婚約破棄された悪役令嬢は、階段から突き落とされ記憶を失う。気がつけば召使いに〜。

鼻血の親分

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第4話 貴女に忠誠をお誓い致しますー!!

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「わたくしはゼアス家の召使いでございます」



***



 宮殿の中にあるゼアス公爵家の公務室は広く豪華絢爛な空間だった。その中に幾つかのくつろげる小部屋があり素敵なご令嬢さまがわたくしを待っていたようだ。

「ララコスティ、このドレス似合うかしら?」
「モモシャリーさま、とってもお似合いです」
「あらー、お前がパーティで着てたドレスなのよ」
「ご、ご冗談を」
「うん⁈ トボけてるの? ま、いいか。それよりお紅茶頂戴! 早くして!」
「かしこまりました」

 わたくしは急いでお紅茶の準備をする。その間、モモシャリーさまたちの会話が漏れ聞こえてきた。

「あの召使い……性格が変わったようですが自分の運命を受け入れたのでしょうか?」
「サラーニャ、騙されてはいけませんよ。なんせ悪役令嬢ですから。何かお考えがあってのこと」

 うーん、わたくしはものすごく性格の悪い女性だったようですね。でも何のことだかさっぱり思い出せない。なーんて考えてる暇もないわ。急がなくっちゃ!

「お紅茶をお持ち致しました」
「…………」

 モモシャリーさまは何も言わずお紅茶を口にするけど、「あら」とスプーンを床へ落とされてしまった。

「拾いなさい。ララコスティ」
「は、はい」

 わたくしは慌ててスプーンを拾い、取り替えに行く。モモシャリーさまたちの失笑する声が聞こえた。

「ああそうそう、ララコスティ。お前の親だけど」
「あ、はい」

 親? どんなお顔だったかしら? 全く覚えてないわ。

「公爵位剥奪の上、昨日国外に追放されましたの。何処へ行ったのか知りたくない?」
「いえ。知ったところでお会いできないと存じますので」
「なーに、可愛くないわねぇ。心配じゃないの?」
「心配では……あります」

 記憶がないから哀しみがあまりないの。

「隣のお国ね。悲惨よお。内戦が長引いてて、上手く生活できるのかしら。命の保証もないわ」
「そうなんですね」
「ララコスティ、お前は安全なここに居て良かったでしょう。私のおかげよ。感謝しなさい」
「それはご配慮頂きありがとうございます」
「おい、ひざまずくんだよ!」

 サラーニャさまに髪の毛を掴まれ引っ張られた。

 い、いったーい!

「も、申し訳ございません」

 わたくしは床へ這いつくばり御礼を申し上げる。

「助けて頂きありがとうございます。この上はモモシャリーさまに忠誠をお誓い致しますー」

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