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第二十ニ章
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しおりを挟む『もう二度と俺に近づくな』
そう言われてから、樹と間近で顔を合わせていない。
遠くに見掛けて。
ああ、今日は学校に来てるな。
とか。
最近見かけないな。
とか。
心の中で。
おはよう。
元気?
今日も怪我してる。ケンカばかりしちゃだめだよ。
なんてふうに話しかけてる。
でも。
諦めたわけじゃないんだ。
今の僕は小学生、中学生の頃の僕とは違う。
高校で再会して、昔に戻りつつ合った時に思ったんだ。
あの時諦めなければって。
そうしたら、違う未来があったかも知れないのに。ずいぶん遠回りしてしまったと。
だから、諦めない。
僕の真実の想いは叶わなくても、また友だちとして。
そう。一番の友だちとして隣を歩きたいんだ。
★ ★
「お誕生日おめでとう! 七星」
「おめでとう、ななちゃん。十八には見えないけど」
ボスっと明の腹にエルボー。
「いたっ。だいくんひどいっ」
相変わらずの二人だった。
「可愛いってことだよ?」
「そんな、可愛いだなんて……僕男だし」
「まぁ……可愛いはわかるけど」
大地も同意。
(え~。
ほんと、もう。
いい加減可愛いからは卒業したい)
「ここでお祝いするの、三度目だね──月日が経つのはほんと早い」
「なんか、おっさんだな」
「おっさん言うな!」
今日は僕の十八回目の誕生日だ。
皆受験生の夏ということで、去年みたいに遊びにも行けないけど、明も大地も今日はこうして集まってくれている。
いつも通り、細やかで楽しい時間だ。
「今年も……樹、一緒に祝えなかったね……」
明がぼそっと漏らすと、大地が「しっ」と口の前に指を立てた。
僕に気を使ってくれたのだろう。
(去年はいっくんの誕生日と一緒にお祝いする予定だったけど、バイトで来れなくなったんだっけ。
でもバイトの後来てくれて、二人でプレゼントの交換をしたんだ……)
そう思い返して、ぽっと心が温かくなる。
「大くん。大丈夫だよ……僕もいっくんに連絡いれたし」
「え? そうなんだ?」
大地はちょっとびっくりしたようだ。
もう全く関わり合っていないと思ったのかも知れない。
「うん。僕、時々いっくんにラインしてる。返事は来ないけど……でも、既読にはなってる。ブロックはされてないんだよぉ」
僕は笑顔で言った。
「七星~」
「ななちゃん」
二人が僕にぎゅっと抱きついてきた。
「七星、いいんだよ。あんな奴ほっといて」
「ななちゃん、ありがとー。樹を見捨てないでくれて。ほんと、いいこ」
二人は全く別のことを言う。
でも僕を思ってくれている気持ちは伝わってくる。
「僕……諦めないって決めたんだ。前に一度諦めて、後悔したから」
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