6 / 105
6.大衆食堂
しおりを挟む
「ここがペチェア島の繁華街です!」
「わあーー!」
古い街並みと自然が調和した、どこか懐かしく思えるノスタルジーな光景にココロときめいた。道幅は狭くレトロな建物が並んでいる。山や海も視野に入り、まるで別荘地へ来た気分だ。
「まあ、王都の様なモダンな雰囲気じゃないけど、一応生活必需品は何でも揃ってます」
「いい!素敵な街並みよ!」
「そ、そお?そう言って頂けると嬉しいです」
だって雰囲気もそうだけど、ここはお洋服屋さん、お菓子屋さん、八百屋さん、お魚屋さん、お風呂屋さん…何でもあるよ!
それに焼いたお魚のいい匂いがする。
「大衆食堂?」
「アニエス様、ひょっとしてお腹空きました?」
「う、うん」
そう言えば朝から何も口にしていなかった。と言うか、大衆食堂ってなに?お食事するホールよね?
「入りましょうか?」
「あ、でも…」
「どうしました?」
「わたくし無一文でした。拘束されてそのまま船に乗せられたから」
「心配いりません。ここのお代は経費から出しますよ。それにアニエス様には王都から月々お給金が入ります。お金のことはお気になさらず」
「え?そうなの?罪人なのに?」
「特別待遇ですからね」
いいのかな…。何もしないのにお給金貰えるなんて聞いてなかったよ。でもお腹空いた。まあ難しいことは後で考えようか。
「コリンヌも行こうよ」
「わ、私もですか?バルナバ様?」
「大丈夫だよ。だってベルティーユが来ないのがいけないだから」
「…は、はあ」
わたくしは戸惑うコリンヌの手を握って、バルナバさんと大衆食堂とやらへ入った。
「いらっしゃい!三名様ですねー!」
こじんまりとした食堂にはカウンターとテーブルがあり、ほぼ満席になっている。この店内には美味しい匂いが充満していた。わたくしは人生初の食堂に心が躍る。食事と言えばグレート・ホールやダイニングルームだったから。
「まあまあ、綺麗なお嬢様だねえ!バルナバ、紹介しな!まさかアンタの?」
「お、女将さん。違いますよ。この御方は…」
彼は紹介を躊躇した。「罪人です!」とは言い難い様だ。でもここは囚人の島。何も言わず女将は察したみたいだ。
「あら、アンタの彼女じゃないなら訳ありのお嬢様なんだね」
「まあ、そう言うこと」
「お名前は?」
「アニエスです」
「そう。アニエス、何が食べたい?」
うーん、迷っちゃうなあ。全部美味しそうだよー。
「お任せしますわ」
「あいよー!じゃ、自慢のスープから出しちゃうからね!」
「はい!」
ガヤガヤと賑やかで活気のある食堂だ。人の出入りも激しく女将は忙しそうに働いてる。そんな様子を眺めているとテーブルにスープが並べられた。
「あ、美味しそう!」
「アニエス様、遠慮なく食べてくださいね。ほらコリンヌも」
「は、はい」
も~うたまりませんわ。
わたくしは早速スープを口にする。
「こ、これは!?」
「いかがしました?」
「美味しい!凄く美味しいよ!」
「そうですか。気に入って良かったです」
何これ?初めての味わい。おダシから香辛料から何もかも今まで食したことのないスープだわ。お魚の具もお野菜も上手く溶け込んでいる。こんな美味しいもの毎日食べたいよ!
わたくしは夢中で口に入れた。食べながら思ったことがある。
…自分でも作れないかしら?
「わあーー!」
古い街並みと自然が調和した、どこか懐かしく思えるノスタルジーな光景にココロときめいた。道幅は狭くレトロな建物が並んでいる。山や海も視野に入り、まるで別荘地へ来た気分だ。
「まあ、王都の様なモダンな雰囲気じゃないけど、一応生活必需品は何でも揃ってます」
「いい!素敵な街並みよ!」
「そ、そお?そう言って頂けると嬉しいです」
だって雰囲気もそうだけど、ここはお洋服屋さん、お菓子屋さん、八百屋さん、お魚屋さん、お風呂屋さん…何でもあるよ!
それに焼いたお魚のいい匂いがする。
「大衆食堂?」
「アニエス様、ひょっとしてお腹空きました?」
「う、うん」
そう言えば朝から何も口にしていなかった。と言うか、大衆食堂ってなに?お食事するホールよね?
