クトゥルフの雨

海豹ノファン

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怒れるBBA

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「オホホホホ!この娘は頂いていくわ!!」

!!!

何と江戸華喧華が私の体を抱き抱えていたのだ!
不敵な笑みを浮かべる喧華、抱き抱えられ眠っている私。

でも私にとってはこれも好都合。

だって江戸華喧華は彩華、奈照の魔力石を同時に持ってるんですもの。

しかしもう一人の魔力石は使い物にならないと放って置いたようね。

でもそれで十分、サッサと魔力石、そして自身の身体を取り戻すわよ!

サキュラSIDEーーー

勝ち誇ったように江戸華喧華が私を抱き抱えている。

どうやら江戸華喧華は私の後を追っていて私とトラテツを捕らえるつもりだったようね。

でもそうは行かない!

私は自身の身体も、そして喧華が今持ってる奈照と彩華の魔力石を取り戻す為に喧華めがけて突っ走る。

「来させるか!喧嘩百砲!!!」

喧華は無数の拳を私に放つ。
私はそれを避ける。

喧華は来させるかとばかりに拳を矢継ぎ早に私に繰り出すが私は避けながら喧華に距離を詰めていく。

「くうっ、すばしっこいわね!火炎乱舞!!」

喧華は彩華の魔力石を使う。

「もらった!!」

私は喧華が魔力石を使おうとした隙を見て手を振り上げ、彩華の魔力石を取り返す。


「くっ!この野郎!!」

喧華はサキュラから手を離し、私に飛びかかる。

「捕まるか!ライジングボルト!!」

「うおっ!」

私は喧華の頭上に雷を降らせ、喧華はそれによって身を防ぐ。

私は手を離されたサキュラを自身の手に取り戻す。

私はすかさず彩画の魔力石をネックレスのチェアーに通し、それを首にかける。

「うおおおっ!!!」

喧華が襲いかかってくる。
そして私は彩華の火炎乱舞を喧華にお見舞いして…あらっ!?

都合の悪い事に私とトラテツは入れ替わってしまった。

何を隠そう、憑依とは対象が目を覚ましたり意識を取り戻してしまうと身体が自動的に入れ替わってしまうのだ。

「ぷぎゃっ!?」

目を覚ましたトラテツは喧華のパンチで顔面をえぐられる。

殴り飛ばされるトラテツ。

「な、何があったん??なんでババアこんなとこおるん?」

痛がりながら立とうとするトラテツ。

喧華が仁王のようないで立ち、殺気を湧き立たせながらトラテツの前に立つ。

「わ、わいおばさんになんか悪い事したん?」

トラテツは顔を青くして喧華を前に蛇に睨まれた蛙状態になる。

このままではいけない!
私は武器になりそうなのは何処かに落ちていないか探る。

すると何故かサバイバルナイフが落ちているのに目が映った。

喧華はトラテツに掴みかかろうとしている。
トラテツはテンパっていて何も出来ない。

私は一思いに喧華の太ももをナイフで突き刺す。

私は力の限りナイフを喧華の太ももにググッと押し出す。

「このガキャア!!」

喧華の剛腕で私は殴り飛ばされる。
凄い威力ね…危うく意識を飛ばされる所だったわ。

「お前わいの前で女の子に暴力振れよったなあ!!!」

トラテツも私が暴力振るわれたのが逆鱗に触れたようで喧華にライジングブローを放った。

「生意気なガキめ!二人纏めて魔力石にしてやる!!!」

トラテツと喧華が戦おうとしているけど正直今のトラテツに勝ち目は無い。

それに喧華と戦うよりもしなければならないことがある。

「トラテツ!奈照の魔力石は喧華が持ってるわ!コイツと戦うよりも石を奪う事を考えるのよ!」

「ほなけど…ぐあっ!」

喧華とトラテツの攻防戦の最中、正直私が口を挟むのは得策では無いけどこのまま戦って倒されて貰っても都合が悪い。

ここはトラテツに奈照の魔力石を奪い返す事に全力を注いで欲しい。

しかし今の所トラテツは喧華の前に防戦一方だ。

「トラテツ!首にかけてある赤い魔力石を握りなさい!」

私はアドバイスをトラテツに送る。

トラテツは何で首に石がかけられているのかに戸惑ったがそれを私の言う通り握ってくれる。

すると炎が蛇のように宙に舞い、喧華を後ずらせた。

これで喧華の動きを止める事が出来た!

