しむ、気持ちを切り替える為に。
そして私も事務所から出たのだった。
「分かりました。まだまだ時間もありますし、ゆっくりして貰って大丈夫ですよ」
「ありがとう~。じゃあちょっと着替えてくるね! あ、あと部屋色々と見たり、気になるなら手に取ったりしてくれたらいいからね~。思うがままに、自由に過ごしてね~ん」
そう言うと足早に二階へと上がって行った。
さて、と。一体何をして時間を潰そう。
とりあえずソファーでも座らせてもらって、何か考えるとしよう。
そう言えば、座った時に思ったけどこのソファーは結構柔らかく感じる。しかもただ柔らかいだけでない。
硬過ぎずに丁度いい柔らかさなのだ。
心地良さに眠たくなってしまう。
いつもは朝9時ぐらいに起きている。だから気持ち早起きだったのだ。
朝はぱっちりと目覚めることができたけど、やはり体は誤魔化せない。
正直に言うと自由に過ごしてねと言われたけど、流石に寝るのはどうかと思った。
でも眠気はどんどん悪化していく一方。
このままだとショッピング中に、あまりの眠たさで倒れ込んでしまうかもしれない。
それは周りの人やほのかさんに迷惑をかけてしまう。
色々と考えた結果、ソファーで寝ることにした。
こう考えている内に、どんどん眠たくなっていく。
足を伸ばして寝たいから、靴を脱いで大きなソファーの方で寝転ぶ。そしてそのまま目を閉じた。
『…………ってさ、陽太君のこと好きなの~?』
これは中学生の時の記憶か。まさか夢にまで出てくるなんて。
『え~。嘘ぉ、絶対好きでしょ』
『あ、もしかしたら陽太君の方が……とか、ありえるかも~』
私が何も喋らなくても、回想だから相手たちは一方的に喋る。
これが陽太を避けるようになってしまった原因。
中学校に進学してから、隣の町の子たちと学校が一緒になった。
もちろん、全員が全員あのように茶化して来る子、ばかりではなかった。
優しい子も居た。あの子達も全く優しくない、というわけではない。
何なら最初の印象はとても優しくて明るい子達、と。好印象だった。
あの子達と初めて関わったのは、入学式初日のこと。
まさかの同じクラスに陽太が居るわけもなくて、数少ない仲のいい友達も誰も居なくて、一人だった。
自分から声をかけたら良かったけど、そんな勇気はなかった。みんなが色んな人と仲良くなっていく中で、ぽつんと自分だけが一人で居た。
すぐに先生が来るはずなのに、全然来ない。早く来て欲しかった。
誰も自分に気付いていない。気付こうとすらしていない。みんな元からの友達や新しく出来た友達と談笑に夢中だった。
もう先生が来るまで、机に顔を伏せていよう。そうしようとした時だ。
「あなた今、一人なの?」
いつの間にか自分の目の前に二人の女子生徒が居た。
二人とも共通して言えることは、派手な見た目だった。
「もしかして小学校の仲良かった友達と、クラス離れちゃった感じ~?」
肩まで伸ばしているこげ茶髪の右手にピンク色のシュシュをつけた、比較的に身長が高めな女子生徒が声の主だった。
隣には少し明るめな茶髪のツインテールの女子生徒が居た。こちらは少し身長が低く見えた。
「ねぇねぇ、良かったらうちらと先生が来るまで話さないっ? 私、藏満紗良。あなたの名前は?」
これが私と彼女たちの出会い。まさか夢の中でここまで説明することになるとは。
もう少し隠していたかったのに。
いつの間にか、見覚えのある人が目の前に居た。陽太だった。
「あいつらとは仲良くするのに、俺のことは避けるんだな」
ここは夢の中。あくまで私が作り上げた陽太なのに、心に刺さる。
そう言うと陽太は背を向けて、去っていく。
「待って、陽太っ」
陽太の後を追い掛けるけど、一向に距離は縮まらない。こんなに走っているのに、何で。
「待って、陽太っ、お願いっ、せめて謝らせてっ、私がっ、悪かったからっ」
夢の中だから苦しくはない。でも心は苦しい。
例え自分の夢でも陽太にあんなことを言わせたのは、自分のせい。
涙で視界が滲んでいく。
視界をクリアにするために目を拭う。すると目の前に陽太の姿はなかった。
代わりに動物が自分のはるか前を走っていた。
遠くだからはっきりとは分からない。四本足で走っている。あれは犬だろうか。
いや、犬にしては姿が大きい気がする。もしかすると、あの動物は……。
「雪ちゃんっ!」
ほのかさんの声で目が覚めた。息が荒い。汗は全くかいてなかった。
私の顔を覗き込んでいる。
ほのかさんは髪型をツインテールに変えていた。
服装はまだ目がはっきりとしていないから、詳しく分からない。
「凄くうなされていたよ、大丈夫?」
「だっ大丈夫です……少し、悪夢を見てました」
詳しく夢の内容を言っても良かったけど、言いたくなかった。だから悪夢という言葉で誤魔化した。
「そっか~。とりあえず私は準備できたから、お出かけしよっか!」
「……あの、先に外で待っていてくれませんか。すぐに行きますので……」
少しだけ一人になって落ち着きたかった。
ほんの少しでいい。二、三分も経てば落ち着くはず。
「……そっか、分かった。じゃあ先に外で待ってるね~。ゆっくりしてて大丈夫よんっ」
ほのかさんは事務所を出て行った。
一人になった。もう一度、ソファーに転ぶ。
……にしてもあの夢は一体何だったのだろうか。
現実と空想が混ざり合った変な夢。
何故、今になってあの出来事が……。陽太が家にまだ帰って来てないから? 私が想像以上に心配してるから?
…色々と考えてみたけど、何も分からなかった。
それらしい、ピンとくるものが思いつかなかった。
しかも一つだけじゃない。夢に出て来た陽太のことも気になる。
それに、あの動物は……多分、狼だ。何故それに姿を変えたのか。
直接的な意味とはどう考えても思えない。
とすると一匹狼という意味合いが一番しっくりくる気がする。
ただ彼は生憎そんな存在ではない。一人で居る時もあったけど、友達は普通に居た。
となると一体何を意味していたのか。そもそも意味があったのか。
考えれば考える程に分からなくなる。
こういう時こそ、ショッピングだ。気分転換するのが良いだろう。
そうしたら何か別の考えが思いつくかもしれない。
「よしっ」
ソファーから立ち上がる。そして深呼吸をする。
ごちゃごちゃ考えても仕方が無い。
今からはショッピングを楽しむ、気持ちを切り替える為に。
そして私も事務所から出たのだった。
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