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二章
セド、強化週間⑨(ダリネ・クレバーside)
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ダリネ・クレバー(第二騎士団団長殿)side
コンコン
「入れ」
「失礼致します」
ガチャ
「どうした」
「それが、魔術師団師団長のロンドリーゼ師団長が急ぎクレバー団長を呼んでくるようにと...」
はぁ、と内心ため息をつく
「分かった、ご苦労。持ち場に戻ってくれ」
「はっ!失礼しました!」
部下が出て行った後私は執務室をあとにてロンドリーゼの所へ向かう。
一体こんな時間に何の用事なんだ
まあまだ夜中じゃないだけマシだが
しかもロンドリーゼからの呼び出しか、面倒ごとでなければいいのだが...
そう言えば今レオンの師匠をしていると聞いたな
セドも私の修行を終えて現在第三騎士団のアノレ・テイラーの所で魔物との戦い方を実践を交えて修行していると聞く。
私が紹介しておいて何だが我ながらいい人材を紹介できたと思う。
......まさかまたイサギ関連じゃないよな?
イサギとは奴隷商の事件で知り合った。
あの時イサギに王族なのかどうかの確認をしたのだが、王族ではないと言ったイサギ。
だがそれは嘘だ。
私には嘘かそうじゃないか見分けるスキルがある。
あの時嘘だと分かっててあえて追求しなかったのはあの黒髪の濃さ故だ。
黒髪は濃ければ濃いほど王位継承権が上の立場になる
だが、世界中探してもあそこまで濃い黒髪の王族は見た事がない。
なのであれ以上追求するのは失礼にあたると判断してあえて追求しなかった。
どうやら正体を隠しているようなのでせめて何かあれば頼ってくれるようにと言う言葉しかかけられなかったのだ。
まさかセドの剣術指導を頼まれるとは思わなかったがな。
イサギの頼みでなければ流石に一般人の剣術の面倒見るなど流石に私自らしたりはしないが、実際にセドに会ってこんなに純粋な目をした青年の稽古ならつけてやってもいいと思ったのも事実だ。
イサギはどの国の王族なのだろう...
そんな事を考えているとロンドリーゼの所に着いた。
コンコン
「入るぞ」
「あぁ、早く入れ」
ガチャ
「遅かったじゃないか」
「いや、普通だと思う」
「たった今愛弟子のレオンに渡した通信魔道具にレオンの保護者から連絡があってな、クレバー、ちょっと行ってこい。」
「ちょっと行ってこいって...何があったんだ?」
「奴隷関係だ。帰り道に10人に襲われたらしい。忌々しい奴隷商達め、レオンを狙うとは...まああの容姿ならば狙われても仕方がないが...よりによってアタシの弟子に手を出すとは!保護者のイサギがいてくれてよかったぞ」
「イサギ...またか。分かった、私と一緒にロンドリーゼも来てくれ」
「クレバーを転移させるだけでも良かろう?」
「イサギの事だ、1人はちゃんと生かしているだろう、運ぶのが面倒だ。」
「全く、アタシは馬車じゃないんだぞ?まあレオンのためならいいか。」
そう言うとロンドリーゼが私の腕に触れ一瞬で目の前の景色が変わった。
「わっ!ビックリした、第二騎士団団長殿じゃないか、それと...?もしかしてレオンの師匠のアリア師匠かな?」
「久しぶりだな、イサギ。」
珍しくイサギがビックリしているのでなんだか新鮮だ。
「久しぶり、第二騎士団団長殿。それと初めまして、レオンの師匠のアリア師匠」
「初めましてだな、アタシはアリア・ロンドリーゼだ。気軽にアリアと呼んでくれ」
「分かった、アリア。よろしく頼むよ、ワシの事はイサギと呼んでくれ」
「分かった。所で例の奴隷商からの差し金とか言う奴らってそこにこずんである奴らのこと?」
「そ、そっちが死体の山でこのロープでグルグルにしてある奴はリーダー格のやつ。好きに尋問しちゃっていいから」
チラリと私がその死体を見るとイサギにしては綺麗な死体ばかりだった。
「綺麗な死体ばかりだなーとか思ってる?」
ギクリとしたのを感じたのかイサギは笑った
「そりゃー、ワシもいつもあんな殺し方をしているわけではないよ。」
「...そうか。」
「それより、後のことは2人に任せてもいいかい?ワシはレオンと宿に帰ってさっさと寝たいんだ。」
「ああ、あとはこちらに任せてくれ。」
「うん、じゃあよろしく。アリアも夜にすまないね、今度2人にお礼をするよ。じゃあね」
「...ア、リア師匠...また...ね。」
「うむ、レオンもイサギもまたな」
そう言ってこの場を去っていく2人を見てから改めて現場を見てみる。
本当にイサギにしては綺麗な殺し方だ。
こんな殺し方もできるのだな
「さて、コイツらを早く持って帰るぞ、クレバー!」
「ああ、そうだな」
そう言ってロンドリーゼが瞬間移動を使い、尋問する為にリーダー格の男を隔離部屋に連れて行き、じゃあコイツ尋問してくるわ!と言って籠ってしまった。
あとはこの死体の山を私が片付けるだけか。
私は便利屋ではないのだが...
まあいい、奴隷商どもは滅びるべきだと私も思うからな、こう言う奴らがのさばっているから...
