【R18】聖女の思春期奇行列伝 ~創造主は痛みを快楽に変える変態を創り出す~

ももちく

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第14章:首都攻防戦

第9話:ヒトの皮を被った獣

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 アンドレイ=ラプソティが追っているダークエルフのダン=クゥガーは首都:ヴァルハラントの宮殿近くにある、とある建物の中へと消えていく。そこでは神聖ローマニアン帝国時代の旧臣たちが揃っていた。ボロを着ても錦といった感じの不遜な雰囲気を醸し出す一団が、眼の前に現れたダン=クゥガーに対して、深々と頭を下げる。

「ダン=クゥガー様、お待ちしておりました。魔物モンスターたちを手引きしていただき、混乱は徐々にですが、ヴァルハラント全体に広がりつつあります……」

「そうか。ヨーコ=タマモやクリスティーナ=ベックマンは最低限の仕事はこなしたと見て良いのだな。では、これより30分後に宮殿へと乗り込む。能臣以外は斬り捨てよ」

「美女はどうするのですか? いくら、憎きレオン=アレクサンダーがその巨大なるおちんこさんをねじ込んだ相手と言えども、美女を斬り捨てるのは、大きな損失では?」

 ボロを着込んだ貴族たちはニヤニヤと不気味な笑みをその顔に浮かべていた。要は、自分たちにおこぼれがほしいと言ってきているのだ。レオン=アレクサンダーが後宮に集めた美女たちは、ひとりひとりがこぶし大の金塊と等しき値がつけられるほどの粒ぞろいである。

 その美女たちの頬を自分たちの汚いおちんこさんでビンタしてやりたいと思うのは、この下衆な貴族たちでなくても、きっと同じであろう。男という生物はとてつもなく、悲しい生物なのだ。おちんこさんを女性の下の口に突っ込むだけでは征服感は満たされないのだ。だらしなく蕩けた表情で、上の口を用いて、しゃぶってもらわなければ、本当の意味では、その女性を征服した気分を味わえないのである。

「ふんっ。この下衆どもがっ! だが、嫌いじゃない。しかしだ。レオン=アレクサンダーの正妻は俺様に回せ。決して、乱暴狼藉を働くんじゃねえ……」

 ダン=クゥガーから婦女暴行の認可を得られた貴族たちは、一斉にその顔を喜色で染めることになる。最初は、おどおどとした表情であった。もし、レオン=アレクサンダー帝に同じようなことを進言すれば、首級くびを刎ねられてもおかしくない提案である。そんな下衆極まる進言を受け入れてくれる下衆な君主の到来に、大いなる喜びを感じてしまう旧神聖ローマニアン帝国の貴族たちであった。

 貴族たちは自分たちの新しい君主となるダン=クゥガーを手厚く歓迎する。その席で、自分たちの新しい方策を次々と言い出す始末であった。どれもこれも、レオン=アレクサンダー帝の打ち出した政策の全てを否定するモノばかりであっただけでなく、レオン=アレクサンダー帝に仕える者たちの財産を全て没収するといった、非常に馬鹿げた方策を示す者までいた。

 しかもだ、財産だけならまだマシだったと言えよう。それの方策を説明する貴族たちは、その家臣の嫁や娘も没収するという、鬼畜ここに極まれりといったモノだったのだ。しかし、ダン=クゥガーは好きにしろというだけである。ダン=クゥガーはただただ、この神聖マケドナルド帝国の全てを破壊できれば良いと考えていた。いくら愚策も愚策の方策を示し続ける旧神聖ローマニアン帝国の貴族たちを粛清しようとは、塵ほどにも考えなかった。

