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しおりを挟むぼんやりとした意識が急速に浮上して、はっと気づく。
「イ、イオ……っ。なに……っ」
軽く彼を押し退けた。
拒絶したように思われたかと不安になって、慌ててイオの顔を見る。
「どうした? 嫌……か?」
そう問われ、首を横に振る。
「ううん、いや、じゃない」
いや……じゃない。
ただ、びっくりした……あんなふうに触れられるのは、初めてで……。
イオには今までも傷を舐められたり、涙を舌で拭われたりしていた。たぶん、他から見たら少し変わった行為だろう。
それでも、まだ、父親の域だった。
けど、あの触れ方は違う……。
もう、全く父親のものじゃない。
あれは……?
「なら……良かった」
答えは、その瞳のなかにある。
熱い熱い瞳に射竦めれていた。
ふぁさ……。
瑠璃の花のなかに柔らかく倒された。両手は顔の脇で、指を絡めた状態で縫い止められている。
真上から見つめてくる瞳。
その形の良い唇が動く。
「トール、愛してる」
「──!」
それは短いけれど、魂を揺さぶる言葉。
自分への言葉でもあり、もうひとりの自分への言葉である。
そう感じた。
でも、それを返せる程、まだ感情がついていかない。
ただ、心臓は跳ね上がり、身体中が熱くなる。
「もっと……お前に触れたい」
答えは聞かず、イオが胸許に顔を埋めた。
鎖骨の、己のつけた証に口づけ、強く吸い上げる。
「ん……」
それだけで、吐息が漏れる。
充分に堪能すると、唇は徐々に上っていく。
喉許。首筋。そして、耳へ。
耳朶を甘噛みし、全体を舐め回して、穴のなかまで舌を差し入れてくる。
ぐちゅぐちゅと反響する音。
な……に……。
なんか……すごく、恥ずかしい……。
それだけでない。
解かれ離れて行った片手が、上衣の裾から入り込み、自由に動き回っていた。触れるか触れないかの微妙な加減で腹を撫で、胸の辺りで留まる。
自分では触れたこともない。
女性のようにふっくらしているわけでもないそこを揉み拉かれ、先端を捏ねくり回される。
「ひゃっ」
変な声が出てしまい、身を捩ろうとするが動くことができない。太腿の両脇を膝で押さえ込まれていた。
更には、腹に腹を合わせて、重みが伸しかかってくる。
え……。
腹に熱いものを感じた。
これって……。
思い当たって、かっと顔に熱が溜まる。
そして、それと同じ熱さが自分にもあると、自覚した。
「お前のも、熱いな」
そう嬉しそうに言うが、トールの方は羞恥で頭が溶けそうなくらいだった。
「イ、イオ……ボク……恥ずかし……」
「そんなことはない──私を想ってくれている証だ」
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