はぁ、ここで怒っても仕方がないか。
そう思いながらこの死体の山をせっせと片付けるのであった。
コンコン
「入れ」
「失礼致します」
ガチャ
「どうした」
「それが、魔術師団師団長のロンドリーゼ師団長が急ぎクレバー団長を呼んでくるようにと...」
はぁ、と内心ため息をつく
「分かった、ご苦労。持ち場に戻ってくれ」
「はっ!失礼しました!」
部下が出て行った後私は執務室をあとにてロンドリーゼの所へ向かう。
一体こんな時間に何の用事なんだ
まあまだ夜中じゃないだけマシだが
しかもロンドリーゼからの呼び出しか、面倒ごとでなければいいのだが...
そう言えば今レオンの師匠をしていると聞いたな
セドも私の修行を終えて現在第三騎士団のアノレ・テイラーの所で魔物との戦い方を実践を交えて修行していると聞く。
私が紹介しておいて何だが我ながらいい人材を紹介できたと思う。
......まさかまたイサギ関連じゃないよな?
イサギとは奴隷商の事件で知り合った。
あの時イサギに王族なのかどうかの確認をしたのだが、王族ではないと言ったイサギ。
だがそれは嘘だ。
私には嘘かそうじゃないか見分けるスキルがある。
あの時嘘だと分かっててあえて追求しなかったのはあの黒髪の濃さ故だ。
黒髪は濃ければ濃いほど王位継承権が上の立場になる
だが、世界中探してもあそこまで濃い黒髪の王族は見た事がない。
なのであれ以上追求するのは失礼にあたると判断してあえて追求しなかった。
どうやら正体を隠しているようなのでせめて何かあれば頼ってくれるようにと言う言葉しかかけられなかったのだ。
まさかセドの剣術指導を頼まれるとは思わなかったがな。
イサギの頼みでなければ流石に一般人の剣術の面倒見るなど流石に私自らしたりはしないが、実際にセドに会ってこんなに純粋な目をした青年の稽古ならつけてやってもいいと思ったのも事実だ。
イサギはどの国の王族なのだろう...
そんな事を考えているとロンドリーゼの所に着いた。
コンコン
「入るぞ」
「あぁ、早く入れ」
ガチャ
「遅かったじゃないか」
「いや、普通だと思う」
「たった今愛弟子のレオンに渡した通信魔道具にレオンの保護者から連絡があってな、クレバー、ちょっと行ってこい。」
「ちょっと行ってこいって...何があったんだ?」
「奴隷関係だ。帰り道に10人に襲われたらしい。忌々しい奴隷商達め、レオンを狙うとは...まああの容姿ならば狙われても仕方がないが...よりによってアタシの弟子に手を出すとは!保護者のイサギがいてくれてよかったぞ」
「イサギ...またか。分かった、私と一緒にロンドリーゼも来てくれ」
「クレバーを転移させるだけでも良かろう?」
「イサギの事だ、1人はちゃんと生かしているだろう、運ぶのが面倒だ。」
「全く、アタシは馬車じゃないんだぞ?まあレオンのためならいいか。」
そう言うとロンドリーゼが私の腕に触れ一瞬で目の前の景色が変わった。
「わっ!ビックリした、第二騎士団団長殿じゃないか、それと...?もしかしてレオンの師匠のアリア師匠かな?」
「久しぶりだな、イサギ。」
珍しくイサギがビックリしているのでなんだか新鮮だ。
「久しぶり、第二騎士団団長殿。それと初めまして、レオンの師匠のアリア師匠」
「初めましてだな、アタシはアリア・ロンドリーゼだ。気軽にアリアと呼んでくれ」
「分かった、アリア。よろしく頼むよ、ワシの事はイサギと呼んでくれ」
「分かった。所で例の奴隷商からの差し金とか言う奴らってそこにこずんである奴らのこと?」
「そ、そっちが死体の山でこのロープでグルグルにしてある奴はリーダー格のやつ。好きに尋問しちゃっていいから」
チラリと私がその死体を見るとイサギにしては綺麗な死体ばかりだった。
「綺麗な死体ばかりだなーとか思ってる?」
ギクリとしたのを感じたのかイサギは笑った
「そりゃー、ワシもいつもあんな殺し方をしているわけではないよ。」
「...そうか。」
「それより、後のことは2人に任せてもいいかい?ワシはレオンと宿に帰ってさっさと寝たいんだ。」
「ああ、あとはこちらに任せてくれ。」
「うん、じゃあよろしく。アリアも夜にすまないね、今度2人にお礼をするよ。じゃあね」
「...ア、リア師匠...また...ね。」
「うむ、レオンもイサギもまたな」
そう言ってこの場を去っていく2人を見てから改めて現場を見てみる。
本当にイサギにしては綺麗な殺し方だ。
こんな殺し方もできるのだな
「さて、コイツらを早く持って帰るぞ、クレバー!」
「ああ、そうだな」
そう言ってロンドリーゼが瞬間移動を使い、尋問する為にリーダー格の男を隔離部屋に連れて行き、じゃあコイツ尋問してくるわ!と言って籠ってしまった。
あとはこの死体の山を私が片付けるだけか。
私は便利屋ではないのだが...
まあいい、奴隷商どもは滅びるべきだと私も思うからな、こう言う奴らがのさばっているから...
はぁ、ここで怒っても仕方がないか。
そう思いながらこの死体の山をせっせと片付けるのであった。
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