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カグラの戯れ
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『めっ……メイドのシリアと申します。よ…よろしくお願いいたします、カグラ王子。』
ロベリアの元に通い始めて間もない頃。
今時の女は何故にどいつもこいつも髪を伸ばしたがるのか?
そんな俺の女への偏見のようなモノを見事にくつがえすようにスッキリと短く纏められているそのメイドの髪。
ドキッとしてしまう程に控えめで…それでもあどけないその笑顔。
『あぁ、よろしく。シリア……』
間違いなく俺は、「ヒトを外見で判する類の人種」だと思い知らされた瞬間であった。
自分に仕えるメイドを俺に紹介したシリアの主であるロベリアは釘を刺す。
『シリアの方が可愛いからって浮気はいけませんよ?カグラ王子。』
まだ、ロベリアの事を良く知らない所為であろう。
こんなにもシリアに心臓が高鳴るのは。
ーもっと良くロベリアの事を理解していかなければー
俺は極力暇を見つけてはロベリアの城に入り浸り、ロベリアの素晴らしき箇所を見つけて惹かれる努力をした。
とある風の心地よい昼下がりであった。
ロベリアはベッドに、俺は椅子に腰掛けていた。
『ちょっと失礼します、カグラ王子。』
共に茶を飲んでいたロベリアが不意に席を外した。
『あぁ、気にするな。』
俺はシリアとロベリアの部屋に二人になった。
『お茶のお代わりは如何でございますか?カグラ王子。』
そう言い、微笑みながら近づいて来るシリアの手を力強く引いた。
『きゃ…………』
シリアの手にするティーポットが音を立てて床に転がった。
俺の膝の上に乗る体勢となったシリアは慌てて立ち上がりかけるが、行かせない。
手に力を込めてシリアを己に引き付けた。
『こっ……こんな御無礼……ッ!
わ、わたしっ!床のお茶を拭かないと………』
もちろんさせるハズはない。シリアを思い切り自分に引き寄せてこの腕に抱きしめた。
『か……カグラ王子…………
おっ、お離し下さいませ!
間もなくロベリア様もお戻りですッ………!』
シリアの髪からは仄かな洗髪液の匂いがした。
細く繊細な髪、栗色の………
シリアの衣服に手をかけようとしたその時、、、
コツコツコツ………
ガチャ!
『お待たせしてしまって申し訳ございません、カグラ王子。』
『いや、大丈夫だ。』
平静を装って茶をひと口口に入れる俺。
シリアは少し狼狽した様子で床に零れた茶を布で拭き取る。
ロベリアは転がったポットを見てシリアに、
『あら、シリア…
お茶を零したのね?ちゃんと片付けなさいよ?』
『は、はい……申し訳ございません!』
ロベリアはその様子に大して気にも留めた様子は無かった。
タダの戯れのつもりだったのに…
可笑しいだろう?
俺はロベリアよりもメイドを気にかけるようになってしまっていた。
ロベリアの元に通い始めて間もない頃。
今時の女は何故にどいつもこいつも髪を伸ばしたがるのか?
そんな俺の女への偏見のようなモノを見事にくつがえすようにスッキリと短く纏められているそのメイドの髪。
ドキッとしてしまう程に控えめで…それでもあどけないその笑顔。
『あぁ、よろしく。シリア……』
間違いなく俺は、「ヒトを外見で判する類の人種」だと思い知らされた瞬間であった。
自分に仕えるメイドを俺に紹介したシリアの主であるロベリアは釘を刺す。
『シリアの方が可愛いからって浮気はいけませんよ?カグラ王子。』
まだ、ロベリアの事を良く知らない所為であろう。
こんなにもシリアに心臓が高鳴るのは。
ーもっと良くロベリアの事を理解していかなければー
俺は極力暇を見つけてはロベリアの城に入り浸り、ロベリアの素晴らしき箇所を見つけて惹かれる努力をした。
とある風の心地よい昼下がりであった。
ロベリアはベッドに、俺は椅子に腰掛けていた。
『ちょっと失礼します、カグラ王子。』
共に茶を飲んでいたロベリアが不意に席を外した。
『あぁ、気にするな。』
俺はシリアとロベリアの部屋に二人になった。
『お茶のお代わりは如何でございますか?カグラ王子。』
そう言い、微笑みながら近づいて来るシリアの手を力強く引いた。
『きゃ…………』
シリアの手にするティーポットが音を立てて床に転がった。
俺の膝の上に乗る体勢となったシリアは慌てて立ち上がりかけるが、行かせない。
手に力を込めてシリアを己に引き付けた。
『こっ……こんな御無礼……ッ!
わ、わたしっ!床のお茶を拭かないと………』
もちろんさせるハズはない。シリアを思い切り自分に引き寄せてこの腕に抱きしめた。
『か……カグラ王子…………
おっ、お離し下さいませ!
間もなくロベリア様もお戻りですッ………!』
シリアの髪からは仄かな洗髪液の匂いがした。
細く繊細な髪、栗色の………
シリアの衣服に手をかけようとしたその時、、、
コツコツコツ………
ガチャ!
『お待たせしてしまって申し訳ございません、カグラ王子。』
『いや、大丈夫だ。』
平静を装って茶をひと口口に入れる俺。
シリアは少し狼狽した様子で床に零れた茶を布で拭き取る。
ロベリアは転がったポットを見てシリアに、
『あら、シリア…
お茶を零したのね?ちゃんと片付けなさいよ?』
『は、はい……申し訳ございません!』
ロベリアはその様子に大して気にも留めた様子は無かった。
タダの戯れのつもりだったのに…
可笑しいだろう?
俺はロベリアよりもメイドを気にかけるようになってしまっていた。
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