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03白鷺トロフィーの行方
消えたトロフィー事件02
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英二が椅子に腰を落ち着ける。結城の差し出すコーヒーカップを受け取った。
「俺は賛成だ。お前らはどうなんだ?」
「まあ賛成かな」
俺は他に考えもなく、また思いつきもしなかったので素直に了承した。結城と日向、まどかも追随する。
それを見ていた純架が、渋山台高校校歌をタップダンスで披露した。
意外に器用だな。
「よし、決まりだね! 今年の白鷺トロフィーは『探偵部』のものだ! 皆、頑張ろう!」
その後、詳細はとんとん拍子で決まっていった。我ら『探偵部』は、題して『肩叩きリラクゼーション・スペース』を連日開催する。一回5分で料金は100円。まどかが出ずっぱりで、客の肩を揉み解す部員は交代制となる。
その後生徒会への申請も受理され、俺たち『探偵部』部員一同はのりにのって準備を進めていった――
そして土曜日に白鷺祭を控えた木曜日、つまり今。俺と純架は職員室に召集されていた。放課後すぐに『探偵部』の部室へ向かおうとすると、校内放送が流れたのだ。いわく、「1年3組の桐木純架さん、朱雀楼路さん、職員室の宮古先生までお越しください」と。
「先生も妙だね。担任なんだからクラスで話せばいいのに、わざわざ職員室へ呼び出すなんて」
「聞かれたくない話なんだろうよ。多分」
白鷺祭の準備が着々と進み、大きな厚紙や折り紙の類が廊下に散乱する中、俺たちは生徒たちをかわしながら一路職員室を目指した。どこもかしこも戦場のような忙しさだ。
それにしても宮古先生の目的は何だろう? 俺と純架に共通するものといったらテストの点の悪さだが、まさか二人ピンポイントでお説教というわけでもあるまい。もしや『探偵部』の開催物に何か問題でも発生したのだろうか? ……まあ、行けば分かるか。
そうこうしているうちに職員室に到着した。俺と純架は別の女生徒たちと入れ違いに中へ入る。彼女らは純架の美貌に見とれなかったことから、彼の奇行癖を既に熟知していると思われた。
宮古先生がこちらに気づき、手招きして呼び寄せる。
「言い出しにくいことなんだがな……」
難しい顔で椅子に座ったまま、銀縁眼鏡の蔓をつまんで微調整する。近づいて言葉の続きを待つ俺たちを等分に眺めた。
「実は、お前ら『探偵部』に手伝ってほしいことがあるんだ」
純架は前のめりになる体を制御するのに苦労しているようだ。
「といいますと……。もしかして、事件解決の依頼ですか?」
双眸が輝きを強める。解き明かすべき事件の存在が、桐木純架という樹には必要不可欠の養分なのだった。担任の思わせぶりな台詞に魅力を感じたとしても、これは仕方がないといえる。
果たして宮古先生はうなずいた。
「その通りだ。実はここだけの話、困っていることがあってな」
純架は悪徳商人のごとく両手を揉み絞った。やれやれ。
「ほう。それは何でしょうか?」
宮古先生は更に近づくように身振りで示すと、声を可聴範囲ぎりぎりまで低めた。
「実は昨日早朝、白鷺祭の最優秀賞のトロフィーが盗難されたんだ。今職員総出で捜しているが、一向に見つかりそうもない」
白鷺トロフィーって、あの久川が言っていたやつか。純架がいよいよ活気づく。とはいえ騒がないようにする気遣いは忘れなかった。
「それを僕らに捜してほしいというわけですね」
宮古先生は大きく首肯した。その目に諦念の色がある。
「その通りだ。忙しいところ悪いがな。日曜日の学園祭終了後の閉会式――トロフィー授与までが奪還期限となる。それまでに何としてでも回収しなければならない。頼む! この通りだ」
