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旅立ち
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ある朝、秀が目を真っ赤に腫らして庭に穴を掘っていた。オレは悟った。出来るだけ、そっとしとく事にした。
『にいちゃん!早くしないと、がっこうおくれちゃうよ?』
とシュウイチ。
(ば、バカ!今はそっとしといてやれよ…⁉)
更にシュウイチは、秀に絡む。
『ねぇねぇ、にいちゃん何してんの…?』
オレは慌てて、
『よぉし!シュウイチ、今日はオレと学校、行こう‼』
不思議がるシュウイチにランドセルを背負わせ、荷物を持たせて登校の準備をする。
(シュウイチ、今は秀に話しかけてはダメだ‼)
『行ってきます‼』
オレとシュウイチが学校に向かう。
学校に行く途中、朝の秀の『謎の行動』について、質問責めなオレ。オレはちょっと早い気がしたけど、シュウイチにも教える事にした。
ー生き物の”死“についてー
『秀兄ちゃんが、「ソラミちゃん」を大事に育ててたの、知ってるよな?』
こくりとうなずくシュウイチ。
『その「ソラミちゃん」が今朝、オレたちの住んでいる世界とは別の世界に旅立ってしまったんだ…』
『もう、ソラミちゃんとはあえないの?』
意味が分かったのか、少し悲しそうなシュウイチ。
『……うん、別の世界に旅立ってしまったものとは、もう2度と会えないんだ…悲しいけれど…』
シュウイチは、
『しゅうにいちゃん、かわいそう…あんなにソラミちゃんのこと、大切にしてたのに…』
と、下を向いた。
『秀兄ちゃんが元気になれるように、帰ったら励ましてやろうな?』
とオレは言い、シュウイチの頭をクシャっと撫でた。
授業終わって放課後。オレはいつものように教室の鍵をかけて、職員室に届ける。
帰り際に、いつも以上に背中を丸めて帰る秀の姿を見つけた。
オレは出来るだけ元気に秀に話しかける。
『よぉ?秀。今日の授業、どうだった?』
秀はかなりどん底に居るらしく…チラッとオレを見て、
『…うん…いつも通りだったよ………』
く、暗い……
『…………………………………………』
思わず、オレは絶句した。オレは、少しトーンを変えて、
『秀。生命あるもの、いつかは別れる時が来るんだ。…うまく言えないけど、ソラミちゃんは居なくなってもお前のこころに今でも居るんだから…悲しむ必要は無いと思うんだ』
オレの、精一杯の言葉を伝えた。
「おれの、こころのなかに…?」
秀が呟く。
『そうだ、実感はないかもだけどな』
オレは、微笑んだ。秀も、ぎこちなく笑う。
(本当は、まだ辛いんだろうな…?)
『帰ろう、秀!』
オレは秀の頭をクシャっと撫でた。
『にいちゃん!早くしないと、がっこうおくれちゃうよ?』
とシュウイチ。
(ば、バカ!今はそっとしといてやれよ…⁉)
更にシュウイチは、秀に絡む。
『ねぇねぇ、にいちゃん何してんの…?』
オレは慌てて、
『よぉし!シュウイチ、今日はオレと学校、行こう‼』
不思議がるシュウイチにランドセルを背負わせ、荷物を持たせて登校の準備をする。
(シュウイチ、今は秀に話しかけてはダメだ‼)
『行ってきます‼』
オレとシュウイチが学校に向かう。
学校に行く途中、朝の秀の『謎の行動』について、質問責めなオレ。オレはちょっと早い気がしたけど、シュウイチにも教える事にした。
ー生き物の”死“についてー
『秀兄ちゃんが、「ソラミちゃん」を大事に育ててたの、知ってるよな?』
こくりとうなずくシュウイチ。
『その「ソラミちゃん」が今朝、オレたちの住んでいる世界とは別の世界に旅立ってしまったんだ…』
『もう、ソラミちゃんとはあえないの?』
意味が分かったのか、少し悲しそうなシュウイチ。
『……うん、別の世界に旅立ってしまったものとは、もう2度と会えないんだ…悲しいけれど…』
シュウイチは、
『しゅうにいちゃん、かわいそう…あんなにソラミちゃんのこと、大切にしてたのに…』
と、下を向いた。
『秀兄ちゃんが元気になれるように、帰ったら励ましてやろうな?』
とオレは言い、シュウイチの頭をクシャっと撫でた。
授業終わって放課後。オレはいつものように教室の鍵をかけて、職員室に届ける。
帰り際に、いつも以上に背中を丸めて帰る秀の姿を見つけた。
オレは出来るだけ元気に秀に話しかける。
『よぉ?秀。今日の授業、どうだった?』
秀はかなりどん底に居るらしく…チラッとオレを見て、
『…うん…いつも通りだったよ………』
く、暗い……
『…………………………………………』
思わず、オレは絶句した。オレは、少しトーンを変えて、
『秀。生命あるもの、いつかは別れる時が来るんだ。…うまく言えないけど、ソラミちゃんは居なくなってもお前のこころに今でも居るんだから…悲しむ必要は無いと思うんだ』
オレの、精一杯の言葉を伝えた。
「おれの、こころのなかに…?」
秀が呟く。
『そうだ、実感はないかもだけどな』
オレは、微笑んだ。秀も、ぎこちなく笑う。
(本当は、まだ辛いんだろうな…?)
『帰ろう、秀!』
オレは秀の頭をクシャっと撫でた。
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