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そこのモンスター社員、今すぐ退職届を書きなさい!
第22話 品転④
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あれから一週間が経つ。結局、ララさんの手掛かりは掴めないでいるが、係長は脱税の容疑が固まったと判断し、国税局査察部へ告発に向かった。会社の不祥事を未然に防ぐ、又は適切に対処する人事労政Grの社員とは思えない行動だけど、私は間違ってないと思う。
「花さん、このオフィスは契約延長するから引き続き一緒に調査しましょうね」
「はい勿論……ですが、ここの費用って?」
「経費は係長のポケットマネーよ」
警察の退職金でも充ててるのでしょうか? 基盤の復元だって一件五十万だったとか。それが五件……相当な金額だ。正に人生懸けてる。上手く進めば良いけど、ちょっぴり不安だな。
「池園先輩。国税局はどう動きますか?」
「そうね。先ずは取引先を徹底的に調べるわ。裏帳簿を見つけるまでは止めない」
「それで見つかったら?」
「本丸……つまり我が社へ視察が入る」
「証拠は出てくるのでしょうか?」
「恐らく慌てて領収書を破棄するでしょう」
「じゃあ?」
「その先は私にも分からない。ただ、領収書を管理し破棄した人がララの失踪に関わってると思うの」
ーーと、その時だった。
カツンカツンと足音が鳴り響く。何者かが秘密のオフィスに近づいてくる。係長にしては早過ぎだ。では一体誰なのか……?
「ふーん、なーるほど。ここがアジトだったんだ」
爽やかな笑顔を振りまくこの男性。
「ひ、東薔薇さ……ん!?」
私たちは唖然とする。そして直感的にマズいと感じた。
「ダメだよ、綾坂さん。業務用携帯の電源入れっぱなしじゃ居場所バレちゃうよー」
もしかしてGPS? し、しまったわ!
「いい加減にしてください! 私たちを監視しないで!」
「おっと、勘違いされては困るな。僕は有益な情報を持って来たんだ。いわば君達の味方だよ」
彼は得意顔だ。けれども全く信用できない。
「貴方をどう信じろって言うのかしら?」
「池園さん。確かに僕は特命係のスパイだった。だけどね、ララさんのことは心配してたんだ。その一点では同志だと思うが?」
「それで忠実な下僕さん。専務やマネージャーを裏切れるの?」
「ふふん。門前派はこれでジ•エンドだ。僕は泥舟に乗るほど愚かじゃない」
東薔薇さんは自信満々に一枚のテキストデータをテーブルに置いた。
「こ、これは……!?」
「花さん、このオフィスは契約延長するから引き続き一緒に調査しましょうね」
「はい勿論……ですが、ここの費用って?」
「経費は係長のポケットマネーよ」
警察の退職金でも充ててるのでしょうか? 基盤の復元だって一件五十万だったとか。それが五件……相当な金額だ。正に人生懸けてる。上手く進めば良いけど、ちょっぴり不安だな。
「池園先輩。国税局はどう動きますか?」
「そうね。先ずは取引先を徹底的に調べるわ。裏帳簿を見つけるまでは止めない」
「それで見つかったら?」
「本丸……つまり我が社へ視察が入る」
「証拠は出てくるのでしょうか?」
「恐らく慌てて領収書を破棄するでしょう」
「じゃあ?」
「その先は私にも分からない。ただ、領収書を管理し破棄した人がララの失踪に関わってると思うの」
ーーと、その時だった。
カツンカツンと足音が鳴り響く。何者かが秘密のオフィスに近づいてくる。係長にしては早過ぎだ。では一体誰なのか……?
「ふーん、なーるほど。ここがアジトだったんだ」
爽やかな笑顔を振りまくこの男性。
「ひ、東薔薇さ……ん!?」
私たちは唖然とする。そして直感的にマズいと感じた。
「ダメだよ、綾坂さん。業務用携帯の電源入れっぱなしじゃ居場所バレちゃうよー」
もしかしてGPS? し、しまったわ!
「いい加減にしてください! 私たちを監視しないで!」
「おっと、勘違いされては困るな。僕は有益な情報を持って来たんだ。いわば君達の味方だよ」
彼は得意顔だ。けれども全く信用できない。
「貴方をどう信じろって言うのかしら?」
「池園さん。確かに僕は特命係のスパイだった。だけどね、ララさんのことは心配してたんだ。その一点では同志だと思うが?」
「それで忠実な下僕さん。専務やマネージャーを裏切れるの?」
「ふふん。門前派はこれでジ•エンドだ。僕は泥舟に乗るほど愚かじゃない」
東薔薇さんは自信満々に一枚のテキストデータをテーブルに置いた。
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