【R18】聖女の思春期奇行列伝 ~創造主は痛みを快楽に変える変態を創り出す~

ももちく

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第14章:首都攻防戦

第6話:女の情

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 ヨーコ=タマモは、ふふっ……と微笑みを零す。それをキョトンとした顔つきで見てくる半天半人ハーフ・ダ・エンゼルに対して、まるで言い訳じみた台詞を吐くヨーコ=タマモであった。

「なるほどなのデス。最低な男に騙されていたのデスネ。でも、貴女がやっていることは、その最低な男を手助けすることなのデス。自分で矛盾を感じないのデスカ?」

「さすがは処女おとめじゃて。一糸纏わぬ裸体でお互いの身体を重ねれば、あっちが何とも思っていなかろうが、女はクズ男相手に尽くしてしまう、げに悲しき生物じゃ」

 ヨーコ=タマモが語ることはある意味、この世の真理であった。男は女性相手なら誰でもおちんこさんがびんびんびきびきに立ち上がってしまう。だが、女は心を許した相手のおちんこさんしか、膣穴の奥の奥へとスペル魔を注ぎ込まれたいと思えない生物なのだ。

 だからこそ、男は娼婦たちを『淫売』だと卑下するのだ。自分で性欲処理に使っておきながら、男は娼婦たちに侮蔑の言葉をぶつけるという最低の生物なのである。しかし、娼婦たちは娼婦たちで誇りがあった。そんな最低な男たちが、一般の女性たちを強姦しないためのセーフネットであるという誇りをだ。そして、創造主:Y.O.N.Nを崇め奉る国々の神父や牧師たちも娼婦という存在を毛嫌いしつつも、社会的に必要不可欠の存在であることを認めている。

 所詮、世の中は矛盾で溢れかえっている。ただ、処女おとめはその処女性を失うまでは、いつまでも白馬に跨る皇子様の到来を夢見る処女おとめなだけである。ヨーコ=タマモは、それを懇切丁寧に眼前の片翼の天使に教えてあげようかと思うが、その前に、右手に持つ芭蕉扇を左から右へと振り払うのであった。

 その瞬間、小さな竜巻が巻き起こり、傘付き戦車の傘が遥か上空へと運ばれ、風の凶刃カマイタチにより、ズタボロに切り裂かれることになる。アリス=アンジェラは顔の前で両腕でクロスを作り、その風の凶刃カマイタチで、キレイな顔をボロ雑巾にされないようにガードするのであった。

 ヨーコ=タマモはバラバラの木材になっていく元傘付き戦車の上空へと浮かび上がりながら、それでも懸命に芭蕉扇を振り回し続けた。この芭蕉扇の動きを一瞬でも止めれば、ガードをし続けている半天半人ハーフ・ダ・エンゼルは一気に、自分の眼前へと肉薄してくることは明白であった。

 ヨーコ=タマモは少しでも、半天半人ハーフ・ダ・エンゼル神力ちからを削ぐべく、芭蕉扇から緑色の鎌を放出し続けた。アリス=アンジェラは突風で吹き飛ばされないようにと、身体に神力ちからを込めていく。その量が増していくにつれて、彼女の身体は光り輝いていく。神力ちからを溜めるとは、まさにこのことであった。暴風が止む瞬間をアリス=アンジェラは待ち続けたのである。

 暴風が一瞬だけではあるが、止むことになる。それはヨーコ=タマモが渾身の一撃を放つために、彼女もまた妖力ちからを溜めたからだ。ヨーコ=タマモは芭蕉扇を巨大化させて、その芭蕉扇の柄を両手で思いっ切り握り込む。そして、芭蕉扇を大きく縦に振りかぶり、一気に地上へ向けて振り下ろす。

 アリス=アンジェラはガードの体勢を止めて、暴風が止んだ大空へと一気に飛び上がる。彼女が目指す先はヨーコ=タマモ本人であった。アリス=アンジェラの握り込んだ右手は銀色の光を四方八方へと発していた。そして、その右手を段々と開いて行き、ヨーコ=タマモの顔面を捕らえんと、まっすぐに右手を突き伸ばしていく。

 だが、アリス=アンジェラが掴んだのは緑色の大きな玉であった。ヨーコ=タマモは芭蕉扇から放ったその緑色の大玉を肉薄してくるアリス=アンジェラにぶつけたのである。だが、アリス=アンジェラの光り輝く右手と、その緑色の大玉がぶつかり合い、さらにはその接点から、雷が四方八方へと放たれることになる。

 アリス=アンジェラとヨーコ=タマモの間から、多大なる轟音と稲光が発せられる。そして、稲光の一部は地面を穿ち、大地そのものを振動させる。そして、雷光に穿たれた地面からは大量の土砂が大空へと舞い上がる。それが、アリス=アンジェラへの目くらましとなり、アリス=アンジェラは左の脇腹に激痛を喰らうことになる。

「はんっ! 待たせちまったなっ! 半猫半人ハーフ・ダ・ニャンと、アンドレイ=ラプソティを痛めつけるのに、時間がかかっちまったわっ!」

「クリス、貴女……。ぼろぼろすぎるじゃろ」

「アンドレイ=ラプソティの方は、すぐにエネルギー切れを起こしてくれたんだが、あいつに纏わりつくシノビが存外に粘ってくれたわっ! いてててて……。半龍半人ハーフ・ダ・ドラゴンの肌を易々と切り裂く短剣ダガーを隠し持っているなんざ、これっぽっちも想像してなかったわっ!」

 クリスティーナ=ベックマンは短剣ダガーで割かれた右脇腹を右手で無理やりに抑えつけ、そこから腸が飛び出してくるのを必死に抑えていた。しかも、肩でゼエゼエハアハア……と息も絶え絶えといった呼吸をしているために、彼女が自分の側に来てくれたことに、安心感どころか、不安感のほうが一層強まってしまうのであった。

「桃源の誓いってのを覚えてるかい? ヨーコ」

「ええ、覚えておるのじゃ。我ら3人。産まれ落ちた場所と時は違えども、死ぬ時は同じ場所……だったな。今がその時と言えよう」

 ヨーコ=タマモは、当の昔に死を覚悟していたが、それでも、クリスティーナ=ベックマンには生きてほしいと願っていた。桃源の誓いをおこなった時の3人組のひとりは、既にこの世には居ないのだ。だからこそ、今更、桃源の誓いの話をこの場で持ってこられても、正直、困惑する気持ちのほうが強いヨーコ=タマモである。

「そんな顔すんじゃねえよっ。あたいだって、あいつが欠けた時点で、桃源の誓いなんざ、割りとどうでも良いって思ってるんだ」

「貴女ってひとは……。しかし、貴女の言いたいことはわかるのじゃ。誰かが生き残れば、それで桃源の誓いは果たされる。そういうことじゃな?」

「さっすがは名軍師。んじゃ、後は任せろ。お前は投降の準備でもしてるんだなっ!!」

 クリスティーナ=ベックマンはそう言うと、何もない空中を蹴っ飛ばし、彼方へと吹き飛ばした片翼の天使の方へと向かっていく。クリスティーナ=ベックマンの紅玉ルビーのように燃える両目はますますギラギラと輝きを増す。そして、その焔のように激しい意志をもってして、空中で体勢を整えようとしていた片翼の天使へと真っ直ぐ突っ込んでいく。

「あたいの名はクリスティーナ=ベックマンっっっ! キョーコ=モトカードの意志を体現する者だっ! 尋常にいざ勝負っっっ!」
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