頭を下げた。純架は二つ返事でオーケーする。歓喜が口調に溢れた。
「もちろんですとも! 我々『探偵部』が、責任を持って至宝を見つけ出してご覧に入れます。……あの、でもこれ、警察に話したりはしなかったんですか? 盗難なんですよね?」
別の教師がこちらを視線で突っつきつつ、名残惜しそうに職員室から出て行った。宮古先生は腕組みして鎖骨に顎を当て、うなるように言った。
「当然、僕らも職員会議で話し合った。だが警察を校内に入れると周囲の心象が悪いし、準備に忙しい生徒たちにいらぬ動揺を与えてしまうことになる。何とか学校の手で――我々の手でトロフィーを取り戻したいんだ……」
すっかりしょげている。純架は機嫌良さそうに自分の胸を叩いた。まずは片手で、次は両手で。「ウホウホウホッ」と叫びながら、いつしか野生のゴリラの猿真似となって、胸をドンドンと打ち鳴らす。俺は純架を取り押さえ、彼が正気に戻るまで待たねばならなかった。
純架は奇行衝動が過ぎ去ったのか、また元の体勢に戻る。
「なるほど、よく分かりました。早速捜査に入りたいと思います。……その前に、まずは質問させてください。可能な範囲でいいのでお答えをお願いします」
俺たちの担任はこちらを見上げた。秘密を教え子に打ち明けた気恥ずかしさと、それに相反する破れかぶれの強気な態度とが、その顔に複雑な影を落としている。
「何でも聞いてくれ」
純架はスマホを取り出して聞き込みに入った。
「トロフィーはどんな感じのものなんですか? 写真とかありませんかね」
宮古先生は抜けていたピースをはめ込まれたように、自分の額をぴしゃりと叩いた。
「確かに1年のお前らはトロフィーを見たことがないんだっけな。そりゃそうだ。ええと、どこにしまったかな……」
椅子をぐるりと回し、机の引き出しを二つ、三つと開けて中をかき回す。やがて一冊のアルバムを取り出した。
「ここに毎年の最優秀賞受賞チームの記念写真が揃っている。これが去年、これがおととしだ。第一回――40年も前のものもあるぞ。ほれ、いずれも中央の生徒がトロフィーを抱いているだろう」
写真を見ると、トロフィーは黄金色で1メートルほどの高さだった。黒い台座の上に、翼をいままさに広げんとする金色の鷺が留まっている。純架はもっとも写りの良いトロフィーを携帯のカメラで撮影した。
「ありがとうございます。さてうかがいますが、そのトロフィーは消える前までどこにあったんですか?」
「生徒会室の戸棚の中、ガラス戸の向こう側に飾ってあった。白鷺祭を管理実行するのは生徒会だからな。いわばシンボルとして、長年の定位置に鎮座していたというわけだ」
「盗難されたというのは、それが消えてなくなっていたからですか?」
「そうだ。昨日――水曜日の早朝、生徒会室内に入った生徒会長ともう一人が、白鷺トロフィーの紛失に気づいたんだ。その時部屋の鍵はかかっていたという」
「いつまではあったんですか」
「おととい――火曜日の放課後だ。生徒会長がスマホ捜しの際確認している」
「スマホ捜し?」
宮古先生は思い出したように苦笑する。禁煙パイポを取り出し、口に咥えた。
「ああ、生徒会長がスマホをなくしてな。散々探し回っていたよ。生徒会室にあったらしい」
純架はしきりと点頭する。スマホのメモ帳へ流れるように文字を打ち込んでいった。
「おとといの放課後、生徒会の会議はなかったんですか?」
「ああ、そうだ。白鷺祭まで残りわずかだから、生徒会の面々が早く帰れる日を一日だけ設けたんだ。その後の激務に備えて、各自体調を整えるためにな」
「ではその火曜日の放課後から昨日の早朝までの間に盗まれたことが判明している、と」
宮古先生は難しい顔でうなる。腕組みしながらパイポを噛んだ。
