殺し屋が異世界転移してもやっぱり職業は変わらないみたいです

クレハ

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二章

23.一週間の準備期間

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一週間何しようかなー

何もする事がない

取り敢えずいつものパン屋に行ってパンでも買うか






カランコロン

「いらっしゃいませ!」

「これとこれとこれとこれ、4つください」

「いつもありがとうございます!このパンおまけしておきますね!」

そう言って渡されたのは幻のホイップパンだった

「いいんですか?」

「はい!常連さんですから!」

それなら有り難く頂戴するか。

「ありがとう、遠慮なくいただきます。」

そう言って出来立てのパン達を外に出て目立たない所でインベントリに入れると行きつけの屋台によって肉を食べたり果実水を飲んだりして楽しんだ。

一週間後...

レビアの助手というか補助というか、俺に出来るだろうか?

俺には殺しくらいしか才能ないし

レビアはなんだかんだで器用そうだからな

しかも公爵...

あ!そうだ!

この国でのユリアシス公爵家がどの位有名なのか久々にアロール王国図書館で調べてみるか!









「身分証の提示をお願いします」

「はい」

「確認いたしました、ありがとうございます。」

さてと!貴族の歴史についてはこっちの棚かな?

よし、あった

えーとなになに?

ふむ

ほー

この歴史あるユリアシス公爵家に王族からユリアシス公爵家に嫁ぎに来たりしてるから結構政治的にも強い発言権を持っているのか

レビア...

このユリアシス公爵家でどんな風に過ごして育ったのだろう

あの日の夜はその辺詳しく話してはいなかったからな

言いたくない過去なんだろうか

まあ、誰にでも言いたくない事の一つや二つあるからな。俺にだってある。

とにかく簡単にまとめるとユリアシス公爵家、凄い。

いやー、貴族とか本当面倒だねー

ほら、ファンタジー小説とか漫画とかでならそう言う貴族のしがらみとかワクワクして読めるけど、実際そのしがらみとやらで大変そうにしている人を見るとねぇ...

そう言えば神子の召喚とか何とか言ってたな

神子についても調べてみるか







俺は本をパタンと閉じた

え、神子って異世界から召喚するの?

マジで?

え、俺元の世界に戻れる可能性あるのかな?

もっと詳しく知りたい!

と思って他の本を読みあさってみたら

どの本を読んでも神子が元の世界に戻ったなんて記述どこにもない。

この異世界召喚って一方通行の可能性が高いな

元の世界に帰れるなんて余り期待は出来ないな...

なぁーんだ、やっぱり無理かー

あ゛ー、俺とタメで組織に入ったカニバリズム野郎は今頃何してんだろー。

俺が突然消えて少しは心配してくれてるだろうか?

いや、多分心配どころの騒ぎじゃないかもしれないなぁー。

あれで結構それなりに仲が良かったのだ。

同時期に組織に入った他の仲間はもう任務で失敗して死んだり、人を殺す事に疲れて自ら命を絶ったり...

メンタル管理ができない奴から潰れていったからなぁ

任務がない日で日にちがあえば俺とカニバリズム野郎で映画見たり俺の家でご飯食べたり洋服買いに行ったり...因みにカニバリズム野郎は服のセンスがものすごく良くていつもオシャレしてた。

俺の服のセンスは壊滅的なため、全身真っ黒。

たまにカニバリズム野郎がコーディネートしてくれてその服着て出掛けたりした。

あいつ顔もいいから隣歩いてると注目の的だったなー

特に目が綺麗だった。

青紫の綺麗な目だ。髪は染めてるが淡い水色の髪をして少し長めの髪を後ろでひとつ結びしてた。そして俺が誕生日プレゼントであげた黒くて揺れるピアスをとても気に入ってくれていつもずっとつけてくれていた。

懐かしいなー

まあ今更懐かしんでももう意味ないんだけどね

...はあ、ここで悩んでてもしょうがないか

この世界に来て出会った人たちを大事にして生きていこう。

前の世界に未練は多少あるが...いや、相当あるな。

こう見えて俺は結構友情を大切にする男なのだ。

あいつの事は気掛かりだがちゃんと食事してることを願っておけばいいか

そう思いながら俺はアロール王国図書館を後にする。








図書館に行ったあの日から俺は何だか元気が出なかったのでボーッと日々家の中で過ごしていた

依頼受けるのも考えたがレビアが控えるようにと言っていたのでやめる事にした。

かれこれ3日くらい家に引きこもっている

アロール王国図書館で異世界召喚のことを調べ、なおかつ友達のカニバリズム野郎の事を思い出してから軽いホームシックに陥っていた。

こんな感じでレビアの助手を務める事が果たして出来るのだろうか?

ポタリ

あれ?俺何で泣いてるんだ?

一度流れた涙は止まる事なく流れ出す

唯一本名を教え合った友達のことを思い出しながらポツリと呟いた

「寂しい」

そうしてとうとう俺は一週間部屋にこもって過ごしたのだった。









「トントーンッ、俺だよー!レビアだよー!あーけーてー!」

レビアの元気な声で目が覚める

俺はクリーンの魔法を自分にかけて扉を開けに行く

ガチャリ

「...入れ」

「はーい」

「紅茶飲むか?」

「うんー、おねがーい、...この一週間ずっと部屋にいたのー?」

「...ああ、なぜ知ってるんだ?」

「だって俺闇ギルドのトップよー?知ってるに決まってるにゃー!」

「ああ、そうだったな」

「そしてー、デリーからの定期報告でリョカにも伝えないといけない事があるにゃー」

「それは俺が聞いてもいいのか?」

「もちのろーん!あのね、少し前に大規模召喚があるって言ったでしょー?この一週間の内に神子が召喚されたみたい、それでー、ここからは機密情報なんだけどー、何とその召喚でもう一人召喚されたみたいなんだけどー、何とそのもう一人はその場にいた魔術師達を殺して姿をくらませたみたいなんだよねー」

やれやれー、と言ってレビアは紅茶を飲む

「デリー達もまだ見つけきれてないみたいでさー、間違いなくそいつはこの貧民街に流れてくると思うんだー、だからリョカも気をつけるんだよー?」

「...分かった」

神子召喚に巻き込まれたのかな、情報が少なすぎて分からない

「そしてなーんーとー、厄介な事にその召喚された神子が今日からアロール学園に入学するみたいなんだよねー、だから勿論俺とリョカがやる授業にも出るみたいでねー、流石に神子に怪我負わせたらリョカが面倒な事になるから手加減してあげてー」

「分かった、覚えておく」

「それじゃあ行きますかー」

「ああ」

そう言って俺とレビアはアロール学園に向かった。



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