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日常と裏家業
依頼完遂
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今回も問題なく依頼完遂だな。
しかし、こんな異世界に来て麻薬組織の殲滅や薬をキメた連中と殺りあうとは思わなかったぜ。
……まあ、多少なり状況を理解したり会話できていたあたり、睾丸に覚醒剤を注射してるような日本の薬物中毒者よりかは正常だったかもしれん。
ベーンが木箱を持ってきて、その中に四肢を切断された領主と組織のボスの二人を無理矢理につめしこみ始めた。
領主がちょうど良いサイズまで四肢切断されたので、なんとか一つの箱に収めることができたようだ。
あとは、その薄汚い肉の詰め合わせを王都に持っていくだけ。
どのみち組織の男も最後は王都行きなので一緒に持っていくことにするようだ。その仕事はベーンがやってくれる。
そして、ここで登場したのがナルミ自作のリヤカーである。金属パイプと空気入りゴムタイヤで構成された荷車。
ゴムタイヤを作れるのは俺達の領地だけなので、他から見れば未知の一品だ。
言うまでもないが、木製の車輪なんかよりも衝撃は少ないうえに走行も安定する。
むろん製造して販売している。しかも、すっごい売れいきだ。
ベーンはガタゴト騒ぐ木箱に蹴りをいれたあと、それをリヤカーにのせて近くの街を目指して引っ張りだした。
王都までは遠いので、街で転送屋に頼んで野郎共だけを王都に送ってもらうのだ。
……そして、あの領主と組織のボスも色々と自白させられるためにベーンの尋問を受けるだろう。……尋問と言うか、もはや拷問と言えるものだが。
王都で幾人もの犠牲を出した元凶である偽者の王も、捕まった後に相当な尋問を受けたらしい。
腹部を少し切開し、ミミズのような肉食虫をぶちこむ、煮えた油で浣腸、踵骨が出てくるまで踵の肉を削ぎ落とす、刃こぼれした剃刀で男根を縦に真っ二つ、などなど地獄も地獄的な方法である。
ふいに下を向くと、ニオン副長と領主が雇っていた傭兵が会話してる姿が視界に入った。
「君達は、これからどうするのかね?」
「本隊に戻って、ありのままのことを報告するさ。金は入らなかったが、しょうがないさ」
「そうか」
「まったく、俺達も依頼主を見る目がねぇぜ。こればっかりは自業自得だ。俺達は傭兵団『鉄鋼獣』の第三番隊だ。あんた達とはまた顔を合わせそうな気がしてな、覚えといてくれ」
そう言い終えると、毛玉人の傭兵達はこの場を去っていった。
「さてと俺達も帰るか。それと、この子を連れていかねばな」
ナルミとニオン副長を頭に乗せたあと、領主が乗っていた雌の陸竜を手に乗せて連れて帰ることにした。
陸竜は愛情表現でもしてるのか、俺の指に頬を擦り付けてくる。可愛い奴め。
「なかなかムラトも、モテるんじゃなぁい」
「なにを言ってるナルミ。竜を大事にしてやらねぇとエリンダ様が悲しむだろ」
「ムラト殿は、あまり異性には興味ないのかね?」
「副長。あんまり、そう言うことは聞かないでください。俺はどうも、そう言う話は苦手なんで……」
そう言った恋愛の話は苦手だ。
それに見た目は竜のようでも意識は人間だ、それゆえに竜相手に愛情はあるが恋心は実らないだろう。
ひとまず二人と二匹で帰路についた。本部につくのは夕方くらいだろうか。
ギルド本部への結果報告は明日になるだろう。
……それと一つ気になることが。
「一ついいですか副長? あれで活人なんですか?」
領主の両腕と両脚を切断した、あの技法のことである。
ニオン副長が、俺の質問に優しげに返答してくれた。
「活人。それは、すなわち人を生かしながら無力化すること。胴体と頭さえ残っていれば生命活動は続けられる、後々いくらでも自白させられる」
言ってることは恐ろしいが、副長の表情は穏やかであった。
「いずれにせよ、今回も問題なく依頼を達成できてよかったです」
「ああ、しかし私達の本質はそれではない。君もエリンダ様から、あのことを聞いたのだろう?」
「……はい。隊長の腕の傷は、あれとの戦闘で負ったのですか?」
