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第1話 朱色の髪の少女
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高校の帰り、同級生でもあり彼氏でもあるアキラくんの家に寄ってエッチして、あたし、電車で帰宅中。
雨の日の通学は面倒くさいけど、陸上部のあたし、基本部活が休みになるから好き。
アキラくんとの、放課後の激しくて温かなひとときを妄想して、授業中からわたしも濡れちゃう。
今日も、心も体も幸せいっぱい。
なんだけど、
ったく
左隣りの40歳くらいの男性が、あたしに腕をくっつけて一心不乱にスマホゲームに夢中。
モソモソモソモソとウザイ。超ウザイ。
気持ち悪い。もおっ、気持ち悪すぎっ。
あたし、とうとうガマンできずに言った。
「他人に腕を当てて揺らさないでくださいっ」
こういう場面は他の人でも見たわけで、注意する側は、ガマンにガマンを重ねてブチ切れた状態。
にも関わらず、スマホをやる側は、他人への迷惑に気付けるほどの感覚を持ち合わせていないから、自分のお楽しみを邪魔されて不機嫌になっちゃうから始末に困る。
そもそも、電車の中の人って、自分はいつでも正しいって人ばかりな感じで、できれば乗りたくない。
どんなに混んでいても、詰めない、避けない、押し返す人ばかり。みんなどうかしちゃってるよ。
あたしに注意された男性は、舌打ちをして、カラダをハスにしてスマホゲーム継続。
お約束な展開で逆ギレ? 舌打ちかよっ。しかも、脚まで組んでやがる。
ってその時、あたしの前に立つ女性が、あたしの思ったまんまのことを口にする。
「他人に迷惑をかけたくせして逆ギレして舌打ち? で、ゲーム続行? おまえ、病気かよ」
その女性、鼻にかかった甘ったるい弱低音ボイス。
でも、滑舌がよくて、しっかり通る声。
あたしと同い年くらいかな。
でも、派手。
髪型は、肩甲骨のあたりまで伸びた、前髪ぱっつんのストレート。朱色に染めていて、目にも朱色のカラーコンタクトを入れている。それでも、不気味さを感じさせないのは可愛らしい顔立ちのせいかな。
目尻がちょっと上がってはいるけれど、きつい感じの顔立ちじゃなくて、ネコ的な、かわいい系美人顔だ。
ちょっとうらやましい気はする。
うん、ほんのちょっとだけね。
服は、黒色ハイネックのノースリーブ。丈が短くておへそが丸見え。きゅっと締まったウエストが超セクシー。スカートも、黒い革で、これまた丈の短い超ミニスカート。ちょっと前にかがんだだけで下着が丸見えになっちゃいそう。黒のニーハイソックスもエッチな感じだなあ。
靴はこれも黒色。足首が隠れるくらいのショートブーツ。
あたしは、すっかりこの朱色の髪の女の子に気を取られて、スマホ野郎の存在はどうでもいい感じになっていた。けど、スマホ野郎は存在感を取り戻すように、バツが悪そうに立ち上がった。
「おいおい、ふてくされて逃げるのかよ」
朱色の髪の女の子がしつこく攻めにかかる。
いやいやいや、もうやめたほうがいい……
って思ったら、朱色の髪の女の子が、いきなり男性の顔に手のひらを当てて、座席に押し返すように、窓に男性の後頭部を叩きつけたっ。
まじかっ。
朱色の髪の女の子は、両手で吊り輪をつかんで体のバランスを取りながら、片足を高く上げて、足の裏で男性の顔面を踏みつけるように蹴りを入れる。
パンツ丸見えっ。白っ。あ、いや、それはどうでもよくて、
男性は、この最初の一撃で戦意喪失な状態。
それでも女の子は、顔面踏みつけキックを何度も繰り返す。
男性の鼻が潰れ、鼻血が噴き出す。
唇が切れてこれまた出血。
歯が折れ、カケラが床に落ちる。
