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1章
1話
しおりを挟む揺れの少ない馬車に乗って国境を越えて2時間、やっと隣国の侯爵家に着いた。
「やっぱり金持ちの乗る馬車には慣れない気がするなぁ」
リアは馬車に乗る機会もあるが基本的には、かかる費用を抑えるため相乗りの馬車などを利用している。っといっても、それ以外にも移動手段は存在する。
馬車が止まり外に出てみるとそこには誰も立っていなかった。
「あー、歓迎されてないねー。まぁ、あのクソ姉、腐っても聖女だったし急に変えられたらこうなるか」
諦めた表情を浮かべながら自分の育った家より何倍も大きい屋敷の呼び鈴を鳴らした。
すぐに、執事らしき男性が向かってきて屋敷に入れさせてもらい、旦那様となる人がいる部屋まで案内してもらった。
その部屋に入ると、若くて顔が整っている人とイケおじ感がある人が座っていた。その近くには側近らしき人物が2人立っていた。婚約する人は20代前半と事前に調べていたので、若い方が旦那様になる人だと確信した。
リアは素を隠して挨拶をした。
「初めまして ラディオス侯爵家からきました アメリア=ラディオスと申します よろしくお願いします」
令嬢としての挨拶をして顔を上げると冷たい目でこちらを見ていた。
「こちらとしては、あなたに後継者を作ってもらうつもりは無い」
「この契約書にサインをしてくれ」
未来の旦那様になる人、イケおじ おそらく現侯爵に順番に言われた。
椅子に座りそれから机の上に置かれた契約書を見た。
要約するとこうだ、
「・屋敷の関係者に許可された場合以
外、屋敷に立ち入り禁止
・食料品や日用品は用意しないため
自分で調達する
・侯爵家に迷惑をかけない
・離れの屋敷を使うことを許可する
・跡継ぎはつくらない
・勝手な婚約者取りかえの慰謝料と
して、100万キーカ払うこと」 100万キーカは最高ランクであるリアにとって、はした金だった。
文句はなかったので、サインした。
そして契約の証でしてそして婚約指輪として指輪を貰いチェーンに通して首にかけた。
この契約に違反すれば1時間せずに死ぬということになっていた。
そのあと、メイドの派遣を断り、1人で離れの屋敷にいどうした。 次の日の昼、意外な人物が離れの屋敷に訪れた。
ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ
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