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101.変人
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※バルナバ視点
「で、で、殿下あぁぁ…」
「バルナバ、気にするな」
気にしますよお。だってガルグイユですよ?怪物の仮面被っちゃって、この人絶対おかしいでしょ!?
と、思ったら直ぐにカーテンが閉じられて少しホッとした。いや、ホッとしてる場合じゃない。
う~~っ、早く帰りたい。こんな不気味なとこ居たくないよお…。
そんな雰囲気を察してくれたのか殿下は腰を上げてくれた。
「では、これで失礼します」
僕は熱々の紅茶を無理にゴクゴク飲み込んで、口の中が火傷しながらも、慌てて殿下について行く。
「ジェラール?」
「はい」
おいおい、もう用事は済んだ。呼び止めんなよ。
「もっと訪ねに来てね。寂しいから」
「そう思っていたのですか?」
「ええ、色々話したいことがあるの」
「分かりました。では日を改めて…」
ふぅぅーー。
やっとこの場から離れることができた。僕は無言で前を歩く殿下に尋ねずにはいられない。
「あの、彼女は一体何者ですか?」
「ああ、話してなかったな。グレースは私の姉…」
「…は?」
「王女だ」
「…は?」
な、何でお姉様が監獄に?つか、あれ王女なの?
「実はな…」
殿下はポツリポツリと話し始めた。十歳上の姉は幼いアニエスの指導もしていたジョリー王国一の武術家だった。山へ篭って熊を相手に修行する筋金入りのマニアでカラダ中が傷だらけとか。
「我が父とは折り合いが悪くてな」
「ビルニー元陛下と?」
長年の修行が祟ってか、腫れ上がった醜い顔が気に入らない元陛下は、何度か無理やり公爵家へ嫁がせようと画策するものの「自分より弱い奴とは一緒にならない」って暴れて、子息が逃げ出すことが多々あったそうな。
「そ、それで…?」
「うむ、怒った陛下は彼女を島流しにしたんだ…」
だけど島にも馴染めない彼女は、やがて民から恐れられ浮いた存在になっていったらしい。それを心配した元領主が、素行の悪い囚人の指導役として監獄へ招いたのだ。
島で生まれ育った僕だけど、全然知らなかったな。いや待てよ。子供の頃、親からあのお屋敷にはお化けが居るから近寄るなって言われた記憶があるぞ。あれは王女のことだったのか?あ、でも…。
「ち、ちょっと待って!だったら彼女は囚人ではない?」
「ああ。指導員だ」
「何で囚人っぽくなってるの?」
「指導方針でな、大部屋で一緒に生活を始めたんだ。皆んな知らないから囚人だと思って騒乱が始まった。そして次々とリーダーを殴り倒し、総ボスへ昇り詰めたのさ」
「…意味が分からない」
「まあな。ただ、姉は監獄の暮らしが気に入ってる様だ。囚人棟の秩序を保つことが王族である自分の役割だと感じているのだろう」
そんな姉の存在をこれまで隠していた殿下は、彼女を苦手としてる様に見えるが?…まあ確かに熊と闘いコウモリを飼い、仮面被って過ごしてる変人だ。気持ちは分かります。
「実は私が島へ赴任したのも姉の面倒を見る側面があったんだ。影ながら支援はしていたが、あまり接触はしなかった。それに王都のクーデターも伝えてない。薄々は感じてるかも知れないが動揺されては困るからな」
そんな凄い変人にカリーヌはブチのめされるのかと思うと、僕は不安でしかなかった…。
「で、で、殿下あぁぁ…」
「バルナバ、気にするな」
気にしますよお。だってガルグイユですよ?怪物の仮面被っちゃって、この人絶対おかしいでしょ!?
と、思ったら直ぐにカーテンが閉じられて少しホッとした。いや、ホッとしてる場合じゃない。
う~~っ、早く帰りたい。こんな不気味なとこ居たくないよお…。
そんな雰囲気を察してくれたのか殿下は腰を上げてくれた。
「では、これで失礼します」
僕は熱々の紅茶を無理にゴクゴク飲み込んで、口の中が火傷しながらも、慌てて殿下について行く。
「ジェラール?」
「はい」
おいおい、もう用事は済んだ。呼び止めんなよ。
「もっと訪ねに来てね。寂しいから」
「そう思っていたのですか?」
「ええ、色々話したいことがあるの」
「分かりました。では日を改めて…」
ふぅぅーー。
やっとこの場から離れることができた。僕は無言で前を歩く殿下に尋ねずにはいられない。
「あの、彼女は一体何者ですか?」
「ああ、話してなかったな。グレースは私の姉…」
「…は?」
「王女だ」
「…は?」
な、何でお姉様が監獄に?つか、あれ王女なの?
「実はな…」
殿下はポツリポツリと話し始めた。十歳上の姉は幼いアニエスの指導もしていたジョリー王国一の武術家だった。山へ篭って熊を相手に修行する筋金入りのマニアでカラダ中が傷だらけとか。
「我が父とは折り合いが悪くてな」
「ビルニー元陛下と?」
長年の修行が祟ってか、腫れ上がった醜い顔が気に入らない元陛下は、何度か無理やり公爵家へ嫁がせようと画策するものの「自分より弱い奴とは一緒にならない」って暴れて、子息が逃げ出すことが多々あったそうな。
「そ、それで…?」
「うむ、怒った陛下は彼女を島流しにしたんだ…」
だけど島にも馴染めない彼女は、やがて民から恐れられ浮いた存在になっていったらしい。それを心配した元領主が、素行の悪い囚人の指導役として監獄へ招いたのだ。
島で生まれ育った僕だけど、全然知らなかったな。いや待てよ。子供の頃、親からあのお屋敷にはお化けが居るから近寄るなって言われた記憶があるぞ。あれは王女のことだったのか?あ、でも…。
「ち、ちょっと待って!だったら彼女は囚人ではない?」
「ああ。指導員だ」
「何で囚人っぽくなってるの?」
「指導方針でな、大部屋で一緒に生活を始めたんだ。皆んな知らないから囚人だと思って騒乱が始まった。そして次々とリーダーを殴り倒し、総ボスへ昇り詰めたのさ」
「…意味が分からない」
「まあな。ただ、姉は監獄の暮らしが気に入ってる様だ。囚人棟の秩序を保つことが王族である自分の役割だと感じているのだろう」
そんな姉の存在をこれまで隠していた殿下は、彼女を苦手としてる様に見えるが?…まあ確かに熊と闘いコウモリを飼い、仮面被って過ごしてる変人だ。気持ちは分かります。
「実は私が島へ赴任したのも姉の面倒を見る側面があったんだ。影ながら支援はしていたが、あまり接触はしなかった。それに王都のクーデターも伝えてない。薄々は感じてるかも知れないが動揺されては困るからな」
そんな凄い変人にカリーヌはブチのめされるのかと思うと、僕は不安でしかなかった…。
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