秀と清美

みのる

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本編

『俺』

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高校二年生。
成績…自分で言うのもなんだが優秀。
見た目…良いのか悪いのか分からないが、女の子からバレンタインにチョコを山ほど貰うのが当たり前というベタな設定。

だが、実は女の子にはかなり奥手だ。
いつも学校では逃げ回っている。

今回声をかけたのも、不思議なくらいだ。
だが、そのくらい可愛かった。

飲み終えた、紅茶のパックを物珍しそうに弄っている清美に、深呼吸して尋ねる。

『今日は……此処に泊まる?』

ぱあぁっと、彼女の瞳が輝き始める。

『いいんですか⁉️(喜)』

……仕方あるまい、警察に連れていっても、「山の中」では捜索してももらえなそうだ。
俺の部屋には不似合いなダブルベッドに清美に床についてもらい、俺はソファーでブランケットをかけて横になる。      

『おやすみなさい』

すぐにすやすやと寝息をたてる清美。
俺は…緊張して眠れない。

“清美ちゃんって、なんでこんなに無防備なんだ⁉”

頭の中で、歴史や数学の勉強をしながら、俺はなんとかその日は眠った。

もうすぐ、冬が来るな。
ブランケットでは、少し肌寒い。

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