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第三部
23. お手つきの巻⑥
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不本意ながら私は、嫌味ったらしい先輩お手つきであるへクセのお部屋で指導を受ける羽目になった。
「だーかーらー、それじゃ、おっさんだっちゅーの!マジなの貴女?ホントに貴族⁉︎」
くそう。……腹が立つ。腹が立つ。
「あの、あまりこういう事しなかったので……」
「いえいえ、これくらいは常識よ。貴女酷すぎ!あー、これじゃグレース組が大恥かくじゃない!」
「はあ……」
私はいい加減うんざりしていた。納得してないままお手つきさんにさせられて、わけの分からないウォーキングを馬鹿にされながら教えて貰ってる境遇に嫌気が差していたのです。
あー、やる気なし!ナッシングよ!
「だいたい、教わる気があるの!」
いえ、ないけどね。
「はあ……」
「なーに?何とか言いなさいよ?」
「何でもありません」
「気に食わないわね。一人前になりたかったら私の言うこと聞きなさい!」
「はあ……」
「あ、そう!そう言う態度するんだ。もう知らない。私には指導出来ませんってグレース様に報告しますから!」
あー、面倒臭いなコイツ!でも、お手つき解消はまだ決まってないし……仕方ないか……くそう。
「ご指導をお願いしまーす」
「ふん!貴女の生意気な態度が気に入らないわ」
「あ、すいません」
「あのね、私は序列3番なの!もっと礼節をもって接しなさいよ」
「はい。すいません」
「いえ、誠意を全く感じないわ」
チッ!うるさいな、いちいち!
「へクセ様、申し訳ありませんでした。ご指導、宜しくお願いしまーす」
「ヤダね。私の教えを乞いたいなら、そうね……土下座してもらおうかしら」
「ど、土下座ですか⁉︎」
「そうよ。私も貴女のために時間を割いてるの。それくらいは当然でしょう?」
ったく!偉そうに!
私は我慢の限界が来ました。いえ、とっくに来てましたけど無理矢理フタを閉めてたようで、ついパコーンと外れてしまったのです!
「土下座?そんなもの見て優越感に浸るわけ?」
「はあ?」
「ふざけんな、この嫌味ばばあ!もう結構よ!私、宮廷行列なんかしませんから!」
へクセは開き直った私に驚いていたけど、やがて冷静になり、しめしめと言う表情を浮かべている。
「ふぅぅん、じゃ貴女はお手つきを自ら辞退するって事なのね。分かったわ。伝えておきましょう」
「どうぞ、お好きに。ではご機嫌よう。この嫌味ばばあ!」
クルッとへクセに背を向けて私は颯爽とお部屋を後にした。
歩きながら「あー、やっちったかなー?」と少々後悔しましたが、それより廊下にある等身大の鏡に私の歩く姿が写り、「あ、そこそこウォーキング出来てるじゃん」と思っちゃいました。
……いえ、もう遅いですけどね。
***
部屋に戻ってドレス姿のままベッドへダイビングし、フテ寝していたらエミリーの大声で目が覚めた。
「ポピー様!ポピー様っ!」
「なあに、エミリー…ふぁぁぁああああ」
「ふぁぁあ、じゃありません!お手つきを辞退するって本当ですか⁉︎そんな事出来ませんよ!」
「……だって、やりたくないもん」
「総取締役がカンカンに怒ってます。今から弁明に参りましょう!」
「ヤダ!」
「ポピー様!」
と、私が駄々をこねてたその時です。
「ポピー⁉︎ポピー・パーキー⁉︎居るんでしょう!」
「えっ?誰よ?」
エミリーが扉に行くと、そこには総取締役のアメリアが立っていた。血相を変えてやって来たのです。ただ事ではありません。
「ア、アメリア様!い、今、お伺いしようと」
慌てるエミリーを無視してアメリアは、お部屋の中までズカズカと入ってきた。
ヤバい。超怒られるかも!
「ポピー、殿下がお呼びです!」
「殿下が?何で?」
「貴女を御所望だそうです!エミリー、直ぐにお支度を!」
はい?私を所望って⁉︎まあ、そんなのどうでもいいわ。ちょうど良い機会です。キース様、いえ、エリオット皇太子に文句を言ってやる!