男性は、まったく抵抗する間もなく、朱色の髪の女の子に何度も顔面を潰された。
おい、
おいおい、
待てよ、
おい、あたし、どうしたらいいんだあっ。
雨の日の通学は面倒くさいけど、陸上部のあたし、基本部活が休みになるから好き。
アキラくんとの、放課後の激しくて温かなひとときを妄想して、授業中からわたしも濡れちゃう。
今日も、心も体も幸せいっぱい。
なんだけど、
ったく
左隣りの40歳くらいの男性が、あたしに腕をくっつけて一心不乱にスマホゲームに夢中。
モソモソモソモソとウザイ。超ウザイ。
気持ち悪い。もおっ、気持ち悪すぎっ。
あたし、とうとうガマンできずに言った。
「他人に腕を当てて揺らさないでくださいっ」
こういう場面は他の人でも見たわけで、注意する側は、ガマンにガマンを重ねてブチ切れた状態。
にも関わらず、スマホをやる側は、他人への迷惑に気付けるほどの感覚を持ち合わせていないから、自分のお楽しみを邪魔されて不機嫌になっちゃうから始末に困る。
そもそも、電車の中の人って、自分はいつでも正しいって人ばかりな感じで、できれば乗りたくない。
どんなに混んでいても、詰めない、避けない、押し返す人ばかり。みんなどうかしちゃってるよ。
あたしに注意された男性は、舌打ちをして、カラダをハスにしてスマホゲーム継続。
お約束な展開で逆ギレ? 舌打ちかよっ。しかも、脚まで組んでやがる。
ってその時、あたしの前に立つ女性が、あたしの思ったまんまのことを口にする。
「他人に迷惑をかけたくせして逆ギレして舌打ち? で、ゲーム続行? おまえ、病気かよ」
その女性、鼻にかかった甘ったるい弱低音ボイス。
でも、滑舌がよくて、しっかり通る声。
あたしと同い年くらいかな。
でも、派手。
髪型は、肩甲骨のあたりまで伸びた、前髪ぱっつんのストレート。朱色に染めていて、目にも朱色のカラーコンタクトを入れている。それでも、不気味さを感じさせないのは可愛らしい顔立ちのせいかな。
目尻がちょっと上がってはいるけれど、きつい感じの顔立ちじゃなくて、ネコ的な、かわいい系美人顔だ。
ちょっとうらやましい気はする。
うん、ほんのちょっとだけね。
服は、黒色ハイネックのノースリーブ。丈が短くておへそが丸見え。きゅっと締まったウエストが超セクシー。スカートも、黒い革で、これまた丈の短い超ミニスカート。ちょっと前にかがんだだけで下着が丸見えになっちゃいそう。黒のニーハイソックスもエッチな感じだなあ。
靴はこれも黒色。足首が隠れるくらいのショートブーツ。
あたしは、すっかりこの朱色の髪の女の子に気を取られて、スマホ野郎の存在はどうでもいい感じになっていた。けど、スマホ野郎は存在感を取り戻すように、バツが悪そうに立ち上がった。
「おいおい、ふてくされて逃げるのかよ」
朱色の髪の女の子がしつこく攻めにかかる。
いやいやいや、もうやめたほうがいい……
って思ったら、朱色の髪の女の子が、いきなり男性の顔に手のひらを当てて、座席に押し返すように、窓に男性の後頭部を叩きつけたっ。
まじかっ。
朱色の髪の女の子は、両手で吊り輪をつかんで体のバランスを取りながら、片足を高く上げて、足の裏で男性の顔面を踏みつけるように蹴りを入れる。
パンツ丸見えっ。白っ。あ、いや、それはどうでもよくて、
男性は、この最初の一撃で戦意喪失な状態。
それでも女の子は、顔面踏みつけキックを何度も繰り返す。
男性の鼻が潰れ、鼻血が噴き出す。
唇が切れてこれまた出血。
歯が折れ、カケラが床に落ちる。
男性は、まったく抵抗する間もなく、朱色の髪の女の子に何度も顔面を潰された。
おい、
おいおい、
待てよ、
おい、あたし、どうしたらいいんだあっ。
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