「とりあえずはな。でも学校には学園祭の準備で多くの生徒が残っていた。彼らの目を盗んでトロフィーを持ち去ることなどできるのだろうか……?」
「火曜日に生徒会室の鍵を借りた人物は?」
「二人いる。一人は青柳先生で、書類を取りに中に入った。もう一人はさっきも言ったように生徒会長の周防で、スマホを捜していた。彼ら以外にはいない」
純架はフリック入力を駆使して、淀みなく文字を刻んでいった。
「論点を整理しましょう。まず1メートルとそれなりに大きい白鷺のトロフィーが、昨日、水曜日の早朝になくなっていることが確かめられました」
「それはおとといの火曜日、青柳先生と周防生徒会長が戸棚にあったことを認めている」
「そして基本的に生徒会室の鍵はかかっていて、犯行予測時間には誰も入れない状況だった、と」
「その通りだ」
「なるほど、面白いですね」
純架は骨付き肉を目前にした野生の犬のようだった。渋山台高校教師陣に依頼されてはりきっているというより、単にこの難解な謎を切り開くことに熱意を抱いているらしい。
「生徒会室を見てみたいのですが、よろしいですか?」
「今は生徒会が使っているはずだ。生徒会、イコール学園祭実行委員会だからな。打ち合わせや指示、細部の検討に激論を交わしているはずだ。俺の名前を出していいから、邪魔にならない範囲で思う存分調べてくれ」
「承知しました!」
純架はどこぞのスペシャリストのように、胸に手を当てて気取ってお辞儀をした。意気揚々と退室する。俺はその後に続きながら、友人の上機嫌に半ば呆れていた。
本当、事件のときは見違えるように浮き浮きするよな。
生徒会室は新校舎1階にある。校長室などと同様だ。新校舎といっても20年前に建築された鉄筋コンクリートの建物で、さすがにだんだんボロが目立ち始めている。もちろん40年前の木造の旧校舎よりは段違いで快適だが。
「失礼します」
純架は生徒会室の引き戸を開けながら、「ウィーン」と自動ドアの音を声に出した。
馬鹿か?
「俺は賛成だ。お前らはどうなんだ?」
「まあ賛成かな」
俺は他に考えもなく、また思いつきもしなかったので素直に了承した。結城と日向、まどかも追随する。
それを見ていた純架が、渋山台高校校歌をタップダンスで披露した。
意外に器用だな。
「よし、決まりだね! 今年の白鷺トロフィーは『探偵部』のものだ! 皆、頑張ろう!」
その後、詳細はとんとん拍子で決まっていった。我ら『探偵部』は、題して『肩叩きリラクゼーション・スペース』を連日開催する。一回5分で料金は100円。まどかが出ずっぱりで、客の肩を揉み解す部員は交代制となる。
その後生徒会への申請も受理され、俺たち『探偵部』部員一同はのりにのって準備を進めていった――
そして土曜日に白鷺祭を控えた木曜日、つまり今。俺と純架は職員室に召集されていた。放課後すぐに『探偵部』の部室へ向かおうとすると、校内放送が流れたのだ。いわく、「1年3組の桐木純架さん、朱雀楼路さん、職員室の宮古先生までお越しください」と。
「先生も妙だね。担任なんだからクラスで話せばいいのに、わざわざ職員室へ呼び出すなんて」
「聞かれたくない話なんだろうよ。多分」
白鷺祭の準備が着々と進み、大きな厚紙や折り紙の類が廊下に散乱する中、俺たちは生徒たちをかわしながら一路職員室を目指した。どこもかしこも戦場のような忙しさだ。
それにしても宮古先生の目的は何だろう? 俺と純架に共通するものといったらテストの点の悪さだが、まさか二人ピンポイントでお説教というわけでもあるまい。もしや『探偵部』の開催物に何か問題でも発生したのだろうか? ……まあ、行けば分かるか。