「入りましょうか?」
「あ、でも…」
「どうしました?」
「わたくし無一文でした。拘束されてそのまま船に乗せられたから」
「心配いりません。ここのお代は経費から出しますよ。それにアニエス様には王都から月々お給金が入ります。お金のことはお気になさらず」
「え?そうなの?罪人なのに?」
「特別待遇ですからね」
いいのかな…。何もしないのにお給金貰えるなんて聞いてなかったよ。でもお腹空いた。まあ難しいことは後で考えようか。
「コリンヌも行こうよ」
「わ、私もですか?バルナバ様?」
「大丈夫だよ。だってベルティーユが来ないのがいけないだから」
「…は、はあ」
わたくしは戸惑うコリンヌの手を握って、バルナバさんと大衆食堂とやらへ入った。
「いらっしゃい!三名様ですねー!」
こじんまりとした食堂にはカウンターとテーブルがあり、ほぼ満席になっている。この店内には美味しい匂いが充満していた。わたくしは人生初の食堂に心が躍る。食事と言えばグレート・ホールやダイニングルームだったから。
「まあまあ、綺麗なお嬢様だねえ!バルナバ、紹介しな!まさかアンタの?」
「お、女将さん。違いますよ。この御方は…」
彼は紹介を躊躇した。「罪人です!」とは言い難い様だ。でもここは囚人の島。何も言わず女将は察したみたいだ。
「あら、アンタの彼女じゃないなら訳ありのお嬢様なんだね」
「まあ、そう言うこと」
「お名前は?」
「アニエスです」
「そう。アニエス、何が食べたい?」
うーん、迷っちゃうなあ。全部美味しそうだよー。
「お任せしますわ」
「あいよー!じゃ、自慢のスープから出しちゃうからね!」
「はい!」
ガヤガヤと賑やかで活気のある食堂だ。人の出入りも激しく女将は忙しそうに働いてる。そんな様子を眺めているとテーブルにスープが並べられた。
「あ、美味しそう!」
「アニエス様、遠慮なく食べてくださいね。ほらコリンヌも」
「は、はい」
も~うたまりませんわ。
わたくしは早速スープを口にする。
「こ、これは!?」
「いかがしました?」
「美味しい!凄く美味しいよ!」
「そうですか。気に入って良かったです」
何これ?初めての味わい。おダシから香辛料から何もかも今まで食したことのないスープだわ。お魚の具もお野菜も上手く溶け込んでいる。こんな美味しいもの毎日食べたいよ!
わたくしは夢中で口に入れた。食べながら思ったことがある。
…自分でも作れないかしら?
4
あなたにおすすめの小説
断罪の準備は完璧です!国外追放が楽しみすぎてボロが出る
黒猫かの
恋愛
「ミモリ・フォン・ラングレイ! 貴様との婚約を破棄し、国外追放に処す!」
パルマ王国の卒業パーティー。第一王子アリオスから突きつけられた非情な断罪に、公爵令嬢ミモリは……内心でガッツポーズを決めていた。
(ついにきたわ! これで堅苦しい王妃教育も、無能な婚約者の世話も、全部おさらばですわ!)
婚約破棄で悪役令嬢を辞めたので、今日から素で生きます。
黒猫かの
恋愛
「エリー・オルブライト! 貴様との婚約を破棄する!」
豪華絢爛な夜会で、ウィルフレッド王子から突きつけられた非情な宣告。
しかし、公爵令嬢エリーの心境は……「よっしゃあ! やっと喋れるわ!!」だった。
断罪中、味方が多すぎて王子が孤立している件について
夏乃みのり
恋愛
バーンスタイン伯爵家の令嬢ラミリアは、魔力も剣の才能もない「ごく普通」の地味な女性。
ある日のパーティーで、婚約者であるジェラルド第二王子から「地味で無能で嫉妬深い」と罵られ、身に覚えのない罪で婚約破棄を突きつけられてしまう。
しかし、断罪劇は予想外の展開へ。
悪役令嬢ですが、兄たちが過保護すぎて恋ができません
由香
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢・セレフィーナに転生した私。
破滅回避のため、目立たず静かに生きる――はずだった。
しかし現実は、三人の兄による全力溺愛&完全監視生活。
外出には護衛、交友関係は管理制、笑顔すら規制対象!?
さらに兄の親友である最強騎士・カインが護衛として加わり、
静かで誠実な優しさに、次第に心が揺れていく。
「恋をすると破滅する」
そう信じて避けてきた想いの先で待っていたのは、
断罪も修羅場もない、安心で騒がしい未来だった――。
[完]本好き元地味令嬢〜婚約破棄に浮かれていたら王太子妃になりました〜
桐生桜月姫
恋愛
シャーロット侯爵令嬢は地味で大人しいが、勉強・魔法がパーフェクトでいつも1番、それが婚約破棄されるまでの彼女の周りからの評価だった。
だが、婚約破棄されて現れた本来の彼女は輝かんばかりの銀髪にアメジストの瞳を持つ超絶美人な行動過激派だった⁉︎
本が大好きな彼女は婚約破棄後に国立図書館の司書になるがそこで待っていたのは幼馴染である王太子からの溺愛⁉︎
〜これはシャーロットの婚約破棄から始まる波瀾万丈の人生を綴った物語である〜
夕方6時に毎日予約更新です。
1話あたり超短いです。
毎日ちょこちょこ読みたい人向けです。
「僕が望んだのは、あなたではありません」と婚約破棄をされたのに、どうしてそんなに大切にするのでしょう。【短編集】
長岡更紗
恋愛
異世界恋愛短編詰め合わせです。
気になったものだけでもおつまみください!
『君を買いたいと言われましたが、私は売り物ではありません』
『悪役令嬢は、友の多幸を望むのか』
『わたくしでは、お姉様の身代わりになりませんか?』
『婿に来るはずだった第五王子と婚約破棄します! その後にお見合いさせられた副騎士団長と結婚することになりましたが、溺愛されて幸せです。 』
『婚約破棄された悪役令嬢だけど、騎士団長に溺愛されるルートは可能ですか?』
他多数。
他サイトにも重複投稿しています。
【完結】冷遇され続けた私、悪魔公爵と結婚して社交界の花形になりました~妹と継母の陰謀は全てお見通しです~
深山きらら
恋愛
名門貴族フォンティーヌ家の長女エリアナは、継母と美しい義妹リリアーナに虐げられ、自分の価値を見失っていた。ある日、「悪魔公爵」と恐れられるアレクシス・ヴァルモントとの縁談が持ち込まれる。厄介者を押し付けたい家族の思惑により、エリアナは北の城へ嫁ぐことに。
灰色だった薔薇が、愛によって真紅に咲く物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる