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大晦日
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年末、昼間は恒例の、大掃除、夜は紅白を見ながらまったりと残り僅かな年を過ごす。
『母さん、ここ、雑巾で拭いたら良いの?』
我が家の縁側を、懸命に雑巾で拭く。
秀は台所の掃除。シュウイチはトイレ。そしてユウスケは…相変わらずサボってる(汗)掃除をしてる我々を、見事に邪魔してくれて。
『ユウスケ!ちゃんと掃除しないと、今日のお蕎麦、アンタの分は無いよ?』
母親の怒号。
蕎麦が食べたいユウスケ、慌てて真面目に掃除を始める。ユウスケの担当は居間。親父は玄関だ。植物の手入れから始まる。
格闘すること2時間、ようやく綺麗になった我が家。母親がみんなに、
『お疲れさん♪これ、ご褒美だよ?』
と、おしるこを作ってくれた。お餅入りだ!みんなで美味しくいただいた。ユウスケ…相変わらず、
『いやーん!!おれのおしるこーーー!!』
またシュウイチのおしるこを毒牙にかける。
母親は呆れ顔で、
『本当に、いつまで経っても進歩しないねぇ?』
ため息をつく。
我が家は大晦日から『無礼講』が始まる。紅白を見ながら、家族みんなで晩ごはんを食べる。
弟たちが、
『ねぇ、ノラえもん見たいーーー!!』
と駄々をこねる。まぁ、チビたちが紅白見ても面白くないだろう。俺は密かに、沖縄の4人組歌手グループ『スペード』が好きだった。今年は、紅白に出るとか(ワクワク)秀は意外にも、あの、5人組ヴィジュアル系バンド『ZNIPPON』が好きなのだ。(なかなか紅白には出ないけどな)チビ達の念願は露と消える。(こんな時は、上の者に譲りなさい!)←悪
いじける弟達をよそに、オレたちは紅白を楽しむ。いつ出るのかな?スペード…(喜)『竹田晴子』や、ド派手な衣装で有名な、『大林凶子』『汚山謙一』の争いも外せない。そして、演歌の大御所
『南山一郎』(歌は別に楽しみではないが)
俺は、ごはんの時に、お茶ガブ飲みしたのが響いたらしく、途中トイレに走った。用を足し、身もこころもリフレッシュして紅白に臨む。
『アンタ、何処行ってたんだい?もう、スペード出ちまったよ?』
………なんとぉぉぉぉ!オレは、これだけを今日楽しみにしてたのに(涙)見ると、完全に終わった訳ではないらしい。(安心)オレは、少しだけになってしまったが、スペードの歌と踊りを楽しんだ。チビ達が寝ないうちに、母親が年越し蕎麦を作りに席を立つ。
気がつけば、もう9時だ。良い子は寝る時間。シュウイチが、こっくりこっくり始めた。俺は、
『シュウイチ、もう少し起きてたら、蕎麦食べれるからな?』
とシュウイチが夢の世界に連れてかれるのを何とか引き止める。ユウスケは、“ソバのためなら…” と必死で起きてる。
母親が、
『お待ちぃ!!年越し蕎麦、6人前、あがりぃ!』
と、年越し蕎麦と共に現れた。海老天が2本も乗っている。わぁい♪と、途端に目覚めるシュウイチ。みんなの前に、蕎麦が並べられる。
『みんな、食べて良いよ♪♪』
それを合図に、
『いただきまぁす!』
蕎麦に貪りつく5人。それを見ながら、ニコニコとして自分の蕎麦に手をつける母親。一番早くに食べたユウスケは、その場で眠りに着いた。母親が、
『アレアレ、仕方ないねぇ…』
と母親がユウスケを布団に連れて行く。
その後を追うように、シュウイチも脱落。蕎麦を食べながら。幸せそうに(笑)
親父が、シュウイチを寝床に連れてった。
しばらく、紅白を見ていたオレたち2人に、親父が、
『どれ、3人で、『初詣』に、行くか?』
この夜中に初詣!?オレは驚いた。親父はニヤッと不敵な笑みを浮かべ、
『なぁに、お正月の『無礼講』だ!』
とりあえず、近くの神社に親父とオレと秀で初詣。溢れ返る人に潰されそうになりながら、
『お前たち!はぐれるんじゃ、無いぞ!?』
親父の声が聞こえる。オレは秀と手を繋いだ。
人をかき分けながら、本堂に辿り着く。カランカランと鈴を鳴らす。お賽銭を投げる。手を2回たたいて、目を閉じて祈る。“来年も、家族元気で過ごせますように” …ふと、後ろを振り向くと、3年1組のあの、タラコ唇さんが、妹さん?と親父さんに連れられて、同じく初詣。(妹さんは、可愛いのに…)
『チビに、『お土産』買って帰るか?』
そこには、出店が出ていて『大阪ケーキ』がオレの目を引いた。
『オレ、これが良いなぁ…』
と思わずアピール。
親父は、
『この、一番大きいの、下さい!』
親父…太っ腹だな…?
