初代桑原家の育児戦闘記

みのる

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運動会

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今日は我が校の秋の運動会だ。この日の為にオレたちは、色々と練習してきた。我が校は、全学級4クラスあるので、縦に割って、1組は赤組、2組は黄組、3組は青組、4組は緑組…てな具合で同じクラス毎に分けて闘う。
オレたち兄弟は、見事に全員分かれた。オレは1組、秀は2組、シュウイチは4組だから。

入場行進前、緊張した面持ちで、
(きっとどっからか、親父と母親が見てんだろうなぁ…)とオレ。
(運動苦手だけど、頑張ろう…)と秀。
(きょうのおべんとう、なんだろな♪)…シュウイチ…思う事は、人それぞれ(汗)

ピストルの合図。とうとう始まった!チーム毎に分かれて入場。
オレがまず入場。何処からかでっかい声で、

『カクラぁ‼頑張るんだよぉっ⁉』

母親の声。…恥ずかしくなったオレ。
続いて2組。秀が入場。

『秀‼負けんなよぉ‼』

オヤジだ…(名指しやめて…)
最後に4組。シュウイチの入場。

『シュウイチぃ‼アニキどもをボッコボコにしちまえーっ‼』

ゆ、ユウスケ(滝汗)シュウイチは声のする方にピースサイン。(余裕だなぁ…)

選手入場が終わり、校長先生の挨拶。続いて、オレによる選手宣誓。

『宣誓!(中略)闘うことを誓います。◎〇年9月22日  代表、桑原カクラ‼』

拍手が起こる。母親が密やかに涙する。

『カクラ…立派だったよ…グスッ…』

それから、準備体操。体操体形に広がる。先生が前に立って体操をする。オレたち、それに続く。
それから、オレたちは一旦席に退場。
その際にも母親、親父、弟の声。お前ら何処から見てるの…?
オレのチームに、チラッと見えた、ものすごいタラコ唇の女の子!(滝汗)1組には違いないが、何年生なんだろ?


まずは3年生による、ダンス。紅白のリボンを振りかざしながら、リズムに懸命に付いていき、踊る秀。と、先程のタラコ唇の女の子‼(3年生だったのか…)母親の声、

『秀ー!!まけるんじゃないよー‼』

…ダンスに勝ち負けは無いよ…母さん…
(ダンスは得点には入らない)

続いてオレたちのリレー。オレは選手に選ばれていた。駆け足で入場する。親父の声、

『カクラぁ!ぶっちぎれー‼』

えぇ、頑張りますが?
トップランナーだ。

『位置について、よぉい…』

緊張が走る。ピストルの合図で一斉に走り出す。現在、オレは2位だ、トラック1周を走る。1位の3組と、徐々に間が縮む。
(抜いてやる‼)後一歩のところで…抜けなかった。負けず嫌いなオレは、引きずりそうだ。

1年生の玉入れ。ニコニコと嬉しそうなシュウイチ。そこにユウスケが、

『シュウイチぃ!おまえのべんとう、くっちまったぞぉ⁉』

シュウイチは、途端に泣き顔になり、

『ユウスケぇ、おれのおべんとうかえしてぇー!』

シュウイチよ、玉入れ始まるぞ?
1組と3組と赤い玉、2組と4組で白い玉をカゴに入れる。先生の合図、

『位置について、用意…』

パァンとピストルの音。
赤も白も、どんどんカゴに玉が入っていく。カゴに向かって玉を投げる1年生。玉入れ終了の合図が鳴る。

みんなその場に座り、玉の数を固唾を飲んで見守る。ひとーつ、ふたーつ、みっつ、よっつ…数を数える先生。よんじゅうきゅう…赤い玉が尽きた。
ごじゅう‼白い玉も尽きた。辛うじて2組、4組の勝利‼シュウイチが手をたたいて喜ぶ。

(続く)
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