 ただただ、この帝国が滅びの一途を辿れば良いとだけ考えるダン=クゥガーである。ダン=クゥガーはレオン=アレクサンダー帝の手により、神聖マケドナルド帝国から追放された皇子である。しかしながら、レオン=アレクサンダー大王が神聖ローマニアン帝国へ侵攻を開始する前から、ダン=クゥガーは廃嫡される危機へと誘われていた。ダン=クゥガーが神聖ローマニアン帝国の世継ぎとして相応しい人物かどうかを、当時の神聖ローマニアン帝国のみかどは星見役に問うたことがある。

 しかしながら、ダン=クゥガーは凶星そのものだと星見役がみかどに真言したために、ダン=クゥガーは皇位継承権を剥奪されかけていたのである。だが、廃嫡が正式に決定される前にレオン=アレクサンダー大王は神聖ローマニアン帝国の首都を占領してしまうことになる……。

 だが、ダン=クゥガーは悪運の強い男であった。神聖ローマニアン帝国の帝は首都の広場で三日間、磔にされ、さらには斬首されることになり、皇位継承権を持つ者たちも、斬首、もしくは国外追放となった。ダン=クゥガーは追放された旧神聖ローマニアン帝国の皇子のひとりであった。だが、彼の魔力とも呼べる呪力ちからが、旧神聖ローマニアン帝国の貴族たちを魅了した。ダン=クゥガーを新たな君主と据えれば、自分たちは旧神聖ローマニアン帝国時代よりも、甘い汁を吸えると思えてしょうがなかったからだ。

 そして、ついにこの首都に戻ってきたダン=クゥガーは、貴族の思い描く通りに怠惰な君主であった。貴族たちもわかっているのだ。自分たちがどれほどに愚かな方策をダン=クゥガーに進言しているのかを。だが、その一切合切に対して、『是』と答えるのがダン=クゥガーの真骨頂でもあった。

 ダン=クゥガーを取り囲む貴族たちの士気は否応なく爆上がりすることになる。馴れ馴れしい貴族に対して、ダン=クゥガーは真鍮製のコップを右手で持ち、乾杯の音頭を取る。そうした後、そのコップの中に注がれている紅い血の色をしたワインを一気に飲み干す。そうした後、ガンッ! と勢いよく木製のテーブルに真鍮製のコップの底を叩きつける。

 この所作が合図となり、貴族たちはうやうやしくダン=クゥガーに頭を下げた後、この建物の外へと飛び出していく。貴族たちは以前から賄賂を贈っていた衛兵たちの手引きにより、混乱深まる首都の中を自由自在に駆け回る。そして、新しい愚かな君主のために、宮殿までの道筋をつけるのであった。

 ダン=クゥガーは先ほど入った建物で、みかどとしてふさわしい装束に着替え終わった後、貴族たちが開いてくれた道を辿り、宮殿の中へと足を踏み入れる。そして、付き従う貴族や衛兵たちを顎で指示を出す。

「こ。ここをどこだと思っているのグギャァァァ!」

「ら、乱暴はお止めになって……。イヤァァァ!」

 ダン=クゥガーに付き従う旧神聖ローマニアン帝国所属の貴族や、その者たちから賄賂を受け取った衛兵たちはまさにやりたい放題であった。宮殿内を荒らせるだけ荒らし回す。値の張りそうなモノであれば、廊下の脇に飾られている小さな花瓶すらも、自分の財産とするために、没収したのである。彼らが未だにニンゲンという存在として踏みとどまれたと思われる行動と言えば、この宮殿に火を付けなかったことであろう。

 宮殿に住まう者たちは、逃げ惑うしかなかった。それもそうだろう。この首都の衛兵をまとめ上げている首席騎士が宮殿の守りを手薄にしてでも、首都の混乱を収めるために、宮殿衛兵を連れて、外へと出てしまっていたからだ。これもダン=クゥガーとその取り巻きである貴族たちの計画通りであった。防御力が多大に落ちている宮殿内を荒らせるだけ荒らしたダン=クゥガーたちが次に目指した場所は、レオン=アレクサンダー帝が世界各国から集めた美男美女が居る後宮であった。
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