俺に王太子の側近なんて無理です!

クレハ

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初等部編

25.その後

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さて、どうしたものか...

メイルが布団にくるまって出てこなくなったぞ。

どうせまた自分のせいで~

とか自己嫌悪に陥っているのだろう。

「おい、イズリル。コイツ鬱陶しいぞ早くどうにかしろ」

うわ、自分の側近候補があんな目にあって結構ショッキングな出来事経験した後にその言いぐさはないだろ。

「もー、オブシディアンは黙っててよねー」

チラリとメイルの方を見ると震えているのが分かる。

取り敢えず寝台に座ってみる

ギシッ

「殿下。」

ベッドの上に居るメイルにそっと触れる。

出来るだけ優しい声を意識しながら話しかける。

「殿下ー、さっきはしっかりして下さいって言ったけど、別に今だけはしっかりしなくても良いですよー。」

...返事なしか。

「怖かったですよね、自分が無力で情けなかったですよね、でも大丈夫。みんな生きてますから。俺が皆んなを助けましたから。」

「...か.......た。」

俺はメイルの小さくて震える声によく耳を傾けた。

「全部俺のせいだ...、俺が第一王子だからキリエたちがあんな事に...俺に命をかけて戦ったからあんな事に...イズまで巻き込んだ」

なんだか言いたいことは大体よく分かった。

ふむ、これはアレだな、甘いものが必要だ。

俺にこんなにシリアスで繊細で難しい話は無理だと悟った。

俺は空間拡張魔法インベントリからプリンを二人分出しテーブルに置く。

そしてガバリとメイルが頭から被っている毛布をはがすと綺麗な涙に濡れた翡翠色の瞳と目が合った。

「ほら、こういう時はさー、甘いもの食べないと!」

「な、何を...むぐっ!」

メイルが話し出す前にプリンをスプーンに取って口に突っ込む。

しばらくもぐもぐしたメイルは涙を流しながら

「お、いしっ...」

と、言った。

「おいしいよぉ、イズッ、うゔぅーっ」

俺はメイルの頭をよしよししながら自分の分のプリンを食べた。

「泣き虫だなぁ、殿下は。」







メイルsid

頭が働かない、思考が停止していてずっと先程の出来事がループしている。



その日の夜はいつもとは違い、キリエ達が俺の部屋に来ていた。





「メイル殿下、夜分に申し訳ございません。だけどロニーの占いで今夜は危険という結果が出たもので...私達で護衛をと思いました。思い過ごしなら良いのですが、ロニーの占いはかなりの高確率で当たるので。」

そういえばそうだったな、ロニーはなぜか昔から占いが得意で良く小さい頃も占ってもらっていたな。

そのロニーが言うのだ、余程なのだろう。

「僕...得意な魔法も能力も伸ばす...決めたから。最近の占いは...百発百中...嫌な予感する。」


「俺はロニーの意見を尊重するよ。みんなが居れば心強い、ありがとう」

そう言って俺は頬を緩める。

俺も気を引き締めなければ...

そう思っているとふとアロナが口を開いた。

「なんだか、今日はやけに城の中が静かですね?少し様子を見てきます。」

そう言ってガチャリと部屋の扉を開けると

「なっ!衛兵が死んでっ...何者だ貴様!」

「ガキはすっこんでろ」

「ゔっ...がはっ!!」

「「「アロナッ!!!」」」

アロナがナイフで刺された

赤い血が絨毯に染み込んでドス黒く色を変えてゆく。

「チッ、ロニーはメイル殿下を連れて逃げろ!俺が相手をする!この実力差だ、そう長くはもたねー!」

ギィィィンッ!

「アンチマジックエリア発動」

ヴンッと部屋を透明な何かが覆った

「っ!アンチマジックエリア!?...殿下っ、ロニー!」

「よそ見か坊ちゃん」

「しまっ!」

数秒、たったの数秒俺とロニーに気を取られた瞬間にキリエが致命傷を負い、その場に倒れた。

「でん...か、ロニーッ、にげ...」

そこでキリエの意識が無くなった。

「後はそこの使い物にならない魔術師と殿下を殺すだけ、なんで簡単なお仕事なのだろうか!」

暗殺者はゆっくりと歩きながらこちらに近づいてくる。

「...メイル殿下僕が倒れたら、すぐにイズ、呼ぶ。」

「お、俺のことはいい!逃げてくれロニー!だって君は、魔術師で、今ここはアンチマジックエリアでっ!魔法が使えないじゃないか!」

やめてくれっ、もう、俺から何も奪わないでくれっ、神様!

「お別れの挨拶は済んだか?じゃあ、死ね。」

ザシュッ!

ロニーが俺を背に庇い、暗殺者に斬られる。

鮮血が飛び散り、全てがスローモーションに見えた

ああ、そうだった、俺、不吉の象徴だったっけ、だから俺の周りの人間は不幸になってそして最後にはみんないなくなって一人ぼっちになるのか

「メイル第一王子、直ぐに皆んなの元に送ってあげますからね」

ナイフがゆっくりと自分に向かって襲いかかってくる。

ああ、死ぬんだなと思っていると急に胸元のペンダントが赤く光出した。

キイィィンッ!

ガキンッ!

「なっ!俺のナイフが折れた!?この感じ、魔道具かっ!」

魔道具...イズリルッ!

俺はピアスに触れ、イズリルを呼ぶ

「イズっ!助けてっ!!」

すると俺のヒーローが現れた。





それからは事が進むのが速かった。

俺の意識が混濁している間には全てが終わっていて、俺は知らない間に別室にいた。



「おい、イズリル。コイツ鬱陶しいぞ早くどうにかしろ」

「もー、オブシディアンは黙っててよねー。」

ハーバーにイズ...

ギシッ

「殿下。」

ベッドの上に居る俺ににそっと触れるイズ。

いつもより優しい声、前にもこんな風に話した事がある様な気がする。

「殿下ー、さっきはしっかりして下さいって言ったけど、別に今だけはしっかりしなくても良いですよー。」

...どう言う意味なのだろうか

「怖かったですよね、自分が無力で情けなかったですよね、でも大丈夫。みんな生きてますから。俺が皆んなを助けましたから。」

「...か.......た。」

俺の声にならない声を必死につむぐ。

「全部俺のせいだ...、俺が第一王子だからキリエたちがあんな事に...俺に命をかけて戦ったからあんな事に...イズまで巻き込んだ」

少し沈黙が続く。

やはりイズも離れていくだろうな。

それが当然の反応だ。

するとイズがいきなりガバリと俺が頭から被っていた毛布をはがすとルビーの様な綺麗な瞳と目が合った。

「ほら、こういう時はさー、甘いもの食べないと!」

「な、何を...むぐっ!」

俺が話し出す前にスプーンを手に取り口に何かを突っ込む。

しばらく口を動かした俺は涙を流しながら

「お、いしっ...」

と、言った。

「おいしいよぉ、イズッ、うゔぅーっ」

イズは俺の頭をよしよししする。

「泣き虫だなぁ、殿下は。」

何故、どうして?こんなにも懐かしいのは、心が痛むのはどうしてなのだろう。

イズとは少し前に初めて会っただけなのに

こんなにも安心してしまうのは何故だろう

そんなことを考えながら俺は意識を手放した。

沈む意識の中でイズからゆっくりお休みと言われた気がした。

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