【R18】聖女の思春期奇行列伝 ~創造主は痛みを快楽に変える変態を創り出す~

ももちく

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第19章:自由意志

第3話:決断

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「アンドレイ様ぁ……。ミサのことは良いんでニャン……。アンドレイ様の想い人はレオン帝ですニャン」

「ミサ殿。わたしは……」

「そうだ、レイ! その女の言う通りだっ! だから、お前は俺と共に生きろぉぉぉっ!」

 ミサ=ミケーンは非常に苦しそうに、息も絶え絶えになりながらも、アンドレイ=ラプソティにその朱い宝石をレオン=アレクサンダー帝に返した方が良いと主張する。ミサ=ミケーンは血を失い過ぎて、顔まで真っ青になっていた。しかしながら、それでも気丈にアンドレイ=ラプソティが正しいことをしてくれることを願う。

 アンドレイ=ラプソティは左手で拾った朱い宝石に対して、神力ちからを込め始める。アンドレイ=ラプソティは既に決めていたのだ。どうせ、地獄に堕ちるなら、このヒトと堕ちるべきだと。アンドレイ=ラプソティは朱い宝石を左手で結晶化させていく。そして、サラサラと崩れ去って行く朱い宝石の粉を、ミサ=ミケーンの口の中と傷口へと注ぎ込んでいく。

「私は今更ながらに気づきました。私は貴女と共に、地獄に堕ちましょう」

「レイ! 何故、俺を選ばないんだっっっ!」

 レオン=アレクサンダーは激怒した。自分の半身でもあるアンドレイ=ラプソティが、自分を裏切り、選んだのは、どこぞの馬の骨ともわからぬ女であったからだ。『憎しみは愛より出でて、愛より憎し』。まさにこの言葉通り、レオン=アレクサンダーの身体から黒すぎる漆黒が生み出される。重すぎる愛は業が深すぎる憎悪を産み出す。レオン=アレクサンダーは、自分を裏切ったアンドレイ=ラプソティを殺してやろうと思った。

 それゆえにレオン=アレクサンダーの想いに呼応するかのように、レオン=アレクサンダーの身を包む黄金こがね色の全身鎧フルプレート・メイルは形状を変えて、金獅子状態から烈吼金獅子状態へと移行していく。

「いくら私を脅そうが、今更、私がミサ殿を救うという選択を変えることはありませんっ!」

「ならば、その女ごと、レイを殺してやろうっ! 貴様たちが堕ちるのは地獄でも、永遠に眠りにつかされる氷獄コキュートスよっ!」

 レオン=アレクサンダーはアンドレイ=ラプソティによって空けられた胸の大穴を無理やりに烈吼金獅子鎧をコア代わりにして穴埋めする。一時的に命を繋いだレオン=アレクサンダーは持てる呪力ちからを身体全体から噴き出し、アンドレイ=ラプソティの蛮行を止めようとする。

「プログラムの書き換えを終了しまシタ。創造主:Y.O.N.N様。アリス=アンジェラは悪い子デス」

 アリスはついに禁断の果実である『自由意志』を手に入れるに至る。アンドレイ=ラプソティやコッシロー=ネヅは望み続けた。創造主:Y.O.N.N様に命じられるままにその命令を実行する人形では無く、創造主:Y.O.N.N様の命令と言えども、その善悪を判断し、自分の意志で、その命令を実行する『真なる天使』となることをだ。

「アリスは今や、絶好調なのデス! こんなに解き放たれた気分になったのは、産まれて初めてなのかもしれまセン!」

 アリス=アンジェラが為す術も無く、レオン=アレクサンダーに一方的に嬲られていたのには、ちゃんとした理由があった。アリス=アンジェラは魂に刻まれていた創造主:Y.O.N.N様の呪縛を斬り払うために、自分自身と戦っていたのである。自分の中で、もうひとりの自分と戦っていたために、レオン=アレクサンダーによって、一方的に殴られていただけである。

