Crescendo ──春(ハル)ノクルオト

さくら乃

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「………………」
「………………」

 遙人に緩く抱かれながら、しばらく黙り込む。
 何を考えているのだろうか。
 ふうと吐息が漏れる。

「なに?」
「いえ……やっぱり、生のまましたかったなぁ、とか思って」
「えっ」

 またしても、爆弾発言にオレは凍りつく。
 遙人は手をオレの腹に滑らせ、ゆるゆると撫でる。

「この、誰も知らないシウさんの奥の奥で、出したかった」
「………………」
「いつか、いい? ね、詩雨」

 最後は耳の内に息を吹き込むように、甘い甘い声で。

( そんな声で、言うことかっっ )

 オレは彼の腕から逃れ、振り返ると。

バシャッバシャッバシャッ。

「うぁっ、なにっなにっ、シウさん、やめて」

 遙人の顔を目がけて、お湯を見舞った。
 ぬるめのお湯で良かったな。

「ふんっ」

 オレは仁王立ちになって、遙人を見下ろし
た。

「ぶぁ~~かっっ」


**


 遙人は、ストイックな顔に似合わないくらい、いつもオレへの愛の言葉をストレートに囁く。
 逆にオレは、こんなチャラそうな外見に反し、気持ちを言葉にするのが恥ずかしい。

 ──── 遙人のこと、愛してる。

 だから、遙人の愛の言葉も、甘くなる雰囲気も、本当はすごくすごく嬉しいんだ。

 でも。
 そういうのって、なんか、照れるだろ。
 心臓が壊れそうなくらい、ドキドキしちゃうだろ。

 だから。
 ずっと、甘くなくて、いいんだ。

 遙人も、ああやって、時々バカなこと言って、ぶち壊すし。
 オレもつんけん言い返すし。

 このぐらいの匙加減が、オレたちに似合いだろ。
 オレはそう思う。

 そうやって、ずっと一緒にいよ?



      ** おしまい **
 



    
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感想 1

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みんなの感想(1件)

グアダルーペ

作品、2作とも、詠ませいただきありがとうございました。
全く想像もしなかった最後、ビックリ、ホッとでした。

最後はリアルタイムで追わせて頂きながらのエピローグでした。

今朝は穏やか、みんなの幸せを祈ります。

お疲れさまでした。


 

2023.01.16 さくら乃

初めましてグアダルーペ様。

感想ありがとうございますm(_ _)mこちらのサイトでの初めての感想で泣いて喜んでいるところです。
二作とも読んで頂いたとか。もう感謝しかありません。
思いもよらないラストと思っていただければ、この二作の繋がりは成功したかなと思っております。緑に~のラストは、読者様がどうお考えになるのか楽しみにしておりました。

実は、この後After Storyが何話かありまして、読んで頂ければ幸いです♡

解除

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