ご主人様は若い女性が苦手なのです。

鼻血の親分

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第三章〜ご主人様を攻略致しますので〜

26. ご主人様はとても素敵です

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 ※最終回

「おお。こちらの御方が例の……」

 何度このフレーズを聞いたことでしょう。パレードから始まり、ここ王宮でも大勢に囁かれます。

「はい。彼女が僕の妻、ディアナです!」

 ご主人様はその度に大きな声でお返事なさいます。例えそれが国王様に対してでも……

「ほう。美しいではないか。ブルクハルト、今度こそは逃げられない様にな」
「はっ。絶対に離しません」
「ふむむ。ここまで力強く宣言するとは」

 わたくしは緊張のしっ放しです。雲の上の存在であられる国王様を御前にして微笑もできません。

「ディアナとやら」
「は、はい」

 なんと、国王様がお声掛けくださいました。

「三度目の正直だ。彼を宜しく頼むぞ」 
「かしこまりました。一生お支え致します」
「うむ。良くぞ申した。はっはっはっは」

 あー、つい国王様に力強く宣言しちゃいました。けれどもその気持ちに偽りはありません。わたくしは彼の妻として、一生を捧げる覚悟ですから……


 ☀︎☀︎☀︎


 さて、国王様への拝謁を終えるといよいよ夜会の準備に取り掛かります。華々しい舞台は苦手でございます。多くの貴族夫妻と一緒にダンスを披露しなければなりません。ただでさえ注目を浴びてる中、さしたる得意でもないダンスをお見せしなければならないのはプレッシャー以外の何物でもないのです。

「奥様、とてもお似合いですよ」
「カトリーヌ、何だか不安だわ」
「大丈夫です。あんなに練習なさったのだから」

 煌びやかなドレスを身に纏いながらも浮かない表情のわたくしを彼女は励ましてくれます。

 うーん。ご主人様の苦手意識を治療した自分が「華々しい舞台とダンスが苦手です」って言ったら叱られそうですわね。……ここは頑張らねば。

「よし。参りましょう」

 ご主人様と合流し、彼のエスコートで王宮のホールへ参りした。予想通り、多くの貴族たちがわたくしどもを好奇の目で見ております。

「ご、ご主人様……」
「気にすることはない。僕の目は君しか映らないよ。さ、踊ろうか」
「はい」

 お優しいです。わたくしも周りの目など気にせずリズムに合わせステップを踏みましょう。このオーケストラは自分たちだけのためにあるのです。

「ディアナ」
「何でしょう」
「愛してるよ」
「……」

 きゃー、恥ずかしい。でも嬉しいー。

「ありがとう。わたくしもです」

 もう完全に二人っきりの世界を満喫しました。上手い下手はともかく。



 嫁いだ時はまさかこんな展開になるとは想像もしてませんでした。けれど今はとても幸せです。

 この後、辺境のお屋敷に戻るとわたくしは暖かく本邸へ迎えられ、素敵なご主人様とともに暮らすことが叶いました。

 正式な伯爵夫人として……



 『ご主人様は若い女性が苦手なのです。』


        ーー 完 ーー



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感想 2

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みんなの感想(2件)

黒幸
2022.02.27 黒幸

完結、お疲れ様でした!
あの時、ご主人様がディアナに出会ったのは偶然ではなく、運命だったのかなと思えるくらい溺愛ダーリンに進化しましたね。
やれば出来る人というか、有能だけどシャイでメンタル弱すぎ!なのが欠点なだけでしたっけ。
もしも、ディアナが伯爵家に来ていなければ、彼と使用人達の間の絆は互いに大事に思っているのにボタンを掛け違えたままだったのでご主人様の溺愛振りと使用人の崇拝で子孫にまでディアナは女神のようだったとか、伝えられそう!?と妄想しちゃいました。

2022.02.27 鼻血の親分

くろいゆき様。
いつも感想ありがとうございます♪

正しく運命の出逢いでしたね。持ち前のポジティブ思考と薬剤師目線で伯爵様の心を溶かしちゃいました。二人はこれから幸せに暮らすと思います。伯爵邸の皆さんと共に。

解除
有賀冬馬
2022.02.07 有賀冬馬

はじめまして!
こういうの好きです(^_^)
楽しみにしています!

2022.02.07 鼻血の親分

有賀冬馬様。
はじめまして。感想ありがとうございます。嬉しいです♪
ここからディアナがシャイなご主人様を攻略しますので暖かく見守ってくださいね(^^)

解除

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