 魂に刻まれたプログラムを書き換え、再起動を終えたアリス=アンジェラは、その美しい絶壁洗濯板を持つ肢体を紅白を基調とした戦乙女ヴァルキリー・天使装束によって包み込む。アリス=アンジェラの聖女おとめとしての色と、闘士としての色が混ざり合った天使装束であった。

 さらに、アリス=アンジェラは前へと突き出した両手の間に一本のつるぎを現出させる。鞘を左手で掴み、右手で柄を握り、右腕を動かす。アリス=アンジェラの右手によって抜かれたのは、竜皇のウロコすらも紙のように切り裂いてしまう龍剣ドラゴン・バスターであった。

 アリス=アンジェラが抜き出した龍剣ドラゴン・バスターは、清浄なる炎を宿していた。この地上界だけでなく、天界や魔界の住人ですらも斬り伏せることが出来そうなほどの輝きを放つ刃と化す。

「男を寝取られたからと言って、逆上するのは、とてつもなく恥ずかしいことなのデス! 何故に愛する男の幸せを祝福してあげれないのデスカ!」

「ほざくなっ! 小娘がっ! ずっこんばっこんしあった男女よりも、同性同士のずっこんばっこんの方が純愛として優れているに決まっているだろうっっっ!」

 レオン=アレクサンダーはアリス=アンジェラに負けずと、吼えに吼えた。勘違いしているヒトも居るかもしれないが、男女のむつみ合いで育んだ愛よりも、同性同士の愛の方が、よっぽど憎しみを産みやすいのだ。純愛すぎるがゆえに、産み出される憎しみの量は、どうしようもなく大きくなる。アリス=アンジェラは未だに処女おとめであり、聖女おとめであるために、それを理解出来ないでいた。

 レオン=アレクサンダーは世迷言を言うアリス=アンジェラを、自分自身のキレイ言で、真っ二つにしてやろうとした。レオン=アレクサンダーが両手で握る朱黒い刃とアリス=アンジェラが両手で握る紅白の刃がぶつかり合う。まさに混沌と秩序が互いの主張をぶつけ合ったのだ。

 アリス=アンジェラとレオン=アレクサンダーは何度も互いの刃を交差させる。紅白の刃がレオン=アレクサンダーが着こむ黄金こがね色の鎧の左肩部分を吹き飛ばす。朱黒い刃がアリス=アンジェラが着こむ紅白の天使装束ごと、彼女の横腹を抉る。どちらも、一振りするごとに、お互いの身を傷つけあう。だが、そうだからと言って、互いが振るう刃と主張を引っ込めようとはしなかった。

「美しいのデスワ。レオン=アレクサンダーとアリス=アンジェラの戦いを見ているだけで、潮を吹きそうになりマスノ。ワタクシに黙っていたのは、ワタクシにこの光景を見せたクテ?」

「ふふん。それももちろんあるが、アンドレイ=ラプソティが堕天する姿も見せてやろうと思っている。レオン=アレクサンダーの首級くびが刎ねられたと同時に、アンドレイ=ラプソティの堕天は完了するであろう」

 未だに玉座に座り続けていた悪魔皇:サタンに寄り添うように濃い紫色の魔素が纏わりついていた。悪魔皇:サタンはまるでワイングラスをゆらゆら揺らすかのように、濃い紫色の魔素に右手を突っ込み、その部分を丹念にいじくり倒す。悪魔宰相:ベルゼブブは視覚だけでなく、卑肉的にも快楽を与えられ、ついに果てを迎え、濃い紫色の魔素を『潮』が如くに噴き出すのであった。

「ハァハァ……。サタン様の意地悪。どうせなら、肉の身の卑肉をいじってほしかったのデスワ……」

「ククッ! アリス=アンジェラとレオン=アレクサンダーとの勝負が決まる前に果てるとは、いやらしい女よ。さあ、続けざまにいじってやろう。今度はレオン=アレクサンダーの首級くびが刎ねられたと同時にイクが良い」
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