グリーン・インパクト

未来が見えない

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第五話 情報共有

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 ソウは、ラルクの話を聞いて身震いし、悲しい顔を浮かばせた。ゲンとソウは村から離れた場所に住んではいるが、元を辿るとルーツは同じで、たまに遊びに行っていたのだ。そのため、食料調達をする狩人を尊敬しているソウは、ヤンとラルクをおじさんと慕っていたのだ。しかしながら、ヤンとラルクは2人とも老け顔なだけでおじさんではなくまだ二十歳にもなっていない青年である。

「ラルクおじさん、それで具合はどう?」

「ソウ、あのな、言っとくけどな、俺はおじさんじゃねぇから!」

「えー、そうなの?おじさんにしか見えねえけど。」

 ソウの一言は、ラルクに違う意味で大ダメージを与えた。その場に消沈するラルクはもう、間抜けの殻だ。

「その辺にしとけよ、ソウ。コイツは強いんだ、お前も見習えよ。」

「ゲンさん、アンタそれ、何にもフォローしてないから。はー、まあ、少しは喋って気は紛れたよ、ありがとうな。とりあえず、あの怪物がどういう動きをするか、分からない点が多い。幸い奴と出会った距離もここからだと離れてるし、村からも距離はある。それに俺を追わなかった点も気になるし、一旦、ヤンの墓、仲間の墓を立てて弔いたい。」

「そうだな、ラルク、一つ聞きたいことがあるんだが、その怪物てのは人型だったか?人の言葉は喋ったのか?」

「ゲンさん、いいや知性はあるものの、ヤツは人語は話さない。そして人型かと言われたら、そうとも言えるし違うとも言える。」

「なんだ、そりゃ、、どういうことだよ。」
「ヤツは4足歩行の生き物と、2足歩行の生き物を足したような姿だ。そして、各部位が複合的な形態をとっていた。あと、あいつは俺たちのことをおもちゃかなんかと思っているように思えた。思い出すだけでむかつくがころすことで愉悦感に浸っていたように思えた。」

 ラルクはまがいなりにも狩人であり、ヤンが居なくなった今、彼は変わろうとしていた。いつもは説明をヤンに任せっきりだったラルクは、理解して説明することが狩人にとって大切なことなんだと認識した。現地で起きた事象への理解、認識と解説の齟齬が無いように伝える。これにより狩人の情報共有は、前線で有利になり、狩る対象の難易度を下げる他、こちらの狩る効率化、引いては生存率を大幅に上げるのだ。しかしながら、あくまで情報であり、こちらの予想を超えてくる場合もある。それが今回の件だった。しかしながら、生存率を上げるという点では、情報共有は欠かせない武器であり今後の対策になる。ラルクは全体像を把握しヤンがいままで指揮を取ったりすることの意味がどれだけ凄いか痛感した。

「なるほどな・・・つまり子供くらいの精神年齢ということか。タチが悪いな、知性があって殺すことが楽しみであり、道徳性が無い獣、そして気になるのは身体が俺らのように形態変化したものかそれとも、自然発生したものかどうかだ。まあ、全身の各部位を形態変化させるなんざ俺でも無理だな。どこのどいつか、怪物かなんか分からんが俺らと同じ構造に近いのかもしれないな。」

「親父、それってもし、俺らと同じ頭の中に共鳴している何かがそいつにもあるってことなの?でも、それだとこの地域にいる一族じゃないのに何で?」

「そうだな、ソウ、まず、俺らのルーツはある一人の少女から来たとされる。その少女の子孫に当たるのが俺らということになる。我々、は、彼女の事を神と讃え祀ってきた。だけど、少女の他にいるとしたらどう考える、ソウ?」

「なるほどね、少女以外にいたとすると、その子孫にも何かしら受け継がられてもおかしくは無いと、そういう事だよな?」

「ああ、まあ、仮説だからその怪物の正体までは分からねえ。あと、そいつは狩猟しないと今後の俺らに命の危機があるし、殺された仲間達の無念を晴らすことはできない、話し合おうなんざもっての外って訳だ。」

「ゲンさんの言う通りだ、奴とは話す事なんざ無理だし、話す前に殺そうとしてくるから意味がない。そういうことだから、村までゲンさんとソウ着いてきてくれ。村長にも今後のことを話していかないと、悪いけど頼む。」

「言われなくてもそうするよ!な、親父!」
「ああ、当たり前だ、世話になっていたからな。」

 ゲン、ソウ親子はグッドサインをだした。

「あんたら、サイコーだ。グスッ」
「おいおい、泣くこたぁないだろうよ。まあ、辛えよな。失うのは・・・」

 ――そうして、彼らは村へ。
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