「今よ!奈照さんの魔力石を奪い返すの!!」

「魔力石…あれか!?」

トラテツは白い魔力石に目が行く。
すかさずトラテツは俊敏な動き、盗みのテクニックで喧華から奈照さんの魔力石を首から引きちぎる形で奪い返す。

「なっ!魔力石が!?」

狼狽える喧華。

「さあっ、今のうちに逃げるのよっ!!」

私とトラテツは走り去った。

「おのれっ、待て…!!」

追いかけようとした途端喧華の右太ももに痛みが走る。

太ももには先程私が突き刺したナイフが刺さったままとなっている。

喧華は自身の太ももにナイフが突き刺さったままなのを引き抜く。

「あのガキ共…次見つけたらボロボロにしてやるわ-」

喧華はガマガエルのような顔を一層醜悪にして漏らした。

海溝潤実SIDEーーー

私は部屋から出た後多くの子供のオークが私に駆け寄ってきた。

「キャッ!どうしたの!??」

私は多くのオークが泣きながらすがっているのに少々驚く。

『お姉さん!僕達オークの仇を取って!』

『人間がオークを悪い奴と決めつけて僕らをいじめるんだ!!』

『人間の女の子がオークに襲われたと嘘を吹き込んで人間がいじめてくるんだ!』

やや戸惑う私に後ろから大きなオークが私に話してきた。

「この子達もまた人間から酷い目に遭ったんだ、どうか我々の仇を討って欲しい…」

私…よくわからないけどこれで皆んなの役に立てるのなら…私はオーク達の話を聞く事にした。

そんな私の後ろで大きなオークが顔をニヤつかせているのを、その時の私はまだ気付かなかった。

私はこの子達の話に涙線が熱くなり、この子達を助けてあげたい気持ちでいっぱいになった。

この子達は人間と仲良くしたいと思っていて頑張ってた…なのに人間はそれを認めずにオークを迫害し、いじめてきた。

私はこの子達を手を広げて抱き止めた。

「大丈夫よ、お姉さんが君達の仇を討ってあげるから!だから元気出して!」

「うわああんお姉さん!!」

ああオークでもこんなに肌が温かいんだ、それにこんな可愛い子達を人間がいじめるなんて…許せない!

私が絶対仇を討ってあげるからね!

サキュラSIDEーーー

徳島の山の麓、剣渓を目指す。
そこに海溝潤実の捕らわれている「オークの街」があるからだ。

凄い速さで流れる川、岩ばかりの絶壁の地。
そのずっと天上にオーク達が人間に狼煙をかける準備をしている。

海溝潤実はそれに使われていると言う。
しかし海溝潤実、気付くのよ、これがあるインスマスの策略だって事を!

私達は岩山の中の街のとある広場に着く。
ここから先はトラテツ一人に行って貰う必要があるわね。

「トラテツ、私は敵を引きつける、ここから先は貴方一人で行きなさい」

どこに敵が潜んでいるかわからないし今も私達の匂いを嗅ぎつけているオーク達が多くいる。

あ、今のは駄洒落ではないからね。

「え?ほなけどサキュラちゃん一人でいけるん?」

「私よりも自分の事を心配しなさい、女の子に手を出せないのは良いけど戦場でそんなだと真っ先にやられてしまうわよ!」

私はキツくトラテツに言って聞かせる。
それで結構悪く思われたりする事もあるけど。

それと私と海溝潤実が喧嘩し合う仲ってイメージ持たれてるけどそんな事は無いから。

寧ろ海溝潤実がやられてるから。

それとトラテツも口答えしだしてるし。

「何やって!?わいは女の子には手を出さんて信条なんじゃ!これはじっちゃんも大切にしよった信条でな!!」

トラテツがムキになって口答えしていると…。

『トラテツ!今はサキュラの言う事を聞いてサッサと潤実を助けに行って来い!!』

突然可園彩華の声が聞こえてきた。

『そうよ、そうしている間にもオーク達が私達の元へ嗅ぎつけているわ!潤実ちゃんを助けてあげられるのは貴方だけなのよ!』

次いで軽間奈照の声が。
魔力石からなのか、どこからなのかわからないけどこのような事もあるのか。

これは私にも想定外の事だった。
しかしこれに驚く暇など無い、トラテツには潤実を助け出して貰わないと。

トラテツに私の異能の影響を受けて貰われると困るから…ね。

「だあっ!わ、わかったよ!!」

トラテツは半分ムキになったように階段を駆け上る。

可園彩華、軽間奈照…感謝するわ…それと軽間奈照…貴女は私を恨んでたんじゃないの?

いえ…なんでもないわ…私はオークをここで惹きつける。

トラテツ…海溝潤実を頼んだわよ!
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