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桑原兄弟のタイムカプセル(おまけ)
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兄貴(十七)、オレ(中三)、秀(小六)、シュウイチ(小四)、そしてユウスケが小三になった年のとある日に母親の鶴の一声が轟いた。
『アンタたち!タイムカプセルを作るよ?』
てか、オレ………
今まさに!受験勉強してるんですけど?何故にこの時期を選択したのか、母親よ?(The☆謎)
ヤエイ兄貴はまた!行方不明中であった。
高校なんて、何のために通うのだろうな?
……………と思いつつ、結局オレも「将来の為」にとある高校を目指して猛勉強中なのだがな。(苦笑)
まぁいいか、いい「息抜き」になるよ。
そう思いながら、それぞれ思い思いの「今」を居間に用意されたタイムカプセルに詰めにゆく。
『さぁ!コレに!!アンタたちの思いを託すんだよ?』
…………なんか………
いかにも!「かつては立派に米炊いてお役目果たしてました!!」的な古めかしいお釜が、口を開いて"己の二度目の出番"を待ち構えていた。
(ウチの母親、何でも取っとくからなぁ………)
『コレを今から二十年後にまた掘り返すからね?
アンタたち!覚えとくんだよ?』
全員が(※長男除く)タイムカプセルにモノを入れた後、母親は親父が当時より手塩にかけて育てていた盆栽の下段の一番左に埋没していた。
(そして月日は流れて二十年……)
そしてもちろん!母親はバッチリタイムカプセルの事を記憶していた。
そしてそれぞれで家庭を築いていた(※一部を除く)オレたちは招集されたのであった。
オレは"家族"はその場には連れて行きはしなかった。
何故かって?
それはそのうち分かるだろう。
親父の下段の左側の盆栽が一時撤去され、その下の地が掘り起こされた。二十年もの時を過ごした我らが「タイムカプセル」がまさに今!!封印を解かれようとしている。
「いいかい…………
開けるよ…………?」
母親の手により、かつて幾重にもグルグルと巻き付けられたグヮムテープが解かれ………
土泥だらけのタイムカプセルが同じだけの年を経た我らにまた、口を開く。
『あ!コレオレの………♡』
初めに取り出されたビニール袋に入れられた「何か」。
それを見てシュウイチが嬉々として叫んだ。
『会いたかったよーーー♪
ヤエイ兄貴ィ~~~♡♡♡(スゥリスリ♡)』
一同、唖然………………………。
それもそうであろう。
シュウイチが二十年前のあの日に未来の自分にと託したのは、
タダでさえ!カメラを嫌う数少ないヤエイ兄貴の写真!
(その数、生まれた直後の写真を含め五枚のみ)
しかも希少なその四枚もどうやらシュウイチが隠れての撮影を試みたものと思われる。
ま、まぁ!
ヤツの事は放っておいて、次行ってみようか?
『お?おれの大事にしてたモンじゃねぇか?』
お次は過去のユウスケからのモノ。
……………が!!?
『ひえぇぇぇ~~~ッッッ!!?
な、なんじゃこりゃあ~~~!!!(大絶叫)』
おそらく、二十年経過する前になら!
美味しくいただけたであろう!
チロリンチョコやうまかバット、きのみ飴などが無惨な姿へと変貌していた。
『お、おれの………タカラモノが~~~~~っっっ!!?』
まぁ、幾ら大事なモノでも「未来の自分」に託すにはちょおっと!キビシかったな?(ド滝汗)
項垂れるユウスケも放置してタイムカプセルの開封は続く。
『あ………俺のだ………』
次に母親が手にしたのは……
ん?ビニール袋に包まれた封筒???
秀もまた家族は連れて来てはいなかった。
秀は母親から封筒を受け取りながら呟く。
「未来の自分に……手紙書いたんだよな………確か。」
母親がニヤニヤしながら秀へ促す。
『どれどれ♪秀!読んでみなよ?』
秀は何故か気乗りしない様子ではあったが、ノロノロと手紙を読み始めた。
【二十年後の俺へ。
三十二歳の俺は一体何をしていますか?
ソラミちゃんと仲良く出来てたら俺はすごくうれしい。
あれから、やりたい事は見つかりましたか?
今の俺には、二十年も先に自分がどうしてるかなんてとても想像ができない。
けれど、、、二十年後の俺は
今よりもずっとずっと!
幸せになっていてほしい。
二十年前の俺より。⠀】
…………………読み終えた秀は、ボロボロと泣き崩れていた。
一人ただ、嗚咽を繰り返す。
オレ達は秀に何も声をかける事が出来なかった。
小六の秀は、一体どんな事を思ってこの手紙を未来の己に宛てたのだろうか?
あの頃の秀は、いや……思えばもっと前に既に思春期に突入していたのかもな。
『さぁ!もう全てのタイムカプセルも発掘したし!
解散にするか!!(超!棒読み)』
その場を颯爽と立ち去ろうとするオレをガッチリ!抑え込み嫌な笑みを浮かべる母親………
『なぁに言ってんのさ?
最後にたんまりと!残ってるよ?ダレカさんのタイムカプセルが!』
オレ………
二十年前のオレ!!!?
お前………
なぁんで!!!
『あんなモノ』を
タイムカプセルに残したんだ???
サッサと煮るなり焼くなりして処分すれば良かったものを………(激しく後悔)
オレはもう!耐えきれずに!!