「うむ。変異性魔物を討伐したあとのことだよ……」
しかし、こんな異世界に来て麻薬組織の殲滅や薬をキメた連中と殺りあうとは思わなかったぜ。
……まあ、多少なり状況を理解したり会話できていたあたり、睾丸に覚醒剤を注射してるような日本の薬物中毒者よりかは正常だったかもしれん。
ベーンが木箱を持ってきて、その中に四肢を切断された領主と組織のボスの二人を無理矢理につめしこみ始めた。
領主がちょうど良いサイズまで四肢切断されたので、なんとか一つの箱に収めることができたようだ。
あとは、その薄汚い肉の詰め合わせを王都に持っていくだけ。
どのみち組織の男も最後は王都行きなので一緒に持っていくことにするようだ。その仕事はベーンがやってくれる。
そして、ここで登場したのがナルミ自作のリヤカーである。金属パイプと空気入りゴムタイヤで構成された荷車。
ゴムタイヤを作れるのは俺達の領地だけなので、他から見れば未知の一品だ。
言うまでもないが、木製の車輪なんかよりも衝撃は少ないうえに走行も安定する。
むろん製造して販売している。しかも、すっごい売れいきだ。
ベーンはガタゴト騒ぐ木箱に蹴りをいれたあと、それをリヤカーにのせて近くの街を目指して引っ張りだした。
王都までは遠いので、街で転送屋に頼んで野郎共だけを王都に送ってもらうのだ。
……そして、あの領主と組織のボスも色々と自白させられるためにベーンの尋問を受けるだろう。……尋問と言うか、もはや拷問と言えるものだが。
王都で幾人もの犠牲を出した元凶である偽者の王も、捕まった後に相当な尋問を受けたらしい。
腹部を少し切開し、ミミズのような肉食虫をぶちこむ、煮えた油で浣腸、踵骨が出てくるまで踵の肉を削ぎ落とす、刃こぼれした剃刀で男根を縦に真っ二つ、などなど地獄も地獄的な方法である。
ふいに下を向くと、ニオン副長と領主が雇っていた傭兵が会話してる姿が視界に入った。
「君達は、これからどうするのかね?」
「本隊に戻って、ありのままのことを報告するさ。金は入らなかったが、しょうがないさ」
「そうか」
「まったく、俺達も依頼主を見る目がねぇぜ。こればっかりは自業自得だ。俺達は傭兵団『鉄鋼獣』の第三番隊だ。あんた達とはまた顔を合わせそうな気がしてな、覚えといてくれ」
そう言い終えると、毛玉人の傭兵達はこの場を去っていった。
「さてと俺達も帰るか。それと、この子を連れていかねばな」
ナルミとニオン副長を頭に乗せたあと、領主が乗っていた雌の陸竜を手に乗せて連れて帰ることにした。
陸竜は愛情表現でもしてるのか、俺の指に頬を擦り付けてくる。可愛い奴め。
「なかなかムラトも、モテるんじゃなぁい」
「なにを言ってるナルミ。竜を大事にしてやらねぇとエリンダ様が悲しむだろ」
「ムラト殿は、あまり異性には興味ないのかね?」
「副長。あんまり、そう言うことは聞かないでください。俺はどうも、そう言う話は苦手なんで……」
そう言った恋愛の話は苦手だ。
それに見た目は竜のようでも意識は人間だ、それゆえに竜相手に愛情はあるが恋心は実らないだろう。
ひとまず二人と二匹で帰路についた。本部につくのは夕方くらいだろうか。
ギルド本部への結果報告は明日になるだろう。
……それと一つ気になることが。
「一ついいですか副長? あれで活人なんですか?」
領主の両腕と両脚を切断した、あの技法のことである。
ニオン副長が、俺の質問に優しげに返答してくれた。
「活人。それは、すなわち人を生かしながら無力化すること。胴体と頭さえ残っていれば生命活動は続けられる、後々いくらでも自白させられる」
言ってることは恐ろしいが、副長の表情は穏やかであった。
「いずれにせよ、今回も問題なく依頼を達成できてよかったです」
「ああ、しかし私達の本質はそれではない。君もエリンダ様から、あのことを聞いたのだろう?」
「……はい。隊長の腕の傷は、あれとの戦闘で負ったのですか?」
「うむ。変異性魔物を討伐したあとのことだよ……」
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