そうこうしているうちに職員室に到着した。俺と純架は別の女生徒たちと入れ違いに中へ入る。彼女らは純架の美貌に見とれなかったことから、彼の奇行癖を既に熟知していると思われた。
宮古先生がこちらに気づき、手招きして呼び寄せる。
「言い出しにくいことなんだがな……」
難しい顔で椅子に座ったまま、銀縁眼鏡の蔓をつまんで微調整する。近づいて言葉の続きを待つ俺たちを等分に眺めた。
「実は、お前ら『探偵部』に手伝ってほしいことがあるんだ」
純架は前のめりになる体を制御するのに苦労しているようだ。
「といいますと……。もしかして、事件解決の依頼ですか?」
双眸が輝きを強める。解き明かすべき事件の存在が、桐木純架という樹には必要不可欠の養分なのだった。担任の思わせぶりな台詞に魅力を感じたとしても、これは仕方がないといえる。
果たして宮古先生はうなずいた。
「その通りだ。実はここだけの話、困っていることがあってな」
純架は悪徳商人のごとく両手を揉み絞った。やれやれ。
「ほう。それは何でしょうか?」
宮古先生は更に近づくように身振りで示すと、声を可聴範囲ぎりぎりまで低めた。
「実は昨日早朝、白鷺祭の最優秀賞のトロフィーが盗難されたんだ。今職員総出で捜しているが、一向に見つかりそうもない」
白鷺トロフィーって、あの久川が言っていたやつか。純架がいよいよ活気づく。とはいえ騒がないようにする気遣いは忘れなかった。
「それを僕らに捜してほしいというわけですね」
宮古先生は大きく首肯した。その目に諦念の色がある。
「その通りだ。忙しいところ悪いがな。日曜日の学園祭終了後の閉会式――トロフィー授与までが奪還期限となる。それまでに何としてでも回収しなければならない。頼む! この通りだ」
頭を下げた。純架は二つ返事でオーケーする。歓喜が口調に溢れた。
「もちろんですとも! 我々『探偵部』が、責任を持って至宝を見つけ出してご覧に入れます。……あの、でもこれ、警察に話したりはしなかったんですか? 盗難なんですよね?」
別の教師がこちらを視線で突っつきつつ、名残惜しそうに職員室から出て行った。宮古先生は腕組みして鎖骨に顎を当て、うなるように言った。
「当然、僕らも職員会議で話し合った。だが警察を校内に入れると周囲の心象が悪いし、準備に忙しい生徒たちにいらぬ動揺を与えてしまうことになる。何とか学校の手で――我々の手でトロフィーを取り戻したいんだ……」
すっかりしょげている。純架は機嫌良さそうに自分の胸を叩いた。まずは片手で、次は両手で。「ウホウホウホッ」と叫びながら、いつしか野生のゴリラの猿真似となって、胸をドンドンと打ち鳴らす。俺は純架を取り押さえ、彼が正気に戻るまで待たねばならなかった。
純架は奇行衝動が過ぎ去ったのか、また元の体勢に戻る。
「なるほど、よく分かりました。早速捜査に入りたいと思います。……その前に、まずは質問させてください。可能な範囲でいいのでお答えをお願いします」
俺たちの担任はこちらを見上げた。秘密を教え子に打ち明けた気恥ずかしさと、それに相反する破れかぶれの強気な態度とが、その顔に複雑な影を落としている。
「何でも聞いてくれ」
純架はスマホを取り出して聞き込みに入った。
「トロフィーはどんな感じのものなんですか? 写真とかありませんかね」
宮古先生は抜けていたピースをはめ込まれたように、自分の額をぴしゃりと叩いた。
「確かに1年のお前らはトロフィーを見たことがないんだっけな。そりゃそうだ。ええと、どこにしまったかな……」
椅子をぐるりと回し、机の引き出しを二つ、三つと開けて中をかき回す。やがて一冊のアルバムを取り出した。
「ここに毎年の最優秀賞受賞チームの記念写真が揃っている。これが去年、これがおととしだ。第一回――40年も前のものもあるぞ。ほれ、いずれも中央の生徒がトロフィーを抱いているだろう」