即座にその場から姿を消していた。
『あ~あ、行っちまったよ。
なんでこんなモンを「未来の自分」に残したんかねぇ………(謎)』
最後に残されていた、次男カクラのタイムカプセルとは……………
「過去の自分が頂戴したラブレターの中での、本人がチョイスした傑作選!!(BEST15)」
『アンタたち!タイムカプセルを作るよ?』
てか、オレ………
今まさに!受験勉強してるんですけど?何故にこの時期を選択したのか、母親よ?(The☆謎)
ヤエイ兄貴はまた!行方不明中であった。
高校なんて、何のために通うのだろうな?
……………と思いつつ、結局オレも「将来の為」にとある高校を目指して猛勉強中なのだがな。(苦笑)
まぁいいか、いい「息抜き」になるよ。
そう思いながら、それぞれ思い思いの「今」を居間に用意されたタイムカプセルに詰めにゆく。
『さぁ!コレに!!アンタたちの思いを託すんだよ?』
…………なんか………
いかにも!「かつては立派に米炊いてお役目果たしてました!!」的な古めかしいお釜が、口を開いて"己の二度目の出番"を待ち構えていた。
(ウチの母親、何でも取っとくからなぁ………)
『コレを今から二十年後にまた掘り返すからね?
アンタたち!覚えとくんだよ?』
全員が(※長男除く)タイムカプセルにモノを入れた後、母親は親父が当時より手塩にかけて育てていた盆栽の下段の一番左に埋没していた。
(そして月日は流れて二十年……)
そしてもちろん!母親はバッチリタイムカプセルの事を記憶していた。
そしてそれぞれで家庭を築いていた(※一部を除く)オレたちは招集されたのであった。
オレは"家族"はその場には連れて行きはしなかった。
何故かって?
それはそのうち分かるだろう。
親父の下段の左側の盆栽が一時撤去され、その下の地が掘り起こされた。二十年もの時を過ごした我らが「タイムカプセル」がまさに今!!封印を解かれようとしている。
「いいかい…………
開けるよ…………?」
母親の手により、かつて幾重にもグルグルと巻き付けられたグヮムテープが解かれ………
土泥だらけのタイムカプセルが同じだけの年を経た我らにまた、口を開く。
『あ!コレオレの………♡』
初めに取り出されたビニール袋に入れられた「何か」。
それを見てシュウイチが嬉々として叫んだ。
『会いたかったよーーー♪
ヤエイ兄貴ィ~~~♡♡♡(スゥリスリ♡)』
一同、唖然………………………。
それもそうであろう。
シュウイチが二十年前のあの日に未来の自分にと託したのは、
タダでさえ!カメラを嫌う数少ないヤエイ兄貴の写真!
(その数、生まれた直後の写真を含め五枚のみ)
しかも希少なその四枚もどうやらシュウイチが隠れての撮影を試みたものと思われる。
ま、まぁ!
ヤツの事は放っておいて、次行ってみようか?
『お?おれの大事にしてたモンじゃねぇか?』
お次は過去のユウスケからのモノ。
……………が!!?
『ひえぇぇぇ~~~ッッッ!!?
な、なんじゃこりゃあ~~~!!!(大絶叫)』
おそらく、二十年経過する前になら!
美味しくいただけたであろう!
チロリンチョコやうまかバット、きのみ飴などが無惨な姿へと変貌していた。
『お、おれの………タカラモノが~~~~~っっっ!!?』
まぁ、幾ら大事なモノでも「未来の自分」に託すにはちょおっと!キビシかったな?(ド滝汗)
項垂れるユウスケも放置してタイムカプセルの開封は続く。
『あ………俺のだ………』
次に母親が手にしたのは……
ん?ビニール袋に包まれた封筒???
秀もまた家族は連れて来てはいなかった。
秀は母親から封筒を受け取りながら呟く。
「未来の自分に……手紙書いたんだよな………確か。」
母親がニヤニヤしながら秀へ促す。
『どれどれ♪秀!読んでみなよ?』
秀は何故か気乗りしない様子ではあったが、ノロノロと手紙を読み始めた。
【二十年後の俺へ。
三十二歳の俺は一体何をしていますか?
ソラミちゃんと仲良く出来てたら俺はすごくうれしい。
あれから、やりたい事は見つかりましたか?
今の俺には、二十年も先に自分がどうしてるかなんてとても想像ができない。
けれど、、、二十年後の俺は
今よりもずっとずっと!
幸せになっていてほしい。
二十年前の俺より。⠀】
…………………読み終えた秀は、ボロボロと泣き崩れていた。
一人ただ、嗚咽を繰り返す。
オレ達は秀に何も声をかける事が出来なかった。
小六の秀は、一体どんな事を思ってこの手紙を未来の己に宛てたのだろうか?
あの頃の秀は、いや……思えばもっと前に既に思春期に突入していたのかもな。
『さぁ!もう全てのタイムカプセルも発掘したし!
解散にするか!!(超!棒読み)』
その場を颯爽と立ち去ろうとするオレをガッチリ!抑え込み嫌な笑みを浮かべる母親………
『なぁに言ってんのさ?
最後にたんまりと!残ってるよ?ダレカさんのタイムカプセルが!』
オレ………
二十年前のオレ!!!?
お前………
なぁんで!!!
『あんなモノ』を
タイムカプセルに残したんだ???
サッサと煮るなり焼くなりして処分すれば良かったものを………(激しく後悔)
オレはもう!耐えきれずに!!
即座にその場から姿を消していた。
『あ~あ、行っちまったよ。
なんでこんなモンを「未来の自分」に残したんかねぇ………(謎)』
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