『さて、もう寒いし、帰るか?』
そうだね、オレも眠いや。
来年も、オレたち家族にとって、イィ年になりますように、…(まだ年は明けてない)
『母さん、ここ、雑巾で拭いたら良いの?』
我が家の縁側を、懸命に雑巾で拭く。
秀は台所の掃除。シュウイチはトイレ。そしてユウスケは…相変わらずサボってる(汗)掃除をしてる我々を、見事に邪魔してくれて。
『ユウスケ!ちゃんと掃除しないと、今日のお蕎麦、アンタの分は無いよ?』
母親の怒号。
蕎麦が食べたいユウスケ、慌てて真面目に掃除を始める。ユウスケの担当は居間。親父は玄関だ。植物の手入れから始まる。
格闘すること2時間、ようやく綺麗になった我が家。母親がみんなに、
『お疲れさん♪これ、ご褒美だよ?』
と、おしるこを作ってくれた。お餅入りだ!みんなで美味しくいただいた。ユウスケ…相変わらず、
『いやーん!!おれのおしるこーーー!!』
またシュウイチのおしるこを毒牙にかける。
母親は呆れ顔で、
『本当に、いつまで経っても進歩しないねぇ?』
ため息をつく。
我が家は大晦日から『無礼講』が始まる。紅白を見ながら、家族みんなで晩ごはんを食べる。
弟たちが、
『ねぇ、ノラえもん見たいーーー!!』
と駄々をこねる。まぁ、チビたちが紅白見ても面白くないだろう。俺は密かに、沖縄の4人組歌手グループ『スペード』が好きだった。今年は、紅白に出るとか(ワクワク)秀は意外にも、あの、5人組ヴィジュアル系バンド『ZNIPPON』が好きなのだ。(なかなか紅白には出ないけどな)チビ達の念願は露と消える。(こんな時は、上の者に譲りなさい!)←悪
いじける弟達をよそに、オレたちは紅白を楽しむ。いつ出るのかな?スペード…(喜)『竹田晴子』や、ド派手な衣装で有名な、『大林凶子』『汚山謙一』の争いも外せない。そして、演歌の大御所
『南山一郎』(歌は別に楽しみではないが)
俺は、ごはんの時に、お茶ガブ飲みしたのが響いたらしく、途中トイレに走った。用を足し、身もこころもリフレッシュして紅白に臨む。
『アンタ、何処行ってたんだい?もう、スペード出ちまったよ?』
………なんとぉぉぉぉ!オレは、これだけを今日楽しみにしてたのに(涙)見ると、完全に終わった訳ではないらしい。(安心)オレは、少しだけになってしまったが、スペードの歌と踊りを楽しんだ。チビ達が寝ないうちに、母親が年越し蕎麦を作りに席を立つ。
気がつけば、もう9時だ。良い子は寝る時間。シュウイチが、こっくりこっくり始めた。俺は、
『シュウイチ、もう少し起きてたら、蕎麦食べれるからな?』
とシュウイチが夢の世界に連れてかれるのを何とか引き止める。ユウスケは、“ソバのためなら…” と必死で起きてる。
母親が、
『お待ちぃ!!年越し蕎麦、6人前、あがりぃ!』
と、年越し蕎麦と共に現れた。海老天が2本も乗っている。わぁい♪と、途端に目覚めるシュウイチ。みんなの前に、蕎麦が並べられる。
『みんな、食べて良いよ♪♪』
それを合図に、
『いただきまぁす!』
蕎麦に貪りつく5人。それを見ながら、ニコニコとして自分の蕎麦に手をつける母親。一番早くに食べたユウスケは、その場で眠りに着いた。母親が、
『アレアレ、仕方ないねぇ…』
と母親がユウスケを布団に連れて行く。
その後を追うように、シュウイチも脱落。蕎麦を食べながら。幸せそうに(笑)
親父が、シュウイチを寝床に連れてった。
しばらく、紅白を見ていたオレたち2人に、親父が、
『どれ、3人で、『初詣』に、行くか?』
この夜中に初詣!?オレは驚いた。親父はニヤッと不敵な笑みを浮かべ、
『なぁに、お正月の『無礼講』だ!』
とりあえず、近くの神社に親父とオレと秀で初詣。溢れ返る人に潰されそうになりながら、
『お前たち!はぐれるんじゃ、無いぞ!?』
親父の声が聞こえる。オレは秀と手を繋いだ。
人をかき分けながら、本堂に辿り着く。カランカランと鈴を鳴らす。お賽銭を投げる。手を2回たたいて、目を閉じて祈る。“来年も、家族元気で過ごせますように” …ふと、後ろを振り向くと、3年1組のあの、タラコ唇さんが、妹さん?と親父さんに連れられて、同じく初詣。(妹さんは、可愛いのに…)
『チビに、『お土産』買って帰るか?』
そこには、出店が出ていて『大阪ケーキ』がオレの目を引いた。
『オレ、これが良いなぁ…』
と思わずアピール。
親父は、
『この、一番大きいの、下さい!』
親父…太っ腹だな…?
『さて、もう寒いし、帰るか?』
そうだね、オレも眠いや。
来年も、オレたち家族にとって、イィ年になりますように、…(まだ年は明けてない)
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