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第16話 えーーっ⁈何なのよ、ここは!!
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「いえいえ、執事や召使いが在宅でございましたが?」
「……貴女は記憶が飛んじゃってるから勘違いしてるんだわ。その衣装はきっと何処かの同級生からお情けで貰ったのよ」
ふん! 違うわよって反論したいけど、あまり言うと記憶が戻ってることがバレそうだから、これ以上はやめといた方がいいわね。
「申し訳ございません。わたくしの思い違いでした」
「でしょう! でも気になるわー、誰が同情したのかしら」
「もはや記憶にございません」
それにしても──。
モモシャリーはルイ家が国外追放されたと思い込んでるわ。確かにシンクリア王子はあのパーティで命令したわよね。でも実際は国王の密命で隣国へ赴任してるだけ。ん? そうか、密命だから王子には知らされてないんだ。じゃあ、王子の命令は何だったのよ⁈ あー、考えればわからないことだらけだわ。とにかくタカフミィーニさまが仰ってた「ゼアス家の仕掛けた陰謀」とやらを探るしかないようね!
***
それから約1ヶ月が経過したけど何も掴むこともなく、気がつけば同窓会を兼ねた婚約パーティが間近に迫っていた。わたくしはその会場でもゼアス家の召使いとしてお給仕をするよう命令されている。
そんなある日のこと。
「ララコスティさま、休日の宮殿は人の出入りが少なくて良いですね」
「あ、今日は休日なのね。アプレン」
召使いに休日とか関係ないの。でも公務室に誰も居ないのはチャンスよ。今日こそは何か見つけなくっちゃ!
「わたくしはゼアスさまのお部屋を探ってみるから見張っていてね」
「うん、お任せください!」
さて、何度もお掃除してるこのお部屋は、机の中から書棚に至るまで全てを把握していた。いつものようにお掃除しながら探索してみるけど……。
「うーん、特に変化なしか。書類で怪しいものはないし、書籍が増えてるわけでもないなぁ。はぁー……」
書棚には本がぎっしりと詰められているが、ある箇所だけは常に何も置かれていない。それを眺めながらもう1度ため息を吐いて空の棚へもたれかかった。と、その時だった。棚の1部がゴゴゴッと音を立てながら回転して、わたくしは思わずバランスを崩し倒れてしまった。
「えっ⁈ えーーっ! これ扉なのー⁈」
そこで見た光景に驚愕した。
隠し部屋ってこと⁈ 何なのここは⁈ ハッ! あれは金塊、しかも大量にあるわ!
わたくしは起き上がって、恐る恐る金塊が積まれたテーブルの前に立つ。
「何でこんなに金塊があるの⁈ ここは宮殿の金庫室じゃなくてよ!」
怪しいわ、すこぶる怪しい。
この小さな隠し部屋には金塊の他にも金貨、宝飾品などが棚にズラーッと並べられている。その棚の引き出しを開けると怪しげな書類が目に入った。それを手に取って見ると……。
「こ、これは不当に入手した金貨、金塊の流れが記されてるわ。それに色んな方々への献金記録も……」
「……貴女は記憶が飛んじゃってるから勘違いしてるんだわ。その衣装はきっと何処かの同級生からお情けで貰ったのよ」
ふん! 違うわよって反論したいけど、あまり言うと記憶が戻ってることがバレそうだから、これ以上はやめといた方がいいわね。
「申し訳ございません。わたくしの思い違いでした」
「でしょう! でも気になるわー、誰が同情したのかしら」
「もはや記憶にございません」
それにしても──。
モモシャリーはルイ家が国外追放されたと思い込んでるわ。確かにシンクリア王子はあのパーティで命令したわよね。でも実際は国王の密命で隣国へ赴任してるだけ。ん? そうか、密命だから王子には知らされてないんだ。じゃあ、王子の命令は何だったのよ⁈ あー、考えればわからないことだらけだわ。とにかくタカフミィーニさまが仰ってた「ゼアス家の仕掛けた陰謀」とやらを探るしかないようね!
***
それから約1ヶ月が経過したけど何も掴むこともなく、気がつけば同窓会を兼ねた婚約パーティが間近に迫っていた。わたくしはその会場でもゼアス家の召使いとしてお給仕をするよう命令されている。
そんなある日のこと。
「ララコスティさま、休日の宮殿は人の出入りが少なくて良いですね」
「あ、今日は休日なのね。アプレン」
召使いに休日とか関係ないの。でも公務室に誰も居ないのはチャンスよ。今日こそは何か見つけなくっちゃ!
「わたくしはゼアスさまのお部屋を探ってみるから見張っていてね」
「うん、お任せください!」
さて、何度もお掃除してるこのお部屋は、机の中から書棚に至るまで全てを把握していた。いつものようにお掃除しながら探索してみるけど……。
「うーん、特に変化なしか。書類で怪しいものはないし、書籍が増えてるわけでもないなぁ。はぁー……」
書棚には本がぎっしりと詰められているが、ある箇所だけは常に何も置かれていない。それを眺めながらもう1度ため息を吐いて空の棚へもたれかかった。と、その時だった。棚の1部がゴゴゴッと音を立てながら回転して、わたくしは思わずバランスを崩し倒れてしまった。
「えっ⁈ えーーっ! これ扉なのー⁈」
そこで見た光景に驚愕した。
隠し部屋ってこと⁈ 何なのここは⁈ ハッ! あれは金塊、しかも大量にあるわ!
わたくしは起き上がって、恐る恐る金塊が積まれたテーブルの前に立つ。
「何でこんなに金塊があるの⁈ ここは宮殿の金庫室じゃなくてよ!」
怪しいわ、すこぶる怪しい。
この小さな隠し部屋には金塊の他にも金貨、宝飾品などが棚にズラーッと並べられている。その棚の引き出しを開けると怪しげな書類が目に入った。それを手に取って見ると……。
「こ、これは不当に入手した金貨、金塊の流れが記されてるわ。それに色んな方々への献金記録も……」
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