写真を見ると、トロフィーは黄金色で1メートルほどの高さだった。黒い台座の上に、翼をいままさに広げんとする金色の鷺が留まっている。純架はもっとも写りの良いトロフィーを携帯のカメラで撮影した。
「ありがとうございます。さてうかがいますが、そのトロフィーは消える前までどこにあったんですか?」
「生徒会室の戸棚の中、ガラス戸の向こう側に飾ってあった。白鷺祭を管理実行するのは生徒会だからな。いわばシンボルとして、長年の定位置に鎮座していたというわけだ」
「盗難されたというのは、それが消えてなくなっていたからですか?」
「そうだ。昨日――水曜日の早朝、生徒会室内に入った生徒会長ともう一人が、白鷺トロフィーの紛失に気づいたんだ。その時部屋の鍵はかかっていたという」
「いつまではあったんですか」
「おととい――火曜日の放課後だ。生徒会長がスマホ捜しの際確認している」
「スマホ捜し?」
宮古先生は思い出したように苦笑する。禁煙パイポを取り出し、口に咥えた。
「ああ、生徒会長がスマホをなくしてな。散々探し回っていたよ。生徒会室にあったらしい」
純架はしきりと点頭する。スマホのメモ帳へ流れるように文字を打ち込んでいった。
「おとといの放課後、生徒会の会議はなかったんですか?」
「ああ、そうだ。白鷺祭まで残りわずかだから、生徒会の面々が早く帰れる日を一日だけ設けたんだ。その後の激務に備えて、各自体調を整えるためにな」
「ではその火曜日の放課後から昨日の早朝までの間に盗まれたことが判明している、と」
宮古先生は難しい顔でうなる。腕組みしながらパイポを噛んだ。
「とりあえずはな。でも学校には学園祭の準備で多くの生徒が残っていた。彼らの目を盗んでトロフィーを持ち去ることなどできるのだろうか……?」
「火曜日に生徒会室の鍵を借りた人物は?」
「二人いる。一人は青柳先生で、書類を取りに中に入った。もう一人はさっきも言ったように生徒会長の周防で、スマホを捜していた。彼ら以外にはいない」
純架はフリック入力を駆使して、淀みなく文字を刻んでいった。
「論点を整理しましょう。まず1メートルとそれなりに大きい白鷺のトロフィーが、昨日、水曜日の早朝になくなっていることが確かめられました」
「それはおとといの火曜日、青柳先生と周防生徒会長が戸棚にあったことを認めている」
「そして基本的に生徒会室の鍵はかかっていて、犯行予測時間には誰も入れない状況だった、と」
「その通りだ」
「なるほど、面白いですね」
純架は骨付き肉を目前にした野生の犬のようだった。渋山台高校教師陣に依頼されてはりきっているというより、単にこの難解な謎を切り開くことに熱意を抱いているらしい。
「生徒会室を見てみたいのですが、よろしいですか?」
「今は生徒会が使っているはずだ。生徒会、イコール学園祭実行委員会だからな。打ち合わせや指示、細部の検討に激論を交わしているはずだ。俺の名前を出していいから、邪魔にならない範囲で思う存分調べてくれ」
「承知しました!」
純架はどこぞのスペシャリストのように、胸に手を当てて気取ってお辞儀をした。意気揚々と退室する。俺はその後に続きながら、友人の上機嫌に半ば呆れていた。
本当、事件のときは見違えるように浮き浮きするよな。
生徒会室は新校舎1階にある。校長室などと同様だ。新校舎といっても20年前に建築された鉄筋コンクリートの建物で、さすがにだんだんボロが目立ち始めている。もちろん40年前の木造の旧校舎よりは段違いで快適だが。
「失礼します」
純架は生徒会室の引き戸を開けながら、「ウィーン」と自動ドアの音を声に出した。
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