お父様、私を騙した皇太子に八つ当たりします!もしかしたら我が家は没落するかもしれませんが、お許しくださいね。もう我慢出来ませんから!
「だーかーらー、それじゃ、おっさんだっちゅーの!マジなの貴女?ホントに貴族⁉︎」
くそう。……腹が立つ。腹が立つ。
「あの、あまりこういう事しなかったので……」
「いえいえ、これくらいは常識よ。貴女酷すぎ!あー、これじゃグレース組が大恥かくじゃない!」
「はあ……」
私はいい加減うんざりしていた。納得してないままお手つきさんにさせられて、わけの分からないウォーキングを馬鹿にされながら教えて貰ってる境遇に嫌気が差していたのです。
あー、やる気なし!ナッシングよ!
「だいたい、教わる気があるの!」
いえ、ないけどね。
「はあ……」
「なーに?何とか言いなさいよ?」
「何でもありません」
「気に食わないわね。一人前になりたかったら私の言うこと聞きなさい!」
「はあ……」
「あ、そう!そう言う態度するんだ。もう知らない。私には指導出来ませんってグレース様に報告しますから!」
あー、面倒臭いなコイツ!でも、お手つき解消はまだ決まってないし……仕方ないか……くそう。
「ご指導をお願いしまーす」
「ふん!貴女の生意気な態度が気に入らないわ」
「あ、すいません」
「あのね、私は序列3番なの!もっと礼節をもって接しなさいよ」
「はい。すいません」
「いえ、誠意を全く感じないわ」
チッ!うるさいな、いちいち!
「へクセ様、申し訳ありませんでした。ご指導、宜しくお願いしまーす」
「ヤダね。私の教えを乞いたいなら、そうね……土下座してもらおうかしら」
「ど、土下座ですか⁉︎」
「そうよ。私も貴女のために時間を割いてるの。それくらいは当然でしょう?」
ったく!偉そうに!
私は我慢の限界が来ました。いえ、とっくに来てましたけど無理矢理フタを閉めてたようで、ついパコーンと外れてしまったのです!
「土下座?そんなもの見て優越感に浸るわけ?」
「はあ?」
「ふざけんな、この嫌味ばばあ!もう結構よ!私、宮廷行列なんかしませんから!」
へクセは開き直った私に驚いていたけど、やがて冷静になり、しめしめと言う表情を浮かべている。
「ふぅぅん、じゃ貴女はお手つきを自ら辞退するって事なのね。分かったわ。伝えておきましょう」
「どうぞ、お好きに。ではご機嫌よう。この嫌味ばばあ!」
クルッとへクセに背を向けて私は颯爽とお部屋を後にした。
歩きながら「あー、やっちったかなー?」と少々後悔しましたが、それより廊下にある等身大の鏡に私の歩く姿が写り、「あ、そこそこウォーキング出来てるじゃん」と思っちゃいました。
……いえ、もう遅いですけどね。
***
部屋に戻ってドレス姿のままベッドへダイビングし、フテ寝していたらエミリーの大声で目が覚めた。
「ポピー様!ポピー様っ!」
「なあに、エミリー…ふぁぁぁああああ」
「ふぁぁあ、じゃありません!お手つきを辞退するって本当ですか⁉︎そんな事出来ませんよ!」
「……だって、やりたくないもん」
「総取締役がカンカンに怒ってます。今から弁明に参りましょう!」
「ヤダ!」
「ポピー様!」
と、私が駄々をこねてたその時です。
「ポピー⁉︎ポピー・パーキー⁉︎居るんでしょう!」
「えっ?誰よ?」
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「ア、アメリア様!い、今、お伺いしようと」
慌てるエミリーを無視してアメリアは、お部屋の中までズカズカと入ってきた。
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「殿下が?何で?」
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はい?私を所望って⁉︎まあ、そんなのどうでもいいわ。ちょうど良い機会です。キース様、いえ、エリオット皇太子に文